相続した家を売るタイミングはいつ?すぐ売却する場合と待つ場合を比較

相続した家を売るタイミングはいつ
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こんにちは。親の家や相続した不動産の悩みを一緒に考える、カズです。

相続した実家を使う予定がないと、「すぐ売った方がいいのかな」「少し待っても大丈夫かな」と迷いますよね。

先に結論を言うと、相続した家には「相続から何年以内に必ず売らなければならない」という一律の売却期限はありません。ただし、相続空き家の特例や取得費加算など、売る時期によって利用できる制度が変わるため、使う予定がない家は査定・維持費・税制上の期限を早めに確認しておくことが大切です。

売るか待つかは「家族が使う予定」「税制上の期限」「今の査定額」「半年・1年の保有コスト」の4つを比べて判断すると、自分たちに合う売却時期が見えやすくなります。

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この記事のポイント
  • 相続した家をすぐ売る場合と待つ場合の違い
  • 3年・3年10か月など売却時期に関係する期限
  • 査定額と保有コストを比べる判断方法
  • 売る時期を決めるために今確認すること
目次

相続した家を売るタイミングは4つの条件で決める

相続した家を売る時期に、すべての人へ当てはまる正解はありません。

大切なのは「相続したらすぐ売る」「3年まで待つ」と年数だけで決めることではなく、家族の利用予定、税制上の期限、維持費、現在の売却価格を一緒に見ることです。

比較すること すぐ売る場合 待つ場合
維持費 早めに負担を止めやすい 固定資産税や管理費などが続く
建物 現在の状態で売却を検討できる 劣化や修繕が増えることがある
税制 期限のある特例を検討しやすい 特例によっては保有が必要な場合もある
家族利用 売却後は使えなくなる 住む・貸すなどを検討できる
相場 現在の価格で判断できる 上がる場合も下がる場合もある

私なら「価格が上がりそうか」だけでは決めません。

今売った場合の手残りと、半年・1年待った場合に増える固定資産税、管理費、修繕費などを一緒に比べます。値上がりしても、その間の費用が大きければ手元に残る金額は増えないことがあるからです。

売却時期を決める前に3年・3年10か月の期限を確認

相続した家そのものに一律の売却期限はありませんが、相続不動産では「3年」「3年10か月」という言葉がよく出てきます。

ここで注意したいのは、相続登記、相続空き家の特例、取得費加算は、それぞれ別の制度だということです。

期限の目安 主な制度 確認ポイント
原則3年以内 相続登記 売却期限ではなく登記の申請期限
3年後の年末 相続空き家の特例 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
おおむね3年10か月 取得費加算 正確な期限は相続税の申告期限を基準に確認

「3年」「3年10か月」「5年」の違いを詳しく確認したい場合は、相続不動産はいつまでに売る?3年・3年10か月・5年の期限で整理しています。

相続登記の3年は売却期限ではない

2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に申請が必要です。

ただし、この3年は「3年以内に家を売らなければならない」という意味ではありません。査定や売却相談は登記前でもできますが、買主へ所有権を移すまでには名義関係を整える必要があります。

相続登記について詳しくは、相続した不動産の名義変更と相続登記の期限を参考にしてください。

取得費加算には期限がある

相続税を納めた人が相続財産を一定期間内に売却すると、相続税額の一部を取得費へ加算できる場合があります。

期限は、原則として相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。一般には「相続からおおむね3年10か月」と説明されますが、正確な期限は個別に確認してください。

相続空き家の3,000万円特例も期限を確認

亡くなった親が住んでいた一定の家を相続して売却する場合、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

2026年9月時点では、制度の対象となる譲渡は2027年12月31日までで、さらに相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までという売却時期の条件があります。

1981年5月31日以前に建築された家屋であることなど複数の要件があります。また、2024年1月1日以後の譲渡で対象となる家屋や敷地等を取得した相続人が3人以上の場合は、1人当たりの控除上限が2,000万円です。

相続してすぐ売っても短期譲渡とは限らない

「相続してすぐ売ったら短期譲渡になるのでは?」と心配される方もいますが、相続した土地や建物は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。

相続してから何年持ったかだけで長期・短期が決まるわけではありません。税金の計算や特例を詳しく確認したい場合は、相続した家の売却にかかる税金と3,000万円控除・取得費加算も参考にしてください。

税金の特例には、それぞれ対象者、期限、建物、利用状況などの条件があります。売却時期を税制だけで決める前に、国税庁の公式情報や税務署、税理士などへ個別に確認することをおすすめします。

