
こんにちは。相続した実家や古い家の売却について一緒に考える、カズです。
私は不動産の仕事を20年以上やっていますが、古家付き土地の相談では「更地より何割くらい安くなるのか」「先に家を壊してから売った方がいいのか」とよく聞かれます。
古家付き土地の売却相場に、全国共通の「更地の○割」という基準はありません。まず土地そのものの市場価格を見て、そこから古家を使える可能性、解体・家財処分の負担、接道や土地形状などを含めて判断します。
なので、相場を知るためだけに先に解体する必要はありません。古家付きの現況査定と更地を想定した査定を比べ、解体費などを差し引いた手取りを見るのが分かりやすい方法です。
- 古家付き土地の売却相場の見方
- 更地との価格差が生まれる条件
- 自分で土地相場を調べる方法
- 解体前に査定と手取りを比べる方法
古家付き土地の相場を30秒で確認
- 更地の何割とは決まっていない:土地と建物の個別条件で変わる
- 最初は土地相場を見る:近隣の実取引価格を比較する
- 解体は査定後に判断:先に費用をかけない
- 査定額ではなく手取りを見る:解体・処分費まで含めて比べる
古家付き土地の売却相場の見方
古家付き土地は、建物が古いという理由だけで一定額が差し引かれるものではありません。土地そのものの市場性を土台にして、古家をそのまま使えるのか、それとも解体が必要なのかを見ていきます。
まず「土地はいくらくらいなのか」を確認し、そのあとで古家が価格へどう影響するかを考える。この順番なら相場をつかみやすくなります。
相場は土地価格を土台に見る
そもそも「古家付き土地」という言葉に、法律上の明確な築年数の基準があるわけではありません。一般には、建物が古く、土地としての価値を中心に売却を考える物件に使われます。
ただ、築年数が古いからといって、建物の利用価値が必ずゼロになるわけでもありません。
例えば、立地がよく、建物の状態も比較的良ければ「リフォームして住みたい」という買主が現れる場合があります。反対に、建て替えを前提に土地を探している買主からすると、古家の解体費は将来発生する負担です。
古家付き土地の価格を見る基本
更地だった場合の土地の市場価値を土台に、古家の利用価値や、解体・家財処分などの負担を見ながら売却価格を考えます。
ここで注意したいのが、固定資産税評価額や相続税評価額を、そのまま売却相場だと思わないことです。
税金を計算するための評価額と、市場で買主と売主が合意する価格は目的が違います。また、不動産会社が出す査定価格、実際に市場へ出す売出価格、最終的な成約価格も同じではありません。
この違いを先に確認したい方は、不動産査定の仕組みと査定額の決まり方も参考にしてください。
価格差は解体費だけではない
「更地の相場から解体費を引けば、古家付き土地の価格になる」と考えると分かりやすいですよね。
ただ、実際の査定ではそれだけでは決まりません。
例えば、前面道路が狭く重機が入りにくい家なら、通常より解体に手間がかかることがあります。家の中に大量の荷物が残っていたり、庭石、大きな樹木、ブロック塀などがあったりすれば、その処分も必要です。
さらに、土地そのものにも価格差が出る条件があります。
| 確認する条件 | 相場への主な影響 |
|---|---|
| 接道・道路幅 | 建て替えや工事のしやすさに影響する |
| 間口・土地形状 | 住宅プランや土地利用に影響する |
| 高低差・擁壁 | 造成や補修費が必要になる場合がある |
| 境界・越境 | 測量や隣地との確認が必要になる場合がある |
| 古家の状態 | 再利用できるか解体前提かで買主が変わる |
| 残置物・庭木 | 処分費を価格交渉へ反映される場合がある |
古家は必ずマイナスになるわけではなく、誰が買うかによって評価が変わります。
だからこそ、築年数だけを見て壊すのは早いかなと思います。古い家や荷物が残っていても査定でき、そのまま売却できるケースがあります。
片付けや解体をする前に、空き家を片付け・解体せずそのまま売る方法も確認してみてください。
実際の取引価格から調べる
自分で土地相場を調べるなら、近所で現在売りに出ている土地だけではなく、実際に取引された価格も確認してください。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産取引価格や地価公示などを確認できます。(出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」)
見るときは、同じ市区町村というだけでなく、自分の土地に近い条件を探します。
- 最寄り駅や駅までの距離
- 土地面積
- 土地の形
- 前面道路の幅
- 用途地域
- 取引された時期
同じ町内でも、道路や土地の形が違えば価格は変わります。国土交通省も、取引価格は面積、形状、前面道路などの個別要因や取引事情によって異なると案内しています。
◆カズのワンポイントアドバイス
私なら近隣の取引事例を何件か見たあとに、不動産会社へ査定を頼みます。先に大まかな相場感を持っておけば、査定額を見たときに「なぜこの金額になったのですか」と聞けます。高い・安いだけではなく、説明の中身を比べられますよ。
ただし、自分で調べられるのは周辺の大まかな水準までです。
古家の状態、接道、境界、高低差、再建築の条件などは、実際の物件を確認しないと価格へ反映しにくい部分があります。
