
相続不動産の売却手続きは、遺言・相続人・財産の確認から始め、遺産分割、相続登記、査定、売買契約、決済・引き渡しの順で進めます。
売却益が出た場合や税特例を使う場合は、引き渡し後の確定申告までが一連の流れです。先に片付けや解体を始めると、売り方や税特例の選択肢を狭めることがあるため、名義と期限を確認してから動くことが大切です。
- 遺言書と相続人
- 不動産の名義と住宅ローンなどの債務
- 相続放棄・相続税・相続登記の期限
- 親が購入したときの売買契約書
相続不動産の売却手続き|何から始めるか分かる8つの流れ

売却活動だけを先行させるのではなく、法務・売却・税務を並行して管理します。基本の流れは次の8ステップです。
- 遺言書、相続人、財産、債務を確認する
- 相続するか、放棄するかを判断する
- 遺産分割協議で取得者と分配方法を決める
- 故人から相続人へ相続登記をする
- 同じ条件で複数社へ査定を依頼する
- 媒介契約を結び、売却活動を始める
- 売買契約、残代金決済、引き渡しを行う
- 利益が出た場合や特例を使う場合は確定申告する
期限は相続開始直後に一覧化する
| 期限 | 主な手続き | 確認すること |
|---|---|---|
| 原則3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 相続開始を知った日から起算 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税 | 申告が必要な場合 |
| 3年以内 | 相続登記 | 取得を知った日から起算 |
| 相続開始から約3年 | 空き家特例の売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
相続登記は2024年4月1日から義務化され、正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料の対象になる可能性があります。制度開始前の未登記相続は、原則として2027年3月31日が最初の期限です。詳しくは法務省の相続登記義務化の案内を確認してください。
売却前に名義と分け方を決める
故人名義のまま買主へ所有権を移すことはできないため、遅くとも決済までに相続登記が必要です。相続人が複数いる場合は、誰が取得するか、売却代金を何割ずつ分けるかを遺産分割協議書で明確にします。換価分割を選び、代表者が売却手続きを進める場合は、代表者や代金の分配方法も記載しておくと認識のずれを防ぎやすくなります。
「とりあえず共有名義」にすると、物件全体の売却には共有者全員の同意が必要です。売却前提なら、換価分割や代表者の単独名義が適切かを司法書士・税理士へ確認してから登記内容を決めましょう。
片付けや解体より先に査定する
査定は、相続登記前や家財が残った状態でも相談できる場合があります。先に費用をかけず、「現状のまま売る場合」「片付け後」「解体後」の売却価格と手取り額を同じ条件で比較してください。
査定額だけでなく、成約予想価格、売却期間、値下げ方針、測量・解体・残置物処分を含む費用を確認すると、家族へ説明しやすくなります。
1社の査定だけでは、その金額が高いのか低いのか判断しにくいものです。複数社の価格と販売方針をそろえると、売却するかどうかを決める客観的な材料になります。
\ 家族で話すための相場をそろえる /
査定結果は、売るか見送るかを考える比較材料として使えます。
査定で分かるのは価格の目安や販売条件です。誰の名義にするか、税特例を使えるか、家族の意見をどうまとめるかは査定だけでは決まりません。数字をそろえた後に、個別事情を整理する必要があります。
相続不動産の売却にかかる費用・税金と手取りの確認方法

売却価格ではなく最終手取りを比べる
手取り額は、売却価格から仲介手数料、印紙税、登記費用、測量費、片付け・解体費、譲渡所得税などを差し引いて考えます。査定会社には「売却価格の根拠」と一緒に「想定費用を引いた概算手取り」を書面で出せるか確認してください。
相続登記の登録免許税は、原則として固定資産税評価額の0.4%です。司法書士報酬や測量・解体費は物件と依頼範囲で変わるため、実施前に見積もりを取ります。
購入時の契約書と税特例を先に確認する

譲渡所得は「売却価格-取得費-譲渡費用」で計算します。取得費と所有期間は原則として故人から引き継ぎますが、購入額が分からない場合は売却額の5%相当額を概算取得費とすることができます。その場合は実際の購入額を使うより税負担が大きくなることがあるため、売買契約書、領収書、建築関係書類を探しておきましょう。
空き家の3,000万円特別控除は、原則として1981年5月31日以前に建築された区分所有建物ではない家屋などが対象です。2024年以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は、1人当たりの上限が2,000万円になります。また、2024年1月1日以後の譲渡では、売却時点で耐震改修や取り壊しが終わっていなくても、買主が譲渡年の翌年2月15日までに行うなどの要件を満たせば対象になる場合があります。取得費加算の特例とは併用できないため、解体や売買契約の前に適用条件を確認してください。詳細は国税庁の空き家特例で確認できます。
迷ったときの専門家の分け方
- 弁護士:遺産分割で対立している、遺言や相続人に争いがある
- 司法書士:戸籍収集、遺産分割協議書、相続登記を進めたい
- 税理士:相続税、譲渡所得税、空き家特例を確認したい
- 不動産会社:価格、売り方、期間、必要費用を比較したい
今日から行う3つのこと
- 遺言書、権利証、固定資産税通知書、購入時の契約書を探す
- 相続人と債務、4つの期限を確認する
- 費用をかける前に、現状のまま査定と専門家相談を行う
相続人が複数いる、名義が分からない、共有を避けたい、売る前に片付けや解体をするか迷う場合は、一般的な流れだけでは順番を決めにくくなります。KAZUへの相談では、現在の資料と家族状況から、先に確認する手続きと相談先を整理できます。
\ 家族と話す前の状況整理でも大丈夫です /
まだ売却を決めていなくても、分かる範囲から相談できます。
短く質問したい方は、LINEでも相談できます。
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