相続後すぐ売る方がよい場合

特に「今後使わない」「管理する人がいない」という家は、早めの売却と相性がよいケースがあります。

ただし、相続直後なら無条件ですぐ売るという意味ではありません。次のような事情があるかを見ていきます。

家を使う予定がない場合

相続人の誰も住む予定がなく、賃貸として使う予定もないなら、長く所有するメリットは小さくなります。

空き家でも固定資産税はかかりますし、火災保険、庭木の手入れ、換気、修繕などが必要になることがあります。マンションなら管理費や修繕積立金も続きます。

遠方の実家なら、現地へ行く交通費や時間も無視できません。「まだ売らなくてもいい」が意外と高くつくこともあります。

保有中にどんな費用がかかるか詳しく確認したい場合は、実家を相続した後にかかる維持費と空き家管理の費用も参考にしてください。

建物の劣化が心配な場合

人が住まなくなった家は、雨漏りや湿気、設備故障などに気づくのが遅れやすくなります。

相続した空き家の劣化や管理状態を確認する男性

だからといって、売却前にリフォームや解体を急ぐ必要はありません。今の状態で査定を受け、現状のまま売る場合と費用をかけた場合を比べてから決める方がいいですよ。

◆カズのワンポイントアドバイス

不動産の仕事に20年以上関わってきましたが、相続した実家では「古いから先に解体しよう」と決めない方がいいと考えています。土地や地域によっては古家付きのまま売った方が進めやすい場合もあります。まず現状で価格を確認してください。

相続税や代償金などの資金が必要な場合

相続税の納税や、ほかの相続人への代償金など、まとまった資金が必要なら、売却までにかかる期間を考えて早めに動く必要があります。

不動産は「売る」と決めた日に現金になるわけではありません。相続人の確認、相続登記、査定、買主探し、契約、引渡しまで時間がかかります。

待ってから売ってもよい場合

一方、相続したらすぐ売却しなければならないわけでもありません。家族に具体的な利用予定がある場合や、税制上の保有要件を確認する必要がある場合は、時間を取って考える意味があります。

家族が住む予定がある場合

子どもが将来住む、親族が利用するなど具体的な予定があるなら、価格だけを理由に急いで売る必要はないでしょう。

ただ、「いつか使うかもしれない」という状態なら、期限を決めるのがおすすめです。例えば1年後にもう一度話し合うなど、判断する時期を家族で決めておくと放置しにくくなります。

売却条件を整える時間が必要な場合

相続人同士の話し合い、境界確認、残置物、抵当権など、売却前に対応した方がよいことが残っている場合もあります。

その場合は「売るのを待つ」というより、売れる状態にするための準備期間と考えた方がいいでしょう。

税制上すぐ売らない方がよい場合

相続税で小規模宅地等の特例を利用する場合、取得した人の区分などによっては相続税の申告期限まで宅地を保有することが要件になるケースがあります。

そのため、「相続した家は早く売った方が税金で有利」と一律には言えません。相続税申告前に売却する予定なら、利用予定の特例へ影響しないか確認してください。

売る時期は査定額ではなく手残りで比べる

私が相続不動産の相談を受けるとき、「いくらで売れますか」だけで判断することはありません。

例えば今2,000万円で売れそうでも、半年待てば2,100万円になる保証はありません。一方で、半年分の固定資産税や管理費、草刈り、修繕、保険などは現実に発生していきます。

判断するときの考え方

今売った場合の手残りと、待った場合に予想される手残りから追加の維持費や修繕費を差し引いた金額を比べます。価格の予想だけではなく「最終的にいくら残りそうか」で見るのがポイントです。

また、不動産会社の査定額は、その金額で必ず売れるという保証ではありません。査定額が高いかどうかだけでなく、近隣の成約事例や売却期間など、その価格になる理由を説明してもらうことが大切です。

査定価格の見方については、相続不動産査定で価格・根拠・手取り額を確認する方法でも詳しく紹介しています。

◆カズのワンポイントアドバイス

私なら査定書を見ながら「今売った場合」と「半年待った場合」の2パターンを紙に書きます。待つ間に年間30万円かかる家なら、価格が30万円上がっても手残りは増えていません。こうして数字にすると、家族でも話しやすくなりますよ。

