
こんにちは。親の家や相続した不動産の悩みを一緒に整理する、カズです。
マンション売却を初めて進めるときは、「まず査定を頼めばよいのか」「売れるまで何をするのか」「住宅ローンが残っていても大丈夫なのか」と不安になりやすいものです。
私は不動産の仕事に20年以上関わってきましたが、最初に「いくらで売れますか」と聞かれることが多くあります。
もちろん価格は大切です。しかし、査定額だけでは、売却後にいくら残るのか、いつ引っ越せるのか、名義や住宅ローンに問題がないのかまでは判断できません。
マンション売却は、順番を理解して一つずつ確認すれば、必要以上に急ぐ必要はありません。この記事では、マンション売却の流れと手順を7段階に分け、最初にすることから決済・引渡し後の対応まで整理します。

- マンション売却を始める前の確認事項
- 査定から媒介契約までの進め方
- 販売活動と売買契約の注意点
- 決済後の税金と確定申告の考え方
マンション売却の全体像
一般的なマンション売却の進め方は、売却条件の整理、相場確認、査定、不動産会社との媒介契約、販売活動、売買契約、決済・引渡しの順です。
売却開始から引渡しまでの期間は、価格、立地、室内状況、住宅ローン、買主の資金計画などによって変わります。
販売開始後すぐに申込みが入ることもありますが、数か月以上かかる場合もあるため、引越しや住み替えの日程を詰めすぎない方が安全でしょう。
| 手続き | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 事前準備 | 名義、ローン、書類、希望条件を確認 | 数日から2週間程度 |
| 査定と会社選び | 複数社の査定根拠と販売方針を比較 | 1週間から2週間程度 |
| 販売活動 | 広告掲載、問い合わせ、内覧、条件交渉 | 1か月から3か月以上 |
| 契約から引渡し | 売買契約、ローン手続き、決済準備 | 1か月から2か月程度 |
この期間はあくまで目安です。売却期限がある場合は、希望価格だけでなく、いつまでに契約し、いつ引き渡す必要があるのかを不動産会社へ伝えてください。
マンション売却の流れ
売却前の条件を整理する
マンション売却で最初にすることは、査定依頼ではなく、現在の条件を把握することです。私なら、登記名義、住宅ローン残高、管理費と修繕積立金、固定資産税、購入時の売買契約書が残っているかを確認します。

さらに、いつまでに売りたいのか、最低限残したい金額はいくらか、売却中も住み続けるのかを家族で整理しましょう。共有名義なら、共有者全員の意向も早めに確認します。
相続したマンションでは、家族が考えている名義と登記上の名義が異なることもあります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されているため、売却するか決まっていなくても、まず登記事項証明書で所有者を確認してください。詳しい制度は法務省の相続登記案内で確認できます。
周辺相場と手残りを調べる
次に、同じマンションや近隣の中古マンションが、どの程度の価格で取引されているかを調べます。売出価格は広告上の希望価格であり、実際の成約価格とは限りません。
そのため、掲載中の物件だけでなく、成約事例も確認することが大切です。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地域ごとの取引価格情報を確認できます。ただし、階数、向き、眺望、室内状態、管理状況によって価格差が出るため、公開データだけで査定額を決めることはできません。
また、売却価格から住宅ローン返済、仲介手数料、抵当権抹消などの登記費用、印紙税、引越し費用、残置物処分費などを差し引き、概算の手残りを出します。
空室なら管理費、修繕積立金、固定資産税の負担が続くため、半年保有した場合と1年保有した場合の費用も計算すると判断しやすくなります。
複数社へ査定を依頼する
相場と手残りの考え方を整理したら、不動産会社へ査定を依頼します。机上査定は周辺事例や物件情報を基に算出し、訪問査定は室内状態、眺望、日当たり、リフォーム履歴なども確認する方法です。
3社へ依頼すると、査定額が異なることは珍しくありません。
しかし、高い査定額は、その価格で売れる保証ではありません。私は、近隣の成約事例を具体的に説明できるか、想定する買主は誰か、売れなかった場合にいつ価格を見直すのかまで確認します。
最初から一社に決める必要はありません。複数社へ同じ条件を伝え、査定額だけでなく、根拠、販売方法、担当者の説明、概算手残りを比べてください。
マンションの相場には幅があります。売却を決めるためではなく、判断材料を集める目的で複数社の査定を比べる方法もあります。
マンションの査定額は会社ごとに差が出るため、同じ条件で複数社を比べると相場の幅と査定根拠を確認しやすくなります。
\ マンションの査定額を複数社で比較 /
査定結果を見てから、売却するかを検討できます。
媒介契約と売出価格を決める
売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介があり、依頼できる会社数、自己発見取引の可否、報告頻度などが異なります。
どの契約がよいかは、物件や希望する販売方法によって変わります。国土交通省も媒介契約の種類と業務範囲を案内しているため、契約期間や解約条件まで確認しましょう。
売出価格は査定額をそのまま採用するのではなく、成約予想価格、値下げの余地、売却期限を踏まえて決めます。高く出しすぎると、販売初期の問い合わせを逃し、結果として長期化する可能性があります。
販売活動と内覧に対応する
販売が始まると、不動産ポータルサイトや不動産会社間の情報網などへ物件情報が掲載されます。売主は、写真撮影、内覧日程の調整、室内の整理、設備や管理状況に関する質問への準備を進めます。

