
こんにちは。親の家や相続した不動産の悩みを一緒に考える、カズです。
相続した実家を使う予定がないと、「すぐ売った方がいいのかな」「少し待てば高く売れるかも」と迷いますよね。
先に結論を言うと、使う予定がない家は、売却を急いで決める必要はありませんが、査定と維持費の確認は早めに始めるのがおすすめです。待つことで価格が上がる可能性はあるものの、固定資産税や管理費、建物の劣化、税制上の期限も同時に進んでいくからです。
「今売れる価格」と「半年・1年持ち続ける費用」を比べると、自分たちに合う売却時期がかなり見えやすくなります。

- 相続した家をすぐ売る場合と待つ場合の違い
- 売却時期に関係する税金の期限
- 維持費や建物劣化を含めた判断方法
- 売る時期を決めるために今できること
相続した家はいつ売るべき?
相続した家を売る時期に、すべての人へ当てはまる正解はありません。家を使う予定、家族の考え、税金、維持費、地域の相場によって答えが変わります。
ただ、使う予定がはっきりしていない家を「なんとなく」持ち続けるのはおすすめしません。まずは、すぐ売った場合と待った場合を比べてみましょう。
| 比較すること | すぐ売る場合 | 待つ場合 |
|---|---|---|
| 維持費 | 早めに負担を止めやすい | 固定資産税や管理費などが続く |
| 建物 | 現在の状態で売却を検討できる | 劣化や修繕が増えることがある |
| 税制 | 期限のある特例を検討しやすい | 待つことで期限を超える場合がある |
| 家族利用 | 将来使えなくなる | 住む・貸すなどを検討できる |
| 相場 | 現在の価格で判断できる | 上がる場合も下がる場合もある |
私なら「価格が上がりそうか」だけでは決めません。
今売った場合の手残りと、半年・1年待った場合に増える固定資産税、管理費、修繕費などを一緒に比べます。待って値上がりしても、その間の費用が大きければ手元に残る金額は思ったほど増えないことがあるからです。
相続後すぐ売る方がよい場合
特に「今後使わない」「管理する人がいない」という家は、早めの売却と相性がよいケースがあります。
ただし、相続直後なら無条件ですぐ売るという意味ではありません。次のような事情があるかを見ていきます。
家を使う予定がない場合
相続人の誰も住む予定がなく、賃貸として使う予定もないなら、長く所有するメリットが小さくなります。
空き家でも固定資産税はかかりますし、火災保険、庭木の手入れ、換気、修繕などが必要になることがあります。マンションなら管理費や修繕積立金も続きます。
遠方の実家なら、現地へ行く交通費や時間も無視できません。こうした費用まで含めると、「まだ売らなくてもいい」が意外と高くつくことがあります。
建物の劣化が心配な場合
人が住まなくなった家は、雨漏りや湿気、設備故障などに気づくのが遅れやすくなります。

だからといって、売却前にリフォームや解体を急ぐ必要はありません。今の状態で査定を受け、現状のまま売る場合と費用をかけた場合を比べてから決める方がいいですよ。
◆カズのワンポイントアドバイス
不動産の仕事に20年以上関わってきましたが、相続した実家では「古いから先に解体しよう」と決めない方がいいと考えています。土地や地域によっては古家付きのまま売った方が進めやすい場合もあります。まず現状で価格を確認してください。
売却資金が必要な場合
相続税の納税やほかの相続人への代償金など、まとまった資金が必要なら、売却までにかかる期間を考えて早めに動く必要があります。
不動産は「売る」と決めた日に現金になるわけではありません。相続人の確認、相続登記、査定、買主探し、契約、引渡しまで時間がかかります。
待ってから売ってもよい場合
一方、相続したらすぐ売却しなければならないわけでもありません。家族に具体的な利用予定があるなら、時間を取って考える意味があります。
家族が住む予定がある場合
子どもが将来住む、親族が利用するなど具体的な予定があるなら、価格だけを理由に急いで売る必要はないでしょう。
ただ、「いつか使うかもしれない」という状態なら、期限を決めるのがおすすめです。例えば1年後にもう一度話し合うなど、判断する時期を家族で決めておくと放置しにくくなります。
売却条件を整える時間が必要な場合
相続人同士の話し合い、境界確認、残置物、抵当権など、売却前に対応した方がよいことが残っている場合もあります。
その場合は「売るのを待つ」というより、売れる状態にするための準備期間と考えた方がいいかなと思います。
