
こんにちは。売れない実家や空き家をどう手放すか、一緒に考えるカズです。
私は不動産の仕事を20年以上やっていますが、「不動産会社に頼んでも売れない」「もう0円でもいいから手放したい」という相談は珍しくありません。
ただ、売れない家だからといって、最初から解体したり0円で譲ったりする必要はありません。まず売り方を見直し、次に買取などを比べ、それでも難しいときに無償譲渡や相続土地国庫帰属制度まで広げる。この順番で考えると、必要のない出費を避けやすくなります。
- 売れない家を手放す方法と優先順位
- 仲介・買取・空き家バンクの使い分け
- 0円譲渡や国庫帰属を選ぶ際の注意点
- 相続した実家で先に確認したい名義と費用
売れない家を手放すときの30秒判断
- まだ売却方法を十分比較していない → 売出価格・販売会社・買取条件を確認
- 築古・残置物あり → 片付けや解体前に現状のまま査定
- 通常売却が難しい → 買取・空き家バンク・隣地への売却も比較
- 値段より所有を終わらせたい → 0円譲渡・寄付・国庫帰属の条件を確認
費用をかけるのは、どの出口を選ぶか決めてからで大丈夫です。
売れない家を手放す方法を順番に選ぶ
売れない家の出口は一つではありません。ただし、順番を飛ばすと、本来売れた家を安く譲ったり、不要な解体費を負担したりすることがあります。まずは「本当に売れないのか」を確認するところから始めます。
まず売れない原因を一度見直す
すでに売り出しているなら、最初に確認したいのはどの段階で買主候補が止まっているかです。
問い合わせ自体が少ないなら、価格、地域需要、広告、物件条件などが考えられます。内見はあるのに申込みがない場合は、建物状態、家財、修繕負担、価格との釣り合いなどが原因かもしれません。
さらに、接道、境界、再建築の可否、共有名義、借地など、価格を下げても解消しない問題もあります。
現在すでに仲介で販売している方は、相続した家が売れない原因と値下げ前の対策で、問い合わせ数や内見状況から原因を確認してみてください。
コンサルタント @KAZU私なら「売れないから100万円下げましょう」といきなり考えません。問い合わせゼロなのか、内見後に断られるのか、契約直前で止まるのか。止まっている場所が違えば、やることも違うからです。
仲介と買取を同じ条件で比べる
今の仲介で動きがないなら、別会社の査定や直接買取も比較します。
仲介は一般の買主を探すため、条件が合えば買取より高い価格を目指せます。一方、買取は不動産会社などが買主になるため、一般の購入希望者を待つ必要がありません。ただし、再販売費用などが価格に反映されるため、仲介より提示額が低くなる傾向があります。
ここで比べたいのは金額だけではありません。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場で高値を目指しやすい | 仲介より低くなる傾向 |
| 売却時期 | 買主次第で読みにくい | 条件が合えば決めやすい |
| 家財・修繕 | 買主に合わせて対応を検討 | 現状対応できる会社もある |
| 見る数字 | 想定成約価格と最終手取り | 買取価格と売主負担 |
仲介と買取をさらに比べたい方は、実家売却の仲介と買取を価格・期間・手間で比較した記事も参考にしてください。
空き家バンクや活用も比べる
地方の家や一般の不動産市場で反応が少ない家では、自治体の空き家バンクから別の買い手へ届く場合もあります。
また、「売却する」「解体する」「貸す」のどれがいいのか自体を決められていないなら、いきなり一つへ絞る必要もありません。
売れない家は、売却価格だけでなく、いつまで所有するのか、維持費はいくらか、解体や片付けにいくら必要かを同じ表にして比べると判断しやすくなります。
売却・解体・活用のどれにするかまだ決め切れない場合は、空き家の解決方法をまとめて比較してから費用をかける方法もあります。
\ 売却・解体・活用をまとめて比較 /
解決プランの依頼・比較は無料です。工事や仲介などを正式に契約する場合の費用は別途確認してください。
片付けや解体は査定後に決める
古い家を見ると「まず片付けないと」「建物を壊したほうが売れるのでは」と考えたくなります。
