
こんにちは。相続した実家や空き家の手放し方を一緒に考える、カズです。
空き家を処分するとき、「解体や家財処分に補助金は使えるのか」「いくら出るのか」は最初に確認しておきたいところです。補助金を使える自治体はありますが、全国一律の制度・金額ではありません。
物件がある市区町村ごとに、対象となる建物、補助率、上限額、申請時期が決まっています。
私は不動産の仕事を20年以上やっていますが、ここで特に気をつけてほしいのが、補助金を調べる前に解体や片付けを契約してしまうことです。制度によっては、契約や着工のあとでは補助対象になりません。
また、古い家でも荷物が残ったまま査定できることは多いです。補助金が使えそうだからといって、すぐに片付けたり壊したりする必要があるとは限りません。
30秒で判断
- 補助額は全国共通ではなく自治体ごとに違う
- 主な対象は解体費・家財処分費・改修費など
- 申請は契約や着工より前に確認する
- 解体前に現状売却との手取り差も比べる
- 空き家処分で使える補助制度の種類
- 自分の空き家が対象になる条件
- 補助金を逃さない申請の順番
- 解体と売却を決めるときの比較方法
空き家処分の補助金はいくら使える?
空き家処分の補助金は、「国から全員に一律○万円」という仕組みではありません。国土交通省も、空き家を解体する場合には市区町村の補助金を受けられることがあるため、空き家がある自治体のウェブサイトや窓口で確認するよう案内しています。
そのため、検索で見かけた「最大100万円」「解体費の2分の1」といった数字を、そのままあなたの空き家へ当てはめるのはおすすめできません。同じ解体工事でも、自治体によって補助率、上限額、対象になる建物が違うからです。
空き家解体の補助金
よく見かけるのが、老朽化した空き家の解体費を支援する制度です。名称は「空き家解体補助金」「老朽危険空家除却補助」「空家等除却費補助」など、自治体によって異なります。
対象になりやすいのは、一定期間使われていない住宅、老朽化が進んだ住宅、倒壊や部材落下など周囲への影響が心配される住宅です。ただし、築年数が古いだけで自動的に対象になるわけではありません。自治体による事前調査や不良度判定が必要な制度もあります。
金額にもかなり差があります。たとえば大阪府豊能町の2026年度「既存空き家除却補助金」は、対象となる除却経費の30%、上限75万円でした。ただし、2026年度分はすでに受付終了と案内されています。
制度があるかだけではなく、今年度の受付状況や残予算まで確認することが大切です。
(出典:豊能町「令和8年度 既存空き家除却補助金について」)
解体に全部でいくらかかるのかを先に知りたい方は、空き家解体費用の相場と追加費用も確認してみてください。補助金の上限だけを見るのではなく、補助後に自己負担がいくら残るのかまで見るのがポイントです。
家財処分の補助金
空き家の中に家具、寝具、家電、衣類、生活用品などが残っている場合、家財処分費を支援する自治体もあります。
対象になる費用は制度によって違いますが、家財の収集・運搬・処分費、分別作業費、家電リサイクルに伴う費用などが含まれる例があります。
一方で、空き家バンクへの登録、第三者への売却や賃貸、市税の滞納がないことなどを条件にしている自治体もあります。庭木の伐採、草刈り、物置の撤去などは対象外になる場合もあるので、まとめて「片付け費用」と考えないほうがいいでしょう。
家財処分と建物解体は別の補助制度になっていることがあります。業者から見積もりを取るときは、「家財撤去」「家電処分」「建物解体」など項目を分けてもらうと、自治体へ確認しやすくなります。
対象かどうかを左右する条件
「空き家だから補助金が出る」というわけではありません。自治体ごとに違いはありますが、申請前に確認されやすいポイントはある程度共通しています。
| 確認項目 | よくある条件 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 建物の状態 | 空き家・老朽住宅など | 事前調査や判定の有無 |
| 空き家期間 | 一定期間使われていない | 必要な期間は自治体ごとに違う |
| 申請者 | 所有者・相続人など | 共有者の同意が必要な場合あり |
| 申請時期 | 契約・着工前 | 交付決定後でないと着工できない場合あり |
| 税金 | 市税等の滞納がない | 納税状況の確認が必要な場合あり |
| 施工業者 | 市内業者など | 業者要件の有無を確認 |
| 活用条件 | 空き家バンク登録など | 家財処分補助で条件になる場合あり |