税制上すぐ売らない方がよい場合
相続税で小規模宅地等の特例を利用する場合、取得した人の条件によっては相続税の申告期限まで保有を続けることが要件になるケースがあります。
そのため、「相続した家は早く売った方が税金で有利」と一律には言えません。相続税申告前に売却する予定なら、適用予定の特例へ影響しないか確認してください。
税金の特例には、それぞれ対象者、期限、建物、利用状況などの条件があります。売却時期を税制だけで決める前に、税務署や税理士などへ個別に確認することをおすすめします。
売却時期に関係する税金の期限
相続した家をいつ売るか考えるとき、特に注意したいのが「3年」という言葉です。実は相続不動産には3年前後の期限がいくつかあり、同じ制度ではありません。
取得費加算には期限がある
相続税を納めた人が相続財産を一定期間内に売却すると、相続税額の一部を取得費へ加算できる場合があります。
期限は、原則として相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで。一般には「相続からおおむね3年10か月」と説明されますが、実際の期限は個別に確認してください。
相続空き家の特例も確認
亡くなった親が住んでいた一定の家を相続して売却する場合、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
2026年8月時点では、制度の対象となる譲渡は2027年12月31日までで、さらに相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までという売却時期の条件があります。
1981年5月31日以前に建築された家屋であることなど複数の要件があり、相続人が3人以上の場合には一人当たりの控除上限が異なります。「親の家を相続したから使える」と考えず、売却前に適用条件を確認してください。
相続直後でも短期とは限らない
「相続してすぐ売ったら短期譲渡になるのでは?」と心配される方もいます。
相続した土地や建物は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。そのため、相続してから何年持ったかだけで長期・短期が決まるわけではありません。
売る時期は手残りで比べる
私が相続不動産の相談を受けるとき、「いくらで売れますか」だけで判断することはありません。
例えば今2,000万円で売れそうでも、半年待てば2,100万円になる保証はありません。一方で、半年分の固定資産税や管理費、草刈り、修繕、保険などは現実に発生していきます。
判断するときの考え方
今売った場合の手残りと、待った場合に予想される手残りから追加の維持費や修繕費を差し引いた金額を比べます。価格の予想だけではなく「最終的にいくら残りそうか」で見るのがポイントです。

また、不動産会社の査定額は、その金額で必ず売れるという保証ではありません。査定額が高いかどうかだけでなく、近隣の成約事例や売却期間など、その価格になる理由を説明してもらうことが大切です。
査定価格の見方については、相続不動産査定で価格・根拠・手取り額を確認する方法でも詳しく紹介しています。
◆カズのワンポイントアドバイス
私なら査定書を見ながら「今売った場合」と「半年待った場合」の2パターンを紙に書きます。待つ間に年間30万円かかる家なら、価格が30万円上がっても手残りは増えていません。こうして数字にすると、家族でも話しやすくなりますよ。
現在の査定額を複数社で確認しておくと、今売る場合と少し待つ場合を同じ基準で比べやすくなります。
\ 現在の査定額を複数社で比較 /
査定結果を見てから売却時期を決められます。
売却を決める前に確認すること
相続した家を売る時期を考える前に、そもそも誰が売却できるのかも確認しておきましょう。
登記名義と相続人を確認する
最初に登記事項証明書で現在の所有者を確認します。家族では親名義だと思っていても、祖父母など以前の所有者名義が残っているケースもあります。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に申請が必要です。2024年4月1日より前から未登記となっている相続では、経過措置による期限も確認してください。
相続登記について詳しくは、相続した不動産の名義変更と相続登記の期限を参考にしてください。
家族の方針を確認する
