空き家はそのまま売却できる?片付け・解体せず売る方法と注意点

空き家はそのまま売却できる?
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こんにちは。相続した実家や空き家の売却について一緒に考える、カズです。

私は不動産の仕事を20年以上やっていますが、親の家を相続した方から「荷物が残ったままでも売れますか」「古い家は先に解体しないと査定できませんか」と聞かれることは少なくありません。

空き家は、荷物や古い建物が残った状態でも査定でき、そのまま売却できるケースがあります。買主との条件が合えば、残置物を残したまま引き渡したり、古家付き土地として売ったりすることも可能です。

ただし、「そのまま売る」ことと「何もしなくてよい」ことは別です。名義、建物の状態、残置物の扱い、接道や再建築、引渡し条件を確認しないまま進めると、あとから費用や契約条件でもめることがあります。だから私は、片付けや解体にお金をかける前に、まず現況のまま査定する順番をおすすめしています。

  • 荷物が残る空き家をそのまま売る方法
  • 解体せず古家付きで売る判断基準
  • 仲介と買取で変わる費用と手間
  • 相続登記や税金で先に確認すること

まず押さえたい判断ポイント

  • 片付け前:荷物があっても査定は相談できる
  • 解体前:古家付きのままと更地の条件を比較する
  • 売り方:価格を狙う仲介と手間を減らしやすい買取を比べる
  • 相続物件:名義と税金の条件を契約前に確認する
目次

空き家をそのまま売却できるケース

「そのまま」の意味は一つではありません。家財を残す、建物を解体しない、修繕せず現況で渡すなど、何をそのままにするかで買主の負担と売却条件が変わります。まずは、先にお金をかけなくても進められる部分から見ていきましょう。

荷物が残っていても査定できる

家具、家電、衣類、食器などが室内に残っていても、不動産会社へ査定を依頼できます。査定では、立地、土地面積、接道、築年数、建物状態、周辺の成約事例などを確認するため、家の中が空でなければ査定できないわけではありません。

私が避けたいと思うのは、「全部捨ててからでないと不動産会社に見せられない」と考えて、高額な片付けを先に契約してしまうことです。例えば片付けに50万円かかったとしても、売却価格が50万円上がるとは限りません。

先にやるなら、処分ではなく価値の確認です。 現況のまま査定し、「荷物ありの条件」と「撤去した場合の条件」を同じ会社に聞けば、片付け費用をかける意味があるか判断しやすくなります。

ただし、現金、通帳、印鑑、権利証や登記識別情報、保険証券、写真、手紙、貴金属などは先に確認してください。相続人が複数いるなら、思い出の品や高価品を一人の判断で処分しない方が安全です。

残置物が多い場合の査定条件は、空き家は残置物が多くても査定できる?片付け前の確認事項と売却判断で詳しくまとめています。

解体前に古家付きで比較する

築年数が古く、建物の価値がほとんど期待できない家でも、建物を残したまま「古家付き土地」として売り出せます。空き家だからといって、更地にしなければ売れないわけではありません。

古家を残す大きな利点は、売主が解体費を先に負担しなくてよいことです。買主側がリフォームして使いたい場合や、自分で解体業者を選びたい場合もあります。

一方、土地だけを求める買主なら、将来の解体費を見込んで価格交渉が入ることがあります。そこで比べたいのは、古家付きで売れる見込み額と、更地にした場合の見込み額から解体費などを引いた手取りです。

特に接道条件などで再建築に制約がある物件は、解体後に同じような建物を建てられないことがあります。先に壊してから気づいても元には戻せません。

古家付きと更地の違いを詳しく確認したい方は、古家付き土地をそのまま売る場合と解体して売る場合の比較も参考にしてください。

◆カズのワンポイントアドバイス

私なら、古い空き家は最初に「古家付きの仲介」「更地にした場合」「現況の買取」の3条件を聞きます。提示額だけでなく、解体・片付け・仲介手数料などを引いた手取りと売却までの期間まで並べると、家族にも説明しやすいですよ。

コンサルタント @KAZU

私なら、古い空き家は最初に「古家付きの仲介」「更地にした場合」「現況の買取」の3条件を聞きます。提示額だけでなく、解体・片付け・仲介手数料などを引いた手取りと売却までの期間まで並べると、家族にも説明しやすいですよ。