あなたの家がどれに当てはまるか分からなければ、まず自治体へ所在地と建物の状況を伝えて確認すれば大丈夫です。補助金の名前を正確に知らなくても、「空き家を解体する予定ですが、使える制度はありますか」と聞けば担当窓口を案内してもらえます。
補助金だけで解体を決めない
ここは不動産の現場でかなり大事なところです。補助金が50万円、70万円と聞くと「それなら壊したほうが得かな」と考えやすいのですが、補助額だけで解体するかどうかを決めるのは早いです。
相続した家の相談では、「荷物を全部捨てて、更地にしてから不動産会社へ相談したほうがいいですよね」と聞かれることがあります。でも実際には、荷物が残っていても査定できることがありますし、建物を残した古家付き土地として売却できるケースもあります。
一度壊した建物は元には戻せません。それなら、先に「現状のまま売った場合」と「解体して土地で売った場合」の両方を確認してから決めたほうが選択肢を残せます。
コンサルタント @KAZU私なら、補助金が見つかってもすぐには解体しません。まず現状のまま査定してもらい、解体見積もりも取ります。その数字を横に並べてから、「補助金を使って壊すほうがいいのか」を考えます。
片付けや解体をしない売り方については、空き家を片付け・解体せずそのまま売る方法で詳しく解説しています。
空き家処分の補助金を使う手順
補助制度を見つけたら、次は進める順番です。特に注意したいのは、解体業者へ先に正式発注しないこと。自治体によって細部は違いますが、まず制度を確認し、必要な見積もりを取り、申請・交付決定を経て工事へ進む形が基本になります。
補助金を使うときの基本的な順番
- 空き家の所有者と相続関係を確認する
- 物件所在地の自治体へ補助制度を確認する
- 対象業者から見積もりを取る
- 自治体へ補助金を申請する
- 交付決定後に契約・着工する
- 工事完了後に実績報告などを行う
実際の順序や必要書類は自治体によって違います。必ず利用する制度の募集要項を優先してください。
自治体へ最初に確認する
最初に見るのは、空き家がある市区町村の公式サイトです。住んでいる市区町村ではなく、空き家そのものが所在する自治体を確認します。
検索するなら、「自治体名 空き家 解体 補助金」「自治体名 空き家 家財処分」「自治体名 空き家バンク 補助金」といった組み合わせが探しやすいですよ。
担当部署は、住宅政策課、建築指導課、都市計画課、空き家対策担当など自治体によってさまざまです。分からなければ、市役所の代表窓口から「空き家の解体や家財処分の補助制度について確認したい」と伝えれば十分です。



電話する前に、空き家の住所、戸建てかマンションか、おおよその築年数、いつ頃から空き家か、相続した家かどうかをメモしておくと話が早いです。現地調査が必要かどうかも一緒に聞いておきましょう。
契約や着工前に申請する
補助金で一番避けたいのが、「工事を始めたあとで制度を知った」というケースです。
自治体の制度には、契約前や工事着手前の申請を条件としているものがあります。見積もりまでは取れても、正式契約や発注は交付決定後というケースもあるため、業者へ依頼する前に確認してください。
「あとから申請すれば補助金が戻ってくる」とは考えないでください。契約日、着工日、交付決定日の順番で対象外になることがあります。自治体から着工可能な時期を確認してから進めるのが安全です。
必要書類としては、申請書、工事見積書、建物の写真、登記事項証明書、位置図、納税関係資料、相続関係を示す書類などを求められることがあります。
ただし、これも全国共通ではありません。ネット上の一般的な必要書類を全部先に集めるより、対象自治体の募集要項を見てから集めたほうが無駄がありません。
相続名義と家族の合意を確認
親から相続した空き家の場合は、補助金とは別に所有者の確認が必要です。登記名義が亡くなった親のままになっていたり、兄弟など複数の相続人が関係していたりすると、解体や売却を一人だけで決められない場合があります。
相続登記は2024年4月から義務化されており、原則として相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
ただし、「相続登記が終わらなければ不動産会社へ相談すらできない」という意味ではありません。査定や売却方法の相談を先に進められるケースはあります。
相続した家の売却との関係は、相続した家の名義変更をしていないと売却できない?で順番から解説しています。
解体前に3つの数字を比べる
補助金の対象になったら、それだけで「解体する」と決めるのではなく、最低でも次の3つを並べてみてください。