相続人が複数いる場合、不動産を誰が取得するのか、売って代金を分けるのかを話し合う必要があります。
査定を取ること自体は早い段階でもできますが、価格だけ先に決めても家族の方針が合わなければ売却は進みません。売却希望時期も含め、相続人の考えを確認しておきましょう。
迷ったときの次の3ステップ
「すぐ売るか、まだ待つか決められない」という段階でも問題ありません。売却を決断する前に確認できることがあります。
- 名義と家族の利用予定を確認する:誰が取得するのか、今後住む人がいるのかを確認します
- 現在の査定額と年間維持費を出す:今売れる価格と半年・1年保有した場合の費用を比べます
- 税制と売却期間を確認して時期を決める:期限のある特例を使える可能性があるなら、売却完了までの期間も考えて逆算します
まだ売ると決めていなくても、査定を取って現在の価格を知ることはできます。複数社の査定を見るときは、最高額だけではなく、価格の根拠、想定する売却期間、必要な費用まで比べてください。
相続不動産の売却手続きや税金、必要書類まで確認したい場合は、相続不動産売却の手順・税金・期限をまとめた完全ガイドで全体の流れを確認できます。
今売る場合の基準価格を複数社で確認すると、半年・1年待つかどうかも数字を使って考えやすくなります。
\ 売る時期を決める前に価格比較 /
売ると決めていない段階でも査定を比べられます。
相続不動産売却に関するよくある質問(FAQ)
最後に、相続した家をいつ売るか考えている方から出やすい疑問に答えます。
Q1. 相続した家はすぐ売った方がいいですか?
A. 今後使う予定がなく、維持費や管理の負担が続くなら早めの売却を検討する意味があります。ただし、小規模宅地等の特例など相続税申告期限までの保有が条件になる制度もあるため、税制を確認してから最終判断してください。
Q2. 相続から3年以内に売れば得ですか?
A. 必ず得になるわけではありません。取得費加算の特例や相続空き家の特例には期限がありますが、それぞれ起算日や条件が異なります。「3年以内なら大丈夫」と一括りにせず、自分が利用できる制度と正確な期限を確認してください。
Q3. 相続してすぐ売ると短期譲渡ですか?
A. 相続した土地や建物の取得時期は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。そのため、相続してから短期間で売ったという理由だけで短期譲渡所得になるわけではありません。
Q4. 相続登記前でも査定できますか?
A. 査定や売却相談は相続登記前でも進められます。ただし、亡くなった方の名義のまま買主への所有権移転を完了することはできないため、売却完了までには相続関係と名義を適切な状態にする必要があります。
Q5. 相場が上がるまで待った方がいいですか?
A. 将来の不動産価格を確実に予測することはできません。値上がりだけを期待して待つのではなく、現在の査定額、年間維持費、建物劣化、税制上の期限、家族の利用予定を比べて判断するのがおすすめです。
売る時期は、家族の利用予定や税制、名義によって一般論や査定額だけでは決めにくいことがあります。
売却を前提にせず、今確認すべきことと判断する順番をKAZUと一緒に確認できます。

\ 売却時期を決める前の相談にも /
売却するか決まっていない段階でも相談できます。
短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。
相続した家を売る時期のまとめ
相続した家をいつ売るか迷ったら、単純に「早い方がいい」「値上がりまで待つ」と決める必要はありません。
使う予定がない家なら、まず現在の査定額と半年・1年間の保有コストを確認してください。そのうえで税制上の期限、建物の状態、家族の考えを合わせて見ると、今売るのか待つのか判断しやすくなります。
そして忘れてほしくないのが、査定額ではなく売却費用や税金まで差し引いた「手元に残る金額」です。売却を急ぐ必要はなくても、判断するための材料集めまで先送りする必要はありません。
税金や相続登記、各種特例の適用条件は相続開始日や相続人、物件の状態によって変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。税額や法的な判断が必要な場合は、税理士、司法書士、弁護士など、内容に合った専門家へご相談ください。
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