でも、私は先に査定することをおすすめしています。査定だけなら家財が残った状態でも相談できる会社はありますし、買取なら残置物を含めた条件を提示できる場合もあるからです。
数十万円かけて家財を処分しても、同じ金額だけ売却価格が上がるとは限りません。解体も同じです。一度建物を壊すと元には戻せません。
解体を検討している方は、先に空き家の解体費用と解体前に確認するポイントを確認し、古家付き売却との手取り差を比べてください。
「古い家=先に解体」は決めつけないでください。
建物付きで購入したい人がいる場合もあります。解体費、売却価格、土地の税金、補助制度などを確認してから判断するほうが安全です。
0円譲渡や寄付も選択肢になる
仲介や買取でも難しく、「お金にならなくても所有を終わらせたい」という段階なら、近隣所有者や第三者への無償譲渡を考える方法があります。
例えば隣地の所有者なら、敷地を広げたい、駐車場として使いたい、接道条件を改善したいなど、一般の住宅購入者とは違う価値を感じるケースがあります。
ただし、0円なら税金も手続きもゼロになるわけではありません。所有権移転登記が必要ですし、個人から著しく低い価格で財産を取得した場合は、時価との差額について贈与税が問題になることがあります。
税務上の扱いは、国税庁「個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」を確認し、個別条件は税理士へ相談してください。
自治体への寄付も考えられますが、自治体がすべての不要不動産を引き取る制度ではありません。受け入れ条件は自治体ごとに違うため、物件所在地の窓口へ確認が必要です。
売れない家を手放す方法の注意点
売る以外の方法まで考える段階では、名義、相続人、土地の状態、税金まで確認しておきたいところです。「家をなくせば終わり」と考えると、解体後に土地だけ残ることもあります。
相続した家は名義を先に見る
親から相続した家なら、登記事項証明書で現在の名義を確認します。
相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請が必要です。正当な理由なく義務を怠った場合は、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
さらに、2024年4月1日より前から相続したことを知っていた未登記不動産については、原則2027年3月31日までという期限があります。
親名義のままの場合の進め方は、相続した家の名義変更をしていない場合の売却手順で詳しく確認できます。
また、兄弟などで共有している不動産全体を売る場合は、基本的に共有者全員の意思調整が必要です。一人だけ「早く手放したい」と思っても進められないケースがあります。
◆カズのワンポイントアドバイス
相続した実家の相談では、売却価格より前に話が止まることがあります。兄は売りたい、弟は残したい。名義はまだ親のまま。こうなると査定だけ進めても売買契約まで行けません。まず「誰が所有し、誰が決められるのか」を見てください。
相続放棄は家だけ選べない
相続が始まった直後なら「売れない家だけ相続放棄できないか」と考える方もいます。
しかし、相続放棄は不要な家だけを選んで放棄する制度ではなく、原則として被相続人の権利や義務を一切受け継がない手続きです。また、自己のために相続開始があったことを知った時から原則3か月以内という期限があります。
すでに相続財産を処分した場合などは扱いが複雑になることがあるため、相続放棄を検討している段階では不動産を売ったり処分したりする前に確認してください。詳しくは不動産を相続放棄するときの手続きと注意点も参考になります。
国庫帰属は建物付きでは使えない
相続によって取得した土地なら、一定の条件を満たす場合に相続土地国庫帰属制度を利用できる可能性があります。
ただし、これは国が空き家を買い取ってくれる制度ではありません。建物がある土地は申請できないため、空き家をそのまま国へ渡すことはできません。
さらに、担保権などが設定された土地、境界が明らかでない土地、通常の管理に過分な費用や労力が必要になる土地などは、却下または不承認になる場合があります。
申請時には土地1筆につき14,000円の審査手数料が必要です。承認後の負担金は20万円が基本ですが、土地の種類・地域・面積によっては20万円を超えます。