内覧が何件か入っても申込みにつながらないことがあります。反対に、最初の内覧で話が進む場合もあるでしょう。
内覧件数だけで一喜一憂するより、価格、室内状態、管理費、修繕計画、引渡し時期について、買主が何を迷っているのかを担当者へ確認する方が有効です。
把握している雨漏り、漏水、設備不良などは隠さず伝えてください。詳しい準備はマンション売却の内覧対応でも整理しています。
申込みを受け売買契約を結ぶ
購入希望者から申込みが入ったら、価格だけでなく、手付金、住宅ローン利用の有無、契約日、引渡し日、設備の扱いなどを確認します。
値下げ交渉があっても、その場で金額だけを見て決めず、最終的な手残りと引渡し条件を合わせて判断しましょう。
条件がまとまると売買契約を結び、買主から手付金を受け取るのが一般的です。契約書には、契約解除、住宅ローン特約、契約不適合責任、付帯設備、引渡し条件などが記載されます。
分からない部分を残したまま署名せず、担当者へ説明を求めてください。
売買契約を結んでも、マンション売却はまだ完了していません。買主の住宅ローン審査や契約条件によっては、決済までに確認が必要になる場合があります。
決済と引渡しを完了する
決済日までに、引越し、残置物の処分、抵当権抹消の準備、管理会社への連絡、鍵や関係書類の整理を行います。
住宅ローンが残っている場合は、売却代金などで完済し、抵当権を抹消できる段取りを金融機関と確認してください。
決済当日は、残代金の受領、住宅ローン返済、固定資産税や管理費などの精算、所有権移転登記に必要な書類の確認、鍵の引渡しを行います。
代金決済と鍵の引渡しが終わって、ようやく一連のマンション売却手順が完了します。

売却後に確認すること
書類を保管し確定申告に備える
売却後は、売買契約書、仲介手数料の領収書、登記費用、購入時の契約書などを保管してください。
不動産の譲渡所得は、基本的に売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。建物部分の取得費では減価償却費相当額の確認も必要です。
譲渡益が出た場合は原則として確定申告が必要です。また、特別控除や譲渡損失の特例を使う場合は、税額が出なくても申告が必要になることがあります。
国税庁の不動産を売却した方への案内を確認し、相続、共有名義、取得費不明など判断が難しい場合は税理士へ相談しましょう。
具体的な準備はマンション売却後の確定申告で詳しく解説しています。
初めて売るときの注意点
査定額だけで会社を決めない
査定額が高い会社へ依頼したくなる気持ちは自然です。しかし、査定は売却を保証する価格ではありません。根拠が弱い高額査定で販売を始めると、問い合わせが入らず、何度も値下げすることもあります。
大切なのは、成約事例、競合物件、販売期間、価格変更の基準を具体的に説明できるかです。担当者が不利な情報も伝えてくれるかを見てください。
売却を急ぐ前に費用を比べる
空室でも、管理費、修繕積立金、固定資産税などは続きます。だからといって、慌てて安く売る必要はありません。保有を続ける費用と、価格を調整して早く売る場合の差を比べましょう。
私は、早く決めることよりも、順番を間違えずに進めることの方が大切だと感じています。まず相場、費用、住宅ローン残高、概算手残りを確認し、そのうえで売るのか、いつ売るのかを決めればよいのです。
売るか残すか決まっていない段階でも、現在の名義、維持費、査定結果、必要な手続きを整理できます。
マンション売却は、相続や共有名義、住宅ローンの状況によって確認する順番が変わるため、査定額だけでは決めにくいことがあります。
KAZUへ相談すれば、売ることを前提にせず、名義・費用・手残り・今後の進め方を一緒に整理できます。
\ 売却を決める前の状況整理にも /
売却するか決まっていない段階でも相談できます。
短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。
マンション売却の質問
最初に何をすればよいですか
登記名義、住宅ローン残高、管理費と修繕積立金、固定資産税、購入時の売買契約書を確認してください。そのあとに周辺相場と概算手残りを調べ、複数社へ査定を依頼すると比較しやすくなります。
売却にはどれくらいかかりますか
査定から引渡しまで数か月が一つの目安ですが、価格、立地、室内状態、買主の住宅ローン手続きなどによって変わります。売却期限がある場合は、最初に不動産会社へ伝えて販売計画を確認しましょう。
ローンが残っていても売れますか
売却代金や自己資金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できれば売却できます。査定額がローン残高を下回る可能性がある場合は、査定後ではなく早い段階で金融機関と不動産会社へ相談してください。
相続登記前でも査定できますか
価格査定や相談は相続登記前でも進められます。ただし、買主へ所有権を移転するまでには、相続関係を整理して売主名義にする必要があります。相続人が複数いる場合は、遺産分割と売却への同意も確認しましょう。
高い査定の会社がよいですか
査定額だけでは判断できません。近隣の成約事例、査定の根拠、販売方法、想定期間、売れない場合の価格変更まで説明できる会社を比較してください。
マンション売却のまとめ
マンション売却は、売却前の条件整理、相場確認、査定、媒介契約、販売活動、売買契約、決済・引渡しの順で進みます。初めてでも、することを段階ごとに分ければ、落ち着いて判断できます。
特に、査定額だけでなく、登記名義、住宅ローン、売却費用、概算手残りを最初に確認することが大切です。方針が固まっていなくても、先に相場と維持費を把握すれば、売る、残す、売却時期を待つといった選択肢を家族で話し合いやすくなります。
マンション売却するには、早く一社へ決めることより、比較しながら順番どおりに進めることが安全です。分からないことを残したまま契約せず、必要に応じて不動産会社、司法書士、税理士などへ確認してください。
▼あわせて読みたい記事▼