現況渡しは契約条件を明確に

空き家を修繕せず、現在の状態で引き渡す方法もあります。ただし、「現況渡し」と書けば、売主側の確認や説明がすべて不要になるわけではありません。

雨漏り、シロアリ、給排水の不具合、越境、増築、未登記部分など、把握していることは不動産会社へ伝え、契約内容へ反映してもらいましょう。荷物を残す場合も、何を残すのか、誰が処分するのか、処分費を誰が負担するのかを決めておく必要があります。

「そのままで大丈夫」と口頭だけで決めないことが大切です。 残置物や設備、建物の不具合について、引渡し後にどこまで誰が負担するのかを売買契約書と特約で確認してください。

分からないことを無理に「問題なし」と答える必要はありません。古い家では、境界、接道、地中埋設物など、売主本人も把握していない問題が見つかることがあります。分からない点はそのまま伝え、調査が必要か不動産会社と相談する方が安全です。

仲介と買取は手取りで比べる

空き家をそのまま売る方法は、大きく仲介と買取に分かれます。仲介は不動産会社が一般の買主を探す方法、買取は不動産会社などが直接買主になる方法です。

比較項目 仲介 買取
価格 市場で買主を探すため高い価格を目指しやすい 再販売費用などを見込むため低くなりやすい
荷物 引渡しまでの撤去を求められることが多い 残したまま相談できる会社がある
修繕・解体 買主との条件交渉で決める 現況のまま対応する会社もある
売却時期 買主が見つかるまで変動する 条件が合えば予定を立てやすい

価格を優先するなら仲介を確認し、遠方で管理が難しい、家財が多い、早めに手放したいという事情があるなら買取も比較するとよいでしょう。大事なのは「査定額が高い方」だけで決めず、片付け費、解体費、仲介手数料、売却までの管理負担を含めて比べることです。

買取を検討するときは、空き家買取と仲介の違い、業者選びの注意点も確認してみてください。

そのまま売る価値があるかを見るには、まず現在の状態で「仲介ならいくらを目指せそうか」を知っておくと比較しやすくなります。1社だけでは片付けや解体の提案が妥当か判断しにくいため、同じ物件条件で査定理由まで比べてください。

\ 片付け・解体前に売却査定を比較 /

査定結果と各社の提案を見てから、片付けや解体をするか判断できます。

空き家をそのまま売却する進め方

そのまま売れる可能性があっても、すぐ売買契約へ進むのはおすすめしません。特に相続した空き家は、名義、相続人、取得費、税金を先に確認しておくと、査定後の話が止まりにくくなります。

相続登記と家族の合意を確認

親名義の空き家を相続した場合でも、不動産会社への査定相談は相続登記前から進められます。ただし、亡くなった親の名義のまま買主へそのまま所有権を移転することはできません。売却を完了させるには、相続人への登記を進める必要があります。

相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内の申請が必要です。

正当な理由なく義務に違反すると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。2024年4月1日より前の相続も対象で、一定の場合は2027年3月31日までが期限です。制度の正確な内容は、法務省「相続登記の申請義務化について」で確認してください。

相続人が複数いるなら、売却方針も先に話しておきたいところです。一人は早く売りたい、もう一人は親の家を残したいという状態では、査定額が出ても先へ進めません。

相続登記と売却準備を並行して進める方法は、相続した家の名義変更をしていない場合の売却手順で詳しく解説しています。

片付けと解体は査定後に決める

名義と家族の意向を確認したら、次は空き家を現況のまま査定してもらいます。ここで確認したいのは査定額だけではありません。

同じ会社へ次の3条件を聞いてみてください。

  • 荷物と建物を残したまま仲介した場合
  • 片付けや解体をしてから仲介した場合
  • 現況のまま直接買取を依頼した場合

例えば解体に200万円かかるとしても、更地にしたことで売却価格が200万円以上上がるとは限りません。金額は物件ごとに大きく変わるため、ネット上の一般的な相場だけで決めず、実際の査定と見積もりで比べます。

また、空き家がなかなか売れないときは、値段だけでなく接道、再建築、境界、残置物、販売方法に原因がある場合があります。すでに販売中の方は、相続した空き家が売れないときに値下げ前に見直す項目も参考にしてください。

