実家を売るのに必要なものガイド|相続と不動産のプロが徹底解説

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こんにちは、終活だよドットコムの運営者で、終活・相続・不動産の専門家のカズです。

実家を売るときは、最初からすべての書類を完璧にそろえる必要はありません。まず確認したいのは、現在の名義・固定資産税の課税明細・購入時の売買契約書や重要事項説明書・図面や境界資料・本人確認書類です。

親から相続した実家なら、これに加えて遺言書の有無、相続人、遺産分割の状況、相続登記を確認します。書類が見つからなくても査定を始められる場合は多いため、「全部そろうまで何もできない」と考える必要はありません。

最初に確認する7つ
  • 現在の登記名義が誰になっているか
  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 公図・測量図・境界確認書・建物図面など
  • 本人確認書類・実印など
  • 相続なら遺言・戸籍・遺産分割・相続登記の状況

売却全体の順番から確認したい方は、相続不動産の売却手続き8つの流れもあわせて確認してください。

目次

実家を売るのに必要なものを3段階で確認

書類の準備から価値の把握、売却と制度活用までの3つの段階を示した図解

必要書類は「査定」「契約」「決済・登記」で分けると迷いません。物件や名義、依頼する不動産会社、司法書士によって必要書類は変わるため、以下は基本的な目安として確認してください。

査定・売却相談は手元にある書類から始められる

書類・情報確認することない場合
固定資産税納税通知書・課税明細土地・建物、所在地、面積などなくても査定相談は可能
登記事項証明書・登記情報現在の名義・共有者・抵当権など法務局等で確認
購入時の売買契約書・重要事項説明書取得時の条件・取得費見つからなくても売却自体は可能
公図・測量図・建物図面土地建物の形状や記録必要に応じて取得・調査
建築確認・検査済証・修繕記録建物や増改築の履歴あるものだけ整理

査定前に書類が全部そろっていなくても問題ありません。所在地や現在分かっている名義、築年数、家の状態、荷物の有無などを伝え、足りない資料は「何が必要か」を不動産会社に確認しながら集める方が効率的です。

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媒介・売買契約では本人確認や物件資料を追加する

不動産会社と媒介契約を結び、買主との売買契約へ進む段階では、本人確認書類のほか、物件状況や設備、境界、契約条件を確認するための資料が増えてきます。

  • 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 登記済証(権利証)・登記識別情報
  • 固定資産税関係の資料
  • 測量図・境界確認書など、手元にある土地資料
  • 建築確認・検査済証・設計図・修繕記録など、手元にある建物資料
  • マンションなら管理規約・使用細則・維持費関係資料など

実印や印鑑証明書をいつ使うかは取引の進め方によって異なります。特に所有権移転登記では売主の印鑑証明書が必要になるため、早く取りすぎず、司法書士や不動産会社から指定された時期に取得してください。

決済・引渡しでは登記書類・鍵・振込先を確認する

残代金決済と引渡しでは、買主へ所有権を移すための登記書類が重要になります。一般的には、本人確認書類、登記識別情報等、実印・印鑑証明書、振込先口座、鍵などを準備します。

住宅ローンが残っていれば抵当権抹消に必要な書類も確認します。必要書類は案件ごとに違うため、決済日が決まったら司法書士から一覧をもらい、チェック式で管理すると安心です。

相続した実家は名義と相続登記を最初に確認

3年以内の登記義務化と罰則および戸籍謄本をまとめて取得できる広域交付制度

親が亡くなった後も登記名義が親のままなら、買主への所有権移転までに相続登記が必要です。ただし、相続登記が終わるまで査定や売却相談を待つ必要はありません。

相続登記は2024年4月1日から義務化されました。原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前の相続で、すでに取得を知っていた未登記不動産は、原則として2027年3月31日が期限になります。

正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となる可能性があります。最新情報は法務省「相続登記の申請義務化について」で確認してください。

名義変更前に何ができるかは、相続した家の名義変更をしていないと売却できない?で詳しく整理しています。相続登記に必要な戸籍や遺産分割協議書などを確認したい方は、相続登記の期限・必要書類・費用と手順も参考にしてください。

2024年3月からは戸籍の広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも一定の戸籍証明書等を請求できるようになりました。ただし、請求できる人や対象となる戸籍には条件があります。

書類が見つからないときの対処

権利証・登記識別情報をなくしても売却不能ではない

登記済証(いわゆる権利証)や登記識別情報は大切な書類ですが、紛失しただけで実家を売れなくなるわけではありません。

再発行はできませんが、登記手続では法務局の事前通知や、司法書士等の資格者代理人による本人確認情報など、代わりの本人確認手続があります。費用や日程が変わる場合があるため、見つからないと分かった時点で司法書士へ伝えてください。

なお、親名義の実家をこれから相続登記するケースでは、親が持っていた古い権利証が見つからないからといって、直ちに「売れない」と判断する必要はありません。まず現在の登記名義と、これから必要な登記を確認しましょう。

境界資料・測量図がない場合は先に必要性を確認する

隣地とのトラブルを避けスムーズな売却に不可欠な確定測量図のイメージ

戸建てや土地では、境界標、地積測量図、境界確認書、越境に関する合意書などがあれば探しておきましょう。

ただし、すべての実家売却で確定測量が絶対条件になるわけではありません。土地の状況、既存資料、買主、契約条件によって必要性が変わります。

境界標が見当たらない、隣地との認識が違う、越境があるなどの場合は、不動産会社へ状況を伝え、必要に応じて土地家屋調査士へ相談してください。査定前に自己判断で高額な測量を発注するより、まず売り方と必要範囲を確認する方が安全です。

