
こんにちは。売れにくい実家や相続した不動産の悩みを一緒に考える、カズです。
不動産の仕事を20年以上していると、「何か月も売っているのに買主が決まらない」「古い家だから買取にした方がいいのかな」という相談があります。
売れない家でも、不動産会社による買取なら売却できる可能性があります。ただし、3か月や半年売れなかったという期間だけで、仲介から買取へ切り替える必要はありません。
価格や販売方法を変えれば売れる家もあれば、再建築不可、残置物、建物の傷みなどから、専門買取の方が進めやすい家もあります。私なら、まず売れない原因を確認し、仲介を続けた場合の最終手取りと、買取価格・引渡時期を同じ条件で比べます。
- 売れない家を買取へ切り替える判断基準
- 仲介と買取を比較するときのポイント
- 買取と相性がよい家の条件
- 査定や契約で後悔しない確認順
30秒で判断
- 問い合わせ自体が少ない → 価格・広告・依頼会社を先に確認
- 内見はあるが決まらない → 建物状態・負担費用・価格差を確認
- 再建築不可・大きな傷み・他社で断られた → 専門買取も比較
- 売却期限を優先したい → 買取価格と決済可能日を確認
「何か月売れなかったか」より、なぜ売れないのかと、いつまでに売りたいかで決めるのがポイントです。
売れない家を買取に切り替える判断
買取へ切り替える前に確認したいのは、売却活動のどこで止まっているかです。原因が販売方法にあるのか、物件自体にあるのかで、次の一手が変わります。
3か月や半年だけで決めない
「半年売れなければ買取」のように、一律の期限で決める必要はありません。
問い合わせがほとんどない場合は、売出価格、広告、地域の需要、不動産会社の販売方法などを確認します。一方、内見が何件も入っているのに申込みがないなら、建物の状態、残置物、修繕費と価格の釣り合いなどが壁になっている可能性があります。
さらに、条件交渉まで進んで止まるなら、境界、接道、名義、抵当権、引渡条件なども確認したいところです。
相続した実家について原因から見直したい方は、相続した家が売れない原因と値下げ前の対策で詳しく確認できます。
コンサルタント @KAZU私なら「半年売れなかった」という期間だけでは決めません。問い合わせ数、内見数、断られた理由を担当者に聞きます。止まっている場所が分かれば、値下げなのか、会社変更なのか、買取なのかを選びやすくなりますよ。
仲介と買取は手取りで比べる
仲介は、不動産会社に一般の買主を探してもらう方法です。売却時期は買主次第ですが、市場で広く募集するため、買取より高い価格を目指しやすくなります。
買取は、不動産会社などが直接買主になる方法です。一般の購入希望者を探す期間を省けるため、条件がまとまれば引渡時期を決めやすいのが特徴です。
| 比較項目 | 仲介 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場価格を目指しやすい | 仲介より低くなる傾向 |
| 売却時期 | 買主が見つかる時期による | 条件合意後の予定を立てやすい |
| 一般客の内見 | 複数回になる場合がある | 基本的に不要 |
| 残置物 | 撤去を求められる場合がある | 現状対応する会社もある |
| 仲介手数料 | 成約時に発生する場合がある | 直接取引なら通常は不要 |
| 向いている人 | 時間より価格を優先したい | 期限や手間を優先したい |
ここで比べたいのは査定額だけではありません。
仲介なら、仲介手数料、片付け、測量、修繕、売却までの固定資産税や管理費などを考えます。買取なら、提示価格から何が差し引かれるのか、残置物や測量を誰が負担するのか、いつ決済できるのかを確認してください。
同じ条件で比べる4項目
①最終的な手取り ②売却完了までの期間 ③売主が負担する費用と作業 ④引渡し後の責任。この4つを横に並べると判断しやすくなります。
今の売出価格や依頼会社に原因があるのか分からない場合は、別会社の査定を取ると判断材料が増えます。一番高い査定額を選ぶのではなく、価格の根拠と販売方法まで比べてください。
\ 今の売出価格を別会社でも比較 /
査定を比べてから、仲介を続けるか買取へ進むか決められます。
買取価格に一律の割合はない
売れない家の買取を調べると、「市場価格の何割なのか」が気になると思います。
ただ、不動産買取には「市場価格の○割」と公的に決められた一律の基準はありません。立地、築年数、接道、建物状態、再建築の可否、残置物、再販売に必要な費用などで金額は変わります。
買取会社は、購入した不動産を修繕、リフォーム、解体などしたうえで再販売することがあります。その費用や保有期間、再販売時のリスクなども査定へ反映されるため、一般の買主へ仲介で売る価格より低くなる傾向があります。
