
相続したマンションの名義変更では、亡くなった方の権利書(登記済証・登記識別情報)は原則として不要です。見つからなくても、それだけで相続登記ができなくなるわけではありません。
先に確認するのは、登記事項証明書の名義・住所・敷地権と、戸籍、住民票の除票、遺言書や遺産分割協議書です。
ただし、登記上の住所と死亡時の住所を公的書類でつなげられない場合は、古い権利書が補足資料になることがあります。
- 亡くなった方の権利書は通常の相続登記では原則不要
- 登記上の住所がつながらないときは補足資料を確認
- 相続前の権利書と相続後の登記識別情報は別物
- 2024年4月1日までに不動産の相続取得を知っていた場合は原則2027年3月31日まで
マンション相続で権利書が原則不要な理由
売買や贈与では、登記名義人が処分に関与していることを確認するため、権利書が重要になります。
一方、相続登記では、戸籍、遺言書、遺産分割協議書などによって相続の発生と取得者を証明するため、亡くなった方の権利書は通常求められません。
コンサルタント @KAZU権利書を探し続けるより、まず登記事項証明書を取得し、亡くなった方の氏名・住所とマンションの敷地権を確認する方が、不足書類を見つけやすくなります。
最初に確認するのは登記簿と相続関係の書類
遺産分割協議による一般的な相続登記では、主に次の書類を準備します。遺言の有無や相続関係によって異なるため、個別の様式は法務局の相続登記・遺贈登記の案内で確認してください。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
- 亡くなった方の住民票の除票または戸籍の附票
- 相続人の戸籍と、マンションを取得する人の住民票
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
- 申請年度の固定資産課税明細書または評価証明書など
遺産分割協議書の物件表示は、固定資産税通知書だけで作らず、登記事項証明書に合わせます。マンションは専有部分の家屋番号、敷地権の種類・割合、別登記の土地持分を見落としやすいためです。
権利書が補足資料になる例外を見分ける
| 状況 | 権利書の扱い | 次の確認 |
|---|---|---|
| 通常の相続登記 | 原則不要 | 戸籍・住所・取得者 |
| 登記住所がつながらない | 補足資料になる場合あり | 除票・戸籍の附票 |
| 相続人以外への遺贈 | 別手続きになる | 司法書士・法務局 |
登記上の住所から死亡時の住所までを、住民票の除票や戸籍の附票で証明できないときは、亡くなった方名義の登記済証が、登記名義人と被相続人が同一人物であることを示す補足資料になる場合があります。
権利書も見つからない場合でも、直ちに登記不能とは限りません。必要な上申書や補足資料は、登記記録と取得できる公的書類によって変わります。
管轄法務局または司法書士へ、次の点を伝えて確認すると話が早くなります。
- 登記簿上の住所と死亡時の住所
- 除票・戸籍の附票で確認できる住所履歴
- 権利書の有無と、ほかに本人名義を示せる資料
相続前の権利書と相続後の登記識別情報は別物
昔の紙の権利書は「登記済証」、現在の通知書は12桁の符号が記載された「登記識別情報」です。どちらも紛失しても再発行されません。
亡くなった方の権利書は相続登記で原則不要ですが、相続登記後、申請人となった新名義人には原則として新しい登記識別情報が通知されます。
将来の売却や担保設定に使うため、目隠し部分をむやみに開けず厳重に保管してください。
権利書がないときの確認順序と相続登記の期限
権利書がなくても手続きは進められますが、書類探しだけで期限を過ぎないよう注意が必要です。2024年4月1日より前に始まった相続も、相続登記義務化の対象です。
敷地権と別登記の土地持分まで確認する
敷地権付きマンションは、専有部分と土地の権利が一体で登記されています。一方、古いマンションでは土地持分、駐車場、私道持分が別登記になっていることがあります。
課税明細に載る物件と登記事項証明書を照合し、相続対象の漏れを防ぎましょう。
- 登記事項証明書で名義・住所・敷地権を確認する
- 遺言書の有無と法定相続人を確認する
- 除票・戸籍の附票で登記住所までつながるか確認する
- 取得者を決め、必要書類を法務局または司法書士へ確認する
施行前の相続は原則2027年3月31日まで
相続登記は、自己のために相続が始まり、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
2024年4月1日より前に開始した相続で、同日までに不動産を相続で取得したことを知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに対応が必要です。
2024年4月以降に知った場合は、その知った日から3年以内です。遺産分割が後から成立したときは、成立日から3年以内に内容を反映する登記も必要になります。
協議がまとまらないときは、義務を簡易に履行する「相続人申告登記」もあります。ただし、これだけではマンションを売却できる名義にはならないため、制度の範囲を法務省の相続登記義務化の案内で確認してください。
登記だけでなく取得後の方針も整理する
住所のつながりや申請書類は法務局・司法書士へ確認するのが適切です。
一方、「誰が取得するか」「売る・残す・貸すのどれを選ぶか」「管理費や修繕積立金を誰が負担するか」は、相続人同士で整理する必要があります。
KAZUへの相談では登記申請の代理は行いませんが、現在分かっている名義、相続人、維持費、今後の希望をもとに、先に確認する事項と相談先の順番を整理します。
\ 売却未定・書類が揃う前でも相談できます /
売却方針や家族の意見が決まっていない段階でも相談できます。
登記簿の住所や分かる範囲の状況を短く伝えるだけでも相談できます。
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