| 比べる数字 | 確認する内容 |
|---|---|
| 現状売却の査定額 | 建物・荷物を残した状態でいくらになりそうか |
| 解体後の査定額 | 更地にした場合にいくらになりそうか |
| 解体の実質負担額 | 解体費用から使える補助金を差し引いていくら残るか |
たとえば、更地にすると査定額が上がっても、その上昇分より解体の自己負担額のほうが大きいことがあります。逆に、老朽化が進み、建物が売却の大きな障害になっているなら、補助金を使った解体が選択肢になるでしょう。
また、建物を取り壊すと住宅用地に対する固定資産税等の特例との関係が変わることがあります。「解体費だけ払えば終わり」ではないので、売却時期がまだ決まっていない場合は自治体の税務担当にも確認しておくと安心です。
売却・解体・保有の違いをもう少し広く比べたい方は、空き家処分の方法と売却・解体・費用の考え方も参考にしてください。
まだ「売る」「解体する」「活用する」のどれにするか決まっていないなら、一つの案だけで進めず、同じ空き家について複数の出口を比較する方法もあります。タウンライフ空き家解決では、売却、活用、リノベーション・建替え、解体などの提案をまとめて確認できます。
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提案を見てから、売却・解体を依頼するか判断できます。
空き家処分の補助金に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 国から直接もらえる空き家処分の補助金はありますか?
A. 一般の空き家所有者が全国一律の金額を直接受け取る制度として考えるのではなく、まず空き家所在地の市区町村が実施する制度を確認してください。国が自治体の空き家対策を支援し、自治体が解体や活用などの補助制度を設けているケースがあります。
Q2. 古い空き家なら必ず解体補助金の対象になりますか?
A. 必ず対象になるわけではありません。空き家期間、建物の状態、用途、所有者、市税の納付状況、施工業者などの要件を設ける自治体があります。事前調査や老朽度の判定が必要な場合もあるため、工事前に自治体へ確認してください。
Q3. 相続登記前でも補助金を申請できますか?
A. 自治体の制度によって扱いが異なります。法定相続人からの申請を認める制度もありますが、相続関係を示す書類や他の権利者の同意を求められる場合があります。相続した空き家なら、補助金の窓口とあわせて登記名義も確認しておきましょう。
Q4. 家財処分と解体の補助金を両方使えますか?
A. 併用できるかは自治体と制度によって異なります。同じ費用に対する他の補助との重複を認めない制度もあります。家財撤去と建物解体を分けた見積書を用意し、それぞれ何が対象になるか申請前に確認してください。
Q5. 空き家を解体すると固定資産税が必ず6倍になりますか?
A. 「解体すると必ず税額が6倍になる」と一律には言えません。住宅用地に適用されていた課税標準の特例が使えなくなることがありますが、実際の税額は土地面積、評価額、自治体の制度などによって変わります。解体前に空き家所在地の税務担当へ確認するのが確実です。
空き家処分の補助金は契約前に確認
空き家の処分では、解体費や家財処分費などに補助制度を使える場合があります。ただし、補助額も対象条件も全国共通ではありません。同じ自治体でも年度によって制度内容や受付状況が変わることがあります。
私なら、補助金が見つかった時点でいきなり解体には進みません。まず「今の状態で売るといくらか」「解体するといくらか」「補助後の自己負担はいくらか」を確認します。
ここからやることは3つです。
- 空き家所在地の自治体へ補助制度と申請期限を確認する
- 正式契約前に解体見積もりと現状売却の査定を取る
- 相続物件なら名義と他の相続人の意向も確認する
それでも「売るべきか、解体するべきか」「補助金を使う順番が分からない」と迷う場合は、物件の状況を見ながら一緒に考えることもできます。
\ 売却未定でも空き家の進め方を相談 /
売却を決めていない段階でも相談できます。
分かる範囲の状況から送ってください。
補助金の内容、受付期間、税金、相続手続きは自治体や個別条件によって異なります。費用の数値も一般的な目安として考え、正確な情報は自治体、法務局、税務署などの公式情報をご確認ください。最終的な判断が難しい場合は、不動産会社、司法書士、税理士、弁護士など必要な専門家へ相談してください。