そこで、周辺価格を自分で確認したら、次は複数社の査定額とその根拠を比べてみましょう。
\ 古家付きの現況査定を複数社で比較 /
査定結果を見てから、売却や解体をするか判断できます。
相続した古家は名義も確認
親から相続した古家付き土地なら、相場確認と一緒に登記名義も見ておきましょう。
親名義のままでも査定相談をすることはできます。ただし、相続した不動産を売却して所有権を移転するには、相続登記で名義を整える必要があります。
法務省も、相続人申告登記だけでは相続不動産を売却できず、別途相続登記が必要だと案内しています。(出典:法務省「相続人申告登記について」)
また、兄弟など複数の相続人がいる場合には、一人だけの判断で古家を壊したり、大量の家財を処分したりしない方が安全です。
一人は「早く更地にして売りたい」、もう一人は「親の家だからまだ壊したくない」と考えることもあります。私はこういうケースを見てきましたが、建物を壊してから家族で話し合っても元には戻せません。
査定自体は荷物が残ったままでも相談できることがあります。まず現況の査定を取り、売却方法や必要な作業が見えてから片付ける方が無駄な出費を避けやすくなります。
さらに、片付け中に昔の売買契約書、建築請負契約書、領収書などが出てきたら、すぐ捨てないでください。
相続した土地や家を売却した場合、親が購入したときの取得費が売却後の税金に関係することがあります。
古家付き土地の売却相場を比べる方法
周辺の土地相場が分かったら、次は古家付きのまま売った場合と、更地にした場合を比べます。
ここで大事なのは、査定額だけを並べないことです。解体、片付け、測量などの費用まで含めて、最終的な手取りを見ます。
解体前に三つの価格を比べる
古家付き土地なら、私はまず次の3つを確認します。
| 比較する価格 | 確認する内容 |
|---|---|
| 古家付きの仲介査定 | 建物を残した現況で想定する成約価格 |
| 更地想定の仲介査定 | 解体した場合に想定する土地価格 |
| 現況の買取価格 | 不動産会社などが直接買う場合の価格と条件 |
例えば、古家付きなら2,000万円、更地なら2,300万円という査定が出たとします。
この数字だけを見ると「300万円高くなるなら解体した方がいい」と感じるかもしれません。
でも、解体、残置物処分、庭木撤去などに250万円かかるなら、差は50万円です。さらに測量など別の負担が必要なら、実際の手取り差はもっと小さくなる可能性があります。
古家付きと更地の比較方法
更地にした場合の想定成約価格から、解体など更地にするため追加で必要になる費用を差し引き、古家付きの想定成約価格と比較します。
反対に、解体費を差し引いても更地の手取りが明らかに大きく、土地を探す買主が多い地域なら、更地化が有利になる可能性もあります。
つまり「古家付きが得」「更地が得」と最初から決めるのではなく、同じ土地について両方の条件を出してもらうのがポイントです。
査定額より手取りを比べる
もう少し具体的に見てみましょう。
仮に古家付きの成約予想価格が1,800万円、更地の成約予想価格が2,050万円、古家を解体して家財などを処分する費用が230万円だったとします。
| 項目 | 古家付き | 更地 |
|---|---|---|
| 想定成約価格 | 1,800万円 | 2,050万円 |
| 解体・処分費 | 0万円 | 230万円 |
| 差引後 | 1,800万円 | 1,820万円 |
この単純な例なら、共通して発生する売却費用などを除く前の差は20万円です。
上記は考え方を説明するための仮の数字です。
実際の解体費、家財処分費、測量費、仲介手数料、登記費用、税金などは物件によって異なります。必ず個別の見積もりと査定結果で確認してください。
また、家を解体すると土地の固定資産税の扱いが変わる場合があります。
住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用されることがありますが、建物を取り壊した後の課税関係は、1月1日時点の状況や自治体の取扱いなども確認する必要があります。
「更地にすれば売りやすそう」という理由だけで年末に急いで壊すより、売却計画と税負担を確認してから時期を決める方が安心です。
コンサルタント @KAZU「更地なら300万円高く査定できます」と言われても、私はそこで決めません。300万円上がるためにいくら出ていくのかを必ず見ます。売却価格ではなく、最後に残る金額を見る。この考え方なら判断しやすいですよ。
査定条件をそろえて比較する
複数社から査定を取る場合にも注意があります。
A社は「古家付き・家財ありの現況渡し」、B社は「売主が古家を解体して更地渡し」という前提なら、2社の査定額だけを並べても正しい比較になりません。
できるだけ同じ条件を伝え、次の点を聞いてください。
- 古家付きのままならいくらで成約を予想するか
- 更地ならいくらで成約を予想するか
- 査定に使った周辺の成約事例は何か
- 古家を価格へどう反映したのか
- 接道や土地形状をどう評価したのか
- 想定している売却期間はどのくらいか
特に大切なのは、一番高い査定額を出した会社=一番高く売ってくれる会社ではないという点です。