固定資産税納税通知書は名義・物件確認の手掛かりにする

固定資産税納税通知書や課税明細書には、土地・建物、所在地、面積、固定資産税評価額などが記載されています。査定相談の際に物件を整理する資料として役立つので、手元にあれば用意しておきましょう。

ただし、固定資産税評価額と実際の売却価格は同じではありません。売却価格は立地、接道、土地形状、建物状態、周辺の取引事例、需要などを含めて判断されます。

購入時の売買契約書は税金計算でも重要

仲介手数料や印紙税などの一覧と親が家を買った時の契約書を探すメリット

親が実家を購入したときの売買契約書や領収書、建築代金が分かる資料は、売却時の譲渡所得を計算するうえでも重要です。

相続した不動産は、原則として被相続人の取得費を引き継ぎます。取得費が分からない場合は、国税庁のルールにより売却額の5%相当額を概算取得費とすることができますが、実際の取得費を使える場合より税負担が増えることがあります。

そのため、古い契約書だからと処分せず保管してください。詳しい計算は国税庁「取得費が分からないとき」を確認し、個別の税務判断は税理士へ相談しましょう。

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相続した実家で確認したい税金・家財の注意点

空き家の3000万円特別控除は売る前に要件確認

相続した実家の利益から3000万円を控除できる制度の条件と最新ルール

相続した実家では、一定の条件を満たすと「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる場合があります。

主な要件には、原則として1981年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物ではないこと、売却代金が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどがあります。

控除額は最高3,000万円ですが、2024年1月1日以後の譲渡で対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は、1人当たり最高2,000万円です。また、2024年以後の譲渡では、一定の条件を満たせば売却後に買主側で耐震改修または取壊しを行うケースも対象になり得ます。

条件が細かいため、解体や売買契約の前に国税庁の空き家特例を確認してください。売却時期について迷う場合は、相続した家を売るタイミングも参考になります。

遺品整理は査定前に全部終わらせなくてよい

荷物で溢れた部屋と片付いた部屋の内覧時の印象の違いを比較した図

家財が残っていても、査定を受けられる場合は多くあります。売却前に必ず家を空にしなければならないわけではありません。

むしろ先に処分したくないものを分け、権利証・契約書・通帳・印鑑・貴金属・写真・遺言書など重要品を確保してから、不動産会社に「残置物がある状態」「片付けた場合」の売り方と費用を確認しましょう。

順番に迷う方は、遺品整理と不動産査定はどちらが先?で詳しく確認できます。

必要書類を確認したら実家の売却相場を調べる

書類を整理すると同時に、実家がいくらくらいで売れそうか確認しておくと、その後の片付け、測量、修繕、解体に費用をかけるべきか判断しやすくなります。

査定額は売却を保証する金額ではありません。複数社へ同じ物件情報を伝え、査定額だけでなく「根拠・想定売却期間・必要費用・売り方」を比較してください。

一括査定サービス自体を比較してから決めたい方は、相続不動産の一括査定比較も参考にしてください。

実家を売るのに必要なものについてよくある質問

亡くなった親名義のままでも査定できますか?

査定や売却相談は相続登記前でも進められる場合があります。ただし、亡くなった親から買主へそのまま所有権を移すことはできないため、決済・所有権移転までには相続登記が必要です。売買契約をいつ行えるかは相続状況や取引条件によって異なるため、不動産会社と司法書士へ確認してください。

権利証をなくしたら実家は売れませんか?

売却不能ではありません。権利証や登記識別情報は再発行できませんが、事前通知や司法書士等による本人確認情報など、代わりの手続があります。紛失が分かったら早めに司法書士へ伝えてください。

境界が分からなくても査定・売却できますか?

査定は進められる場合があります。また、すべての取引で確定測量が必須になるわけではありません。境界標や測量図の有無、越境、隣地との認識などを不動産会社へ伝え、測量が必要か確認してください。

荷物が残った実家でも査定できますか?

査定できる場合は多くあります。査定前にすべて処分するのではなく、重要書類や貴重品を確保し、荷物を残したまま売る場合と片付ける場合の条件・費用を確認してから判断しましょう。

遠方の実家でも何度も帰省せず売却できますか?

郵送、電話、オンライン面談などを組み合わせて帰省回数を減らせる場合があります。ただし、本人確認や契約・決済方法は不動産会社、司法書士、買主、金融機関によって異なります。詳しくは遠方の実家を売却する方法を確認してください。

兄弟で相続した実家は何を確認すればいいですか?

現在の名義と遺産分割の状況に加え、最低売却価格、片付けや測量などの費用負担、売却代金の分け方、代表窓口を話し合っておくと進めやすくなります。詳しくは兄弟で相続した実家を売却する方法で確認できます。

実家売却の準備は「名義確認→書類整理→査定」の順で進める

今日からできる3ステップ

  • 1.登記事項証明書などで現在の名義を確認する
  • 2.書類を「ある・ない・不明」の3つに分ける
  • 3.片付け・測量・解体に費用をかける前に現状で査定する
権利証の確認や評価額のメモ、一括査定申し込みの3ステップ行動指針

一番避けたいのは、「権利証がない」「荷物が多い」「境界が分からない」という理由だけで止まってしまうことです。分からないものは「不明」と整理し、何を取得・調査すべきか専門家へ確認すれば進められます。

売ると決める前でも、現在の相場を把握しておけば、家族で今後を話し合う判断材料になります。査定額だけでなく、必要な片付け・測量・修繕などの条件もあわせて確認してください。

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※登記・税務・契約に必要な書類や手続きは、名義、相続関係、物件、取引条件によって異なります。個別の登記は司法書士、税務は税理士、法律上の紛争は弁護士、不動産価格・売却方法は不動産会社へ確認してください。

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で20年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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