だからこそ、「相場の何割だったか」だけではなく、なぜその買取価格になったのかを聞いてください。
周辺で実際に取引された価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」でも確認できます。
売れない家の買取が向くケース
古い家だから必ず買取というわけではありません。ただ、一般の買主が購入しにくい事情がある場合や、売主が時間と手間をかけにくい場合は、買取を比較する意味が大きくなります。
築古や再建築不可の家
雨漏りや大きな設備故障がある築古住宅、再建築不可、接道に問題がある土地などは、一般の住宅購入者だけを対象にすると買主候補が限られる場合があります。
特に住宅ローンを利用する買主では、物件条件によって融資を受けにくくなることもあります。
ただし、再建築不可と言われた場合でも、すぐ解体したり「安く売るしかない」と決めたりしないでください。道路の種類や接道条件を確認すると、対応方法が見つかる場合があります。
詳しくは、再建築不可物件の売却方法と専門買取の比べ方で確認してください。
相続した実家や遠方の空き家
相続した家では、建物の古さだけでなく、名義、相続人、残置物、取得費などが一緒に問題になることがあります。
私が相談を受けていても、「家の中を全部片付けないと査定できませんよね」と聞かれることがあります。しかし、査定するだけなら荷物が残った状態でも相談できる会社はあります。
遠方に住んでいれば、何度も現地へ行って片付け、草刈り、内見対応を続けるだけでも負担です。現状のまま買取できる会社なら、こうした手間も含めて条件を比べられます。
売却期限を優先したいとき
転居、施設費用、相続人への代金分配、空き家管理などから、「一番高く売ることより、いつ売却を終えられるか」を優先したい場合もあります。
この場合は、仲介で期待できる価格だけを見るのではなく、買取会社へ最終価格と決済できる日を確認してください。
一般の不動産会社で扱いにくいと言われた家、再建築不可、残置物の多い空き家などは、こうした物件を扱う専門会社にも買取可能性を確認すると比較材料が増えます。
\ 他社で難しい家は専門買取も確認 /
査定条件を確認してから売却するかどうか判断できます。
買取で後悔しない進め方
買取では、査定額の高さだけで会社を決めないことが大切です。片付け、測量、引渡条件、契約後の責任まで含めて比較します。
片付けや解体は査定後に決める
古い実家を見ると、「荷物を全部捨てた方が高く売れるのでは」「建物を壊した方がいいのでは」と考えがちです。
ただ、私は査定前に何十万円もかけて片付けたり、解体したりすることはおすすめしていません。
買取会社によっては、家具や家電を残したまま、あるいは古家付きのまま購入できる場合があります。先に費用を出しても、その金額以上に査定額が上がるとは限りません。



私なら「現状のまま」「片付けた場合」「解体した場合」の条件を聞いてから決めます。一度解体した建物は元へ戻せません。まず費用をかけない状態で査定してもらう方が比較しやすいですよ。
媒介契約中は条件を確認する
すでに仲介で売却活動をしている場合は、買取会社と契約する前に現在の媒介契約を確認してください。
一般媒介、専任媒介、専属専任媒介では売主ができることが違います。特に確認したいのは、契約の種類、満了日、更新方法、解除条件、売主自身が見つけた買主との取引に関する条項です。
「別会社に査定を頼むこと」と「その会社へ実際に売却すること」は同じではありません。現在の契約内容が分からない場合は、契約書を確認してから進めましょう。
買取査定は条件をそろえる
買取価格は会社ごとに違います。得意な地域、再販売方法、リフォーム体制、扱える物件条件などが違うからです。
比較するときは、各社へ同じ物件状態を伝えてください。
買取査定で聞くこと
「最終的な買取価格はいくらか」「残置物はそのままでよいか」「測量や解体は誰が負担するか」「引渡日はいつか」「契約不適合責任をどこまで負うか」。この5点をそろえると比較しやすくなります。
最初の査定額が高くても、現地確認後に条件が変わる場合があります。契約前に最終価格と費用負担を確認してください。
一括査定そのものの使い方や、査定額の見方を確認したい場合は、不動産査定を複数社で比較するときのポイントも参考にしてください。
相続物件は名義と税金を見る
相続した実家の場合は、「買ってくれる会社が見つかった」で終わりではありません。
相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