詳しい要件は法務省「相続土地国庫帰属制度について」で確認してください。サイト内では空き家を国が買い取る制度と国庫帰属の違いも詳しく解説しています。
国庫帰属のためだけに先に解体しないでください。
解体費を負担したうえで審査に通らない可能性もあります。建物付き売却、買取、解体後売却、国庫帰属まで費用を並べてから決めましょう。
最終手取りと負担で決める
売れない家では「いくらで売れるか」だけを比べても判断しにくいものです。
仲介なら、想定成約価格から仲介手数料、片付け、測量、売れるまでの管理費などを考えます。買取なら、買取価格だけでなく、残置物、測量、修繕、契約上の責任をどこまで売主が負担するかを確認します。
0円譲渡や国庫帰属なら売却代金は期待できませんが、その代わりに今後の固定資産税や管理負担を終わらせられる可能性があります。
つまり比較するのは、売却価格ではなく「最終的にいくら残るか」と「いつ所有を終えられるか」です。
また、相続した家では取得費や売却時期によって税額や特例の扱いが変わることがあります。税金まで含めて確認したい方は、相続した家を売却したときの税金と3,000万円控除も確認してください。
手放し方を決める前の3ステップ
- 名義と物件条件を確認する:所有者、共有、接道、境界、建物状態を見る
- お金をかけず出口を比較する:仲介、買取、空き家バンクなどを確認する
- 難しい場合に次の方法へ進む:0円譲渡、寄付、国庫帰属の条件と費用を見る
「売る」「解体する」「活用する」のどこへ進むかまだ決められないなら、先に複数の解決方法を見てから判断するほうが、不要な工事や処分費を避けやすくなります。
\ 手放し方を決める前に解決策を比較 /
比較したうえで、今の家に合わない方法なら選ばなくても大丈夫です。
売れない家に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 家財が残ったままでも家を売れますか?
A. 家財が残っていても査定を受けられるケースは多くあります。買取会社によっては残置物を含めた引渡条件を相談できることもあります。先に高額な片付けをするのではなく、現状売却と片付け後の売却条件を比べてから決めてください。
Q2. 不動産会社に売れないと言われたら0円譲渡しかありませんか?
A. いいえ。会社によって得意な地域や物件が違うため、別会社への査定、直接買取、空き家バンク、隣地所有者への売却などを先に確認する余地があります。0円譲渡は、売却可能性を確認した後でも遅くありません。
Q3. 自治体なら売れない家を引き取ってくれますか?
A. 自治体が不要な家や土地を一律に引き取る制度ではありません。寄付を受け付けるか、どのような土地が対象になるかは自治体によって異なります。物件所在地の担当窓口で確認してください。
Q4. 相続した家だけ相続放棄できますか?
A. 相続放棄は、不要な家だけを選んで放棄する手続きではありません。原則として被相続人の権利や義務を一切受け継がない手続きで、申述期間もあります。相続財産を処分すると判断へ影響する場合があるため、放棄を検討中なら先に家庭裁判所や弁護士などへ確認してください。
売れない家を手放す方法のまとめ
売れない家を手放す方法は、いきなり0円譲渡や解体へ進むことではありません。
まず、売れない原因と現在の販売方法を確認します。その次に仲介・別会社の査定・買取・空き家バンクなどを比較。それでも所有を続ける負担が大きい場合に、0円譲渡、寄付、相続土地国庫帰属制度などを検討する。この順番です。
特に相続した実家では、名義・相続人・接道や境界・残置物・税金・維持費まで見てから動くことが大切です。
私が一番避けたいのは、「どうせ売れない」と思って先に何十万円もかけて片付けたり解体したりすること。まず現状のまま、どの方法なら手放せる可能性があるのか確認してみてください。
\ 売却未定でも手放し方を相談できます /
売却や解体を決めていない段階でも相談できます。
現在の状況だけ短く伝えたい方はLINEから相談できます。
※不動産の売却条件、相続、登記、税金の扱いは個別事情で変わります。正確な情報は法務省・国税庁・自治体などの公式情報をご確認ください。最終的な判断は、不動産会社、司法書士、税理士、弁護士など内容に合う専門家へご相談ください。