査定価格は売却を保証する数字ではありません。高い査定額が出たときほど「どの成約事例を使ったのか」「その価格なら何か月程度で売れると考えているのか」を聞いてください。
複数社の査定をどう比べればいいかは、不動産査定の一括比較で確認するポイントで詳しく説明しています。
仲介と買取も同じ軸で比べる
古家付き土地だからといって、必ず買取を選ぶ必要はありません。
一般の買主を探す仲介なら、条件が合えば買取より高い価格での成約を目指しやすい一方、いつ買主が見つかるかは確定しません。
一方、買取は不動産会社などが直接買主になります。再販売費用やリスクを買取会社が負担するため、一般的に仲介での成約価格より低くなる傾向がありますが、古家や残置物などを含めた条件を相談しやすい場合があります。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場価格での成約を目指しやすい | 再販売費用などを見込むため低くなる傾向 |
| 売却時期 | 買主が見つかるまで変動する | 条件が合えば時期を決めやすい |
| 古家・残置物 | 買主との条件調整が必要 | 現況で相談できる場合がある |
| 向いている考え方 | 時間をかけて価格を目指したい | 価格だけでなく手間や期間も減らしたい |
まず相場を知りたい段階なら、仲介査定を基準にすると分かりやすいです。そのうえで、古家の状態や売却期限によって買取も比較します。
どの不動産会社へ依頼するか迷う場合は、土地売却の不動産会社の選び方も確認してください。
ここまで比較すると、「古家付きでいくらか」「更地ならいくらか」「費用を払ったあとにいくら残るか」が見えてきます。
\ 解体前に査定額と価格根拠を比較 /
査定を取っただけで、売却や解体を決める必要はありません。
古家付き土地の売却相場FAQ
Q1. 古家付き土地は中古戸建として売ることもできますか?
A. 建物の状態や地域の需要によっては可能です。築年数だけで古家付き土地と決めず、中古戸建としての査定と、土地として見た査定の両方を確認すると判断しやすくなります。
Q2. 家財が残っていても古家付き土地の査定はできますか?
A. 査定相談は可能なことが多いです。片付け前であることを伝え、残置物がある状態での売却条件を確認してください。先に高額な片付けをするより、査定後に必要な範囲を決める方法もあります。
Q3. 売る前に土地の測量は必ず必要ですか?
A. すべての売却で必須とは限りません。境界標、既存測量図、登記面積、買主との契約条件などによって必要性が変わります。先に測量を発注せず、手元の境界資料を不動産会社へ見せて確認してください。
Q4. 相続登記前でも査定を依頼できますか?
A. 査定や売却相談は相続登記前でも始められます。ただし、相続した不動産を実際に売却して買主へ所有権を移転するには、相続登記で名義を整える必要があります。相続人や遺産分割が未確定なら、査定と並行して手続きも確認してください。
古家付き土地の売却相場は手取りで判断
古家付き土地の売却相場に「更地の何割」という全国共通の答えはありません。
まず周辺の実際の土地取引を確認し、そのうえで古家の利用価値、解体費、家財処分、接道、境界、土地形状などを含めた査定を取ります。
そして最後は、査定額ではなく費用を引いたあとにいくら残るかで比べてください。
次にやることは3つです
- 不動産情報ライブラリで近隣の土地価格を見る
- 古家を壊さず現況のまま査定を取る
- 更地にした場合の費用と手取りを比較する
私なら、解体業者や片付け業者との契約より先に不動産査定を取ります。
先に何十万円、何百万円とかけても、その費用を売却価格で回収できるとは限らないからです。まず売れそうな価格を知り、それから必要な作業だけを選ぶ。この順番がいいかなと思います。
相続した土地なら、売却価格だけでなく税金も手取りへ影響します。親の購入価格が分からない場合や特例が気になる場合は、相続した土地を売却したときの税金と特例も確認してください。
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古家を売るか解体するか決められない方へ
相続した古家は、価格だけでなく、現在の名義、家族の意向、残置物、接道、解体費などで進め方が変わります。一般論を読んでも自分のケースを判断しにくい場合は、費用をかける前に一度状況を確認しておくと安心です。
「古家付きのまま売った方がいいのか」「先に解体するべきか」「査定額が会社によって違って判断できない」といった段階でも相談できます。
売却を前提にせず、現在分かっている内容から、先に何を確認すればいいのか一緒に見ていきます。
\ 売るか解体するか決める前でも相談できます /
まだ売却を決めていない段階でも相談できます。
フォームよりLINEの方が話しやすい場合は、気になっていることだけ送っていただいても大丈夫です。
物件の所在地や現在の状況など、分かる範囲から相談できます。
不動産の価格、税金、登記、建築条件は物件によって結論が変わります。記事内の金額例は考え方を説明するための一般的な例です。正確な制度は国土交通省、法務省、国税庁、自治体などの公式情報をご確認ください。
個別の税務・登記・境界・法的判断については、必要に応じて税理士、司法書士、土地家屋調査士、弁護士など、内容に合った専門家へご相談ください。