税金の特例は契約前に確認

相続した空き家では、売却代金だけでなく売却後の税金も確認します。譲渡所得を計算するときの取得費は、原則として亡くなった親など被相続人が取得したときの購入代金などを引き継ぎます。

古い家では「親がいくらで買ったか分からない」ということも珍しくありません。取得費が分からない場合は、譲渡価額の5%を概算取得費とする方法があります。ただし、実際の取得費より低くなると譲渡所得が大きく計算されることがあるため、昔の売買契約書、建築請負契約書、領収書、ローン関係書類などは片付けの際に捨てないでください。

さらに、一定の相続空き家では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。2024年1月1日以後の譲渡で、対象財産を取得した相続人が3人以上の場合は一人当たり最高2,000万円です。建築時期、相続直前の居住状況、売却期限、売却代金など細かな要件があります。

ここで「そのまま売却」と特に関係するのが、2024年1月1日以後の一定の譲渡です。売却時点で耐震基準を満たしていない家でも、譲渡した年の翌年2月15日までに一定の耐震改修または家屋の取壊しが行われれば、ほかの要件を満たすことで特例の対象になり得ます。つまり、特例を使いたいからといって、売主が必ず先に解体しなければならないとは限りません。

現行制度は一定の譲渡について2027年12月31日までが対象で、原則として相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るなどの条件があります。契約前に国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で最新条件を確認してください。

コンサルタント @KAZU

相続した家では、片付けの途中で昔の売買契約書や領収書が出てくることがあります。私は、捨てる前に「この家を買ったときの資料ではないか」を必ず確認してほしいと思っています。売却後の税金に関わる大事な資料かもしれません。

名義・片付け・解体・税金の条件まで確認したら、最後は「そのまま売った場合の手取り」と「費用をかけてから売る場合の手取り」を比べます。ここまで来れば、査定額の数字だけに振り回されにくくなります。

\ 現況の査定額と売却条件を比較 /

査定を依頼しただけで売却先を決める必要はありません。金額と提案内容を比べてから次の作業を決めましょう。

空き家をそのまま売るよくある質問(FAQ)

Q1. 残置物を買主に処分してもらう場合は何を決めますか?

A. 残す物の範囲、処分する人、処分費の負担、残置物の所有権の扱いを契約前に確認します。「全部そのままでよい」と口頭で済ませず、売買契約書や特約へ反映してもらう方が安全です。

Q2. 再建築できない可能性がある家も先に解体してよいですか?

A. 先に解体するのは避けた方がよいケースがあります。接道などの条件によっては、建物を壊したあと同じように建て直せない場合があるためです。解体契約の前に、不動産会社や自治体の建築担当窓口などで再建築条件を確認してください。

Q3. 遠方の空き家でも片付け前に査定できますか?

A. まず物件情報を使った机上査定を相談できます。訪問査定でも、親族の立ち会い、鍵の受け渡しなどで進められる会社があります。遠方であることを最初に伝え、立ち会い方法や鍵の管理方法を確認してください。

Q4. 片付け中に昔の売買契約書が出たら残すべきですか?

A. 残してください。親が不動産を取得したときの売買契約書や建築請負契約書、領収書などは、売却時の取得費を確認する資料になる可能性があります。税務上使える資料かどうかは、必要に応じて税理士や税務署へ確認してください。

空き家をそのまま売却するなら先に査定

空き家は、荷物が残っていても、古い建物が建ったままでも売却できる可能性があります。だからこそ、最初の行動を「全部片付ける」「先に解体する」に固定しないことが大切です。

次にやることは3つです。

  1. 貴重品と重要書類を確保し、相続名義と家族の意向を確認する
  2. 片付け・解体前の状態で査定を取り、仲介と買取の条件を比べる
  3. 必要な費用と税金を含む手取りを見てから、片付けや解体を決める

私なら、空き家を安全に見られる最低限の状態だけ確保して、片付け業者や解体業者との契約より先に査定を取ります。売れる見込みと手取りが見えてから必要な作業だけ選ぶ。その順番なら、不要な出費を減らしやすいからです。

税金や登記、契約条件は物件や相続状況によって結論が変わります。正確な情報は法務省・国税庁などの公式サイトで確認し、個別判断が必要な場合は不動産会社、司法書士、税理士、弁護士など案件に合う専門家へご相談ください。

空き家はそのまま売却できる?

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で20年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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