現在の査定額を複数社で確認しておくと、今売る場合と少し待つ場合を同じ基準で比べやすくなります。

\ 現在の査定額を複数社で比較 /

査定結果を見てから売却時期を決められます。

売却を決める前に名義と家族の方針を確認する

相続した家を売る時期を考える前に、そもそも誰が売却できるのかも確認しておきましょう。

登記名義と相続人を確認する

最初に登記事項証明書で現在の所有者を確認します。家族では親名義だと思っていても、祖父母など以前の所有者名義が残っているケースもあります。

2024年4月1日より前から未登記となっている相続も義務化の対象です。古い相続で未登記の場合は、経過措置による期限も確認してください。

家族の方針を確認する

相続人が複数いる場合、不動産を誰が取得するのか、売って代金を分けるのかを話し合う必要があります。

査定を取ること自体は早い段階でもできますが、価格だけ先に決めても家族の方針が合わなければ売却は進みません。売却希望時期も含め、相続人の考えを確認しておきましょう。

迷ったときは3ステップで売る時期を決める

「すぐ売るか、まだ待つか決められない」という段階でも問題ありません。売却を決断する前に、次の順番で確認してみてください。

  1. 名義・相続人・家族の利用予定を確認する:誰が取得するのか、今後住む人がいるのかを確認します
  2. 相続開始日と税制上の期限を確認する:空き家特例、取得費加算、小規模宅地等の特例など自分に関係する制度を確認します
  3. 現在の査定額と半年・1年の保有費を比べる:今売った場合と待った場合の手残りを比べて時期を決めます

まだ売ると決めていなくても、査定を取って現在の価格を知ることはできます。複数社の査定を見るときは、最高額だけではなく、価格の根拠、想定する売却期間、必要な費用まで比べてください。

相続不動産の売却手続きや税金、必要書類まで確認したい場合は、相続不動産売却の手順・税金・期限をまとめた完全ガイドで全体の流れを確認できます。

今売る場合の基準価格を複数社で確認すると、半年・1年待つかどうかも数字を使って考えやすくなります。

\ 売る時期を決める前に価格比較 /

売ると決めていない段階でも査定を比べられます。

相続した家の売却時期に関するよくある質問(FAQ)

最後に、相続した家をいつ売るか考えている方から出やすい疑問に答えます。

Q1. 相続した家はすぐ売った方がいいですか?

A. 今後使う予定がなく、維持費や管理負担が続くなら早めの売却を検討する意味があります。ただし、税制上の保有要件が関係するケースもあるため、相続直後に一律で売るのが正解ではありません。

Q2. 相続した家は3年以内に売らないといけませんか?

A. いいえ。家そのものに一律の「3年以内」という売却期限はありません。相続登記、相続空き家の特例、取得費加算などにそれぞれ別の期限があるため、自分に関係する制度を確認してください。

Q3. 相続してすぐ売ると短期譲渡ですか?

A. 相続した土地や建物の取得時期は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。そのため、相続後すぐ売ったという理由だけで短期譲渡所得になるわけではありません。

Q4. 相続登記前でも査定できますか?

A. 査定や売却相談は相続登記前でも進められます。ただし、亡くなった方の名義のまま買主への所有権移転を完了することはできないため、売却完了までには相続関係と名義を適切な状態にする必要があります。

Q5. 相場が上がるまで待った方がいいですか?

A. 将来の不動産価格を確実に予測することはできません。値上がりだけを期待して待つのではなく、現在の査定額、半年・1年の保有コスト、建物状態、税制上の期限、家族の利用予定を比べて判断してください。

売る時期は、家族の利用予定や税制、名義によって一般論や査定額だけでは決めにくいことがあります。

売却を前提にせず、今確認すべきことと判断する順番をKAZUと一緒に確認できます。

相続した実家の売却時期を不動産専門家へ相談する日本人家族

\ 売却時期を決める前の相談にも /

売却するか決まっていない段階でも相談できます。

短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。

相続した家を売るタイミングのまとめ

相続した家を売るタイミングは、「相続してから何年たったか」だけでは決まりません。

使う予定がない場合は、①名義・家族の利用予定、②税制上の期限、③現在の査定額と半年・1年の保有コストを順番に確認してください。

待つ理由が具体的にあるなら、すぐに売る必要はありません。一方、「そのうち価格が上がるかもしれない」という理由だけで持ち続けるなら、固定資産税や管理費、修繕、建物劣化まで含めて手残りを比べた方が判断しやすくなります。

売却を急いで決める必要はなくても、判断するための材料集めまで先送りする必要はありません。今の価格と持ち続ける費用を数字で確認すると、売るか待つかを家族で話しやすくなります。

税金や相続登記、各種特例の適用条件は相続開始日や相続人、物件の状態によって変わります。正確な情報は国税庁・法務省などの公式サイトをご確認ください。税額や法的な判断が必要な場合は、税理士、司法書士、弁護士など、内容に合った専門家へご相談ください。

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で20年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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