制度の正確な内容は、法務省「相続登記の申請義務化について」をご確認ください。
亡くなった親名義のままでも査定相談はできますが、最終的に買主へ所有権を移すには相続関係と登記を整える必要があります。詳しくは、相続した家の名義変更と売却の順番で確認できます。
また、相続不動産を売却するときは、原則として親など被相続人の取得価額や取得時期を引き継ぎます。購入時の資料が見つからない場合は概算取得費を使えることもありますが、税額へ大きく影響する場合があります。
古い売買契約書、領収書、住宅ローン資料、建築請負契約書などが残っていないか、売却前に探しておきましょう。
税金や特例は個別条件で変わります。正確な情報は国税庁などの公式情報をご確認いただき、金額が大きい場合や特例を利用する場合は税理士などの専門家へ相談してください。
買取でも売れないときの出口
一社から買取できないと言われても、その時点で家を手放せないと決まったわけではありません。重要なのは、なぜ買取できないのかを確認することです。
断られた理由で相談先を変える
価格が合わないだけなら別の買取会社で条件が変わることがあります。一方、再建築不可、共有持分、借地、農地、山林などが理由なら、その種類を扱える会社や専門家へ相談先を変える必要があります。
専門買取でも条件が合わない場合は、隣地所有者への売却、空き家バンク、無償譲渡など別の出口を検討するケースもあります。
ここまで進む場合は、本記事へ方法を詰め込みすぎず、売れない家を手放す方法と処分する順番で出口を比較してください。
無料引取や極端に安い売却は条件確認が必要です。
所有権移転にかかる費用、別途請求される費用、税金などを確認し、「手放せれば何でもいい」と急いで契約しないようにしてください。
売れない家の買取に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 買取価格は市場価格の何割くらいですか?
A. 公的に一律の割合が決まっているわけではありません。立地、築年数、建物状態、再建築の可否、残置物、修繕や再販売に必要な費用によって変わります。「何割だったか」だけでなく、査定額の根拠と最終手取りを確認してください。
Q2. 仲介中でも買取査定を受けられますか?
A. 査定相談と実際の売買契約は分けて考える必要があります。現在の媒介契約の種類や内容によって他社との取引条件が変わるため、契約の種類、満了日、解除条件などを確認してから進めてください。
Q3. 荷物が残った家でも買取できますか?
A. 残置物がある状態でも査定や買取に対応する会社はあります。ただし、処分費を買取価格へ反映する会社もあるため、「そのままの場合」と「片付けた場合」の条件を聞いてから片付けるか決めるとよいでしょう。
Q4. 買取査定を受けたら売らなければなりませんか?
A. 査定を受けただけで売却義務が生じるわけではありません。提示価格、費用負担、引渡時期などを確認し、条件に納得できなければ見送ることもできます。申込み前に各サービスの利用条件も確認してください。
Q5. 買取なら契約不適合責任は必ず免責されますか?
A. 必ず免責されるとは限りません。買取会社との契約内容によって責任範囲は変わります。雨漏り、シロアリ、越境、設備不良など把握している事実は正確に伝え、契約書で売主の責任範囲を確認してください。
売れない家の買取は条件比較が大切
売れない家でも、買取なら手放せる可能性があります。ただ、仲介で売れないという理由だけで、すぐ買取へ切り替える必要はありません。
まずやることは3つです。
- 問い合わせ・内見・交渉のどこで止まっているか確認する
- 仲介継続と買取を最終手取り・期間・負担条件で比べる
- 難しい物件は、その問題を扱える専門会社へ相談する
私が特に避けてほしいのは、「どうせ売れないから」と先に高額な片付けや解体をしたり、一社の買取価格だけで決めたりすることです。
今の売り方を変えれば売れる家なのか。それとも、買取へ切り替えた方が負担を減らせる家なのか。費用をかける前に、まず現在の条件を比べるところから始めてください。
名義、相続人、接道、共有、残置物などが重なると、査定額だけでは判断しにくいことがあります。売却を決める前の段階でも、状況と確認する順番を一緒に考えられます。
\ 売るか買取か決める前に相談 /
売却を決めていなくても、今の状況から相談できます。
短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。
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