
こんにちは。親の家や相続した不動産の悩みを一緒に整理する、カズです。
マンションを売却するとき、「査定額が4,000万円なら4,000万円で売り出せばよいのか」「少し高めのチャレンジ価格から始めてもよいのか」「購入希望者から値切られたら、どこまで応じればよいのか」と迷う人は少なくありません。
私は不動産の仕事に20年以上関わってきましたが、初めて売却する人から最初に聞かれることが多いのは「いくらで売れますか」という質問です。しかし、査定額が高い会社を選べば高く売れるわけではありません。
マンションの売り出し価格は、周辺の成約事例を確認したうえで、いつまでに売りたいのか、住宅ローンはいくら残っているのか、どこまで値引きできるのかを先に整理して決めることが大切です。
- マンションの売却価格を決める基本
- チャレンジ価格を設定するときの考え方
- 値引き交渉に応じる金額の決め方
- 購入申込みが入ったときの判断方法
マンション売却価格の決め方
マンションの価格を考えるときは、まず「査定価格」「売り出し価格」「成約価格」を分けて考えてください。この3つは同じ金額になるとは限りません。
査定価格は、不動産会社が周辺の取引事例や物件の状態などから算出した売却予想価格です。
売り出し価格は、実際に市場へ公開するときに売主が決める価格。そして成約価格は、買主との交渉を経て最終的に売買契約が成立した価格です。
そのため、査定額が4,000万円だからといって、必ず4,000万円で売れるとは考えない方がよいでしょう。

成約事例を基準にする
私が売り出し価格を考えるなら、最初に確認するのは近隣の成約事例です。同じマンションで最近売れた住戸があれば、とても重要な判断材料になります。
ただし、同じマンションだから同じ価格になるわけではありません。階数、方角、専有面積、間取り、室内状態、眺望、角部屋かどうかなどによって評価は変わります。
現在販売されている物件の価格も参考になりますが、売り出し中の価格は「売主が希望している価格」であり、実際に売れた価格ではありません。私は、販売中の物件だけではなく、実際の成約事例を重視して比較します。
販売期限から逆算する
もう1つ重要なのが、いつまでに売りたいのかという販売期限です。
半年程度待って条件のよい買主を探せる人と、住み替えや相続財産の整理などで早めに売却したい人では、同じマンションでも価格戦略が変わります。
時間に余裕があるなら相場より少し高い価格から反応を見る方法があります。一方、売却期限が決まっているなら、最初から相場に近い価格で購入希望者を集めた方が進めやすいでしょう。
売り出し価格は高すぎない
「どうせ値引きされるなら最初から高くしておこう」と考える人もいます。しかし、相場から大きく外れた価格にすると、内覧そのものが入りにくくなる可能性があります。
購入希望者も周辺物件を比較しています。似た条件のマンションが4,000万円前後で並んでいる中、一戸だけ4,500万円で掲載されていれば、室内を見る前に候補から外されることもあるでしょう。
値引き余地を持たせること自体は問題ありません。ただ、値引きを前提として相場から離れすぎた価格にするのは避けたいところです。
手残りから最低価格を決める
売却価格を決める前に、私は住宅ローン残高や売却費用も確認するようにしています。
仲介手数料、抵当権抹消に関する費用、住宅ローンの返済額、引越し費用などを整理すると、「最低でもいくらで売りたいか」が見えやすくなるからです。
相続したマンションであれば、管理費、修繕積立金、固定資産税などの保有コストも確認しておきましょう。空室でも所有している限り負担が続く費用があります。
100万円高く売るために長期間待った結果、保有費用が増えてしまえば、手残りでは大きな差にならないこともあります。売却価格だけではなく、最終的にいくら残るのかを見ることが大切です。

チャレンジ価格の考え方
マンション売却でいうチャレンジ価格とは、想定される成約価格より少し高めに設定し、市場の反応を見る売り出し方です。
時間に余裕があり、同じマンション内の売り物件が少ない場合などには選択肢になります。しかし、チャレンジ価格を付けるなら、価格を下げる条件も最初に決めておいた方がよいでしょう。
価格変更の条件を決める
例えば、売り出してから一定期間が経過しても問い合わせが少ない、内覧が入らない、内覧は入るものの購入申込みにつながらない場合は、価格が市場の評価と合っていない可能性があります。
ここで大切なのは、感覚だけで価格を下げないことです。
問い合わせ件数、内覧件数、内覧後の感想、競合物件の成約状況などを不動産会社から確認し、その結果を見て価格変更を判断します。
私は、高い査定額を提示する会社かどうかよりも、「この価格で反応がなければ、次はどうするのか」まで説明してくれる会社の方が売却を任せやすいと考えています。
値引き交渉の相場と考え方
マンション売却の値引きに「必ず何%まで応じる」という決まりはありません。物件価格、売り出してからの期間、競合状況、売主の事情によって判断が変わります。
そのため、値引き交渉を受けてから慌てて考えるのではなく、売り出す段階で「希望価格」「交渉可能価格」「これ以下なら売らない価格」の3段階を決めておくと判断しやすくなります。
値切られたら条件も確認する
例えば4,000万円で売り出しているマンションに3,900万円の申込みが入ったとしても、価格だけを見て断る必要はありません。
買主の住宅ローン事前審査が済んでいるのか、契約希望日はいつか、引渡し時期はこちらの希望に合うのかなども確認します。
3,950万円でも条件が不安定な申込みと、3,900万円でも資金計画が明確で引渡し条件も合う申込みなら、後者を選ぶ考え方もあります。
マンション売却の値引き交渉は、単純な値段勝負ではありません。金額と契約条件をセットで比較することが重要です。

値引きを断る判断もある
売り出した直後で問い合わせや内覧が多い場合は、すぐに大幅な値引きへ応じる必要性は低いでしょう。
反対に、長期間売り出していて内覧後も価格を理由に見送られているのであれば、値引き交渉を成約の機会として検討する意味があります。
つまり、値引きを受けるかどうかは「いくら値切られたか」だけではなく、その時点の販売状況で判断します。
購入申込みが入ったときの判断
購入希望者が現れると、購入申込書や買付証明書などを通じて、購入希望価格や契約条件が提示されることがあります。
ここで希望価格より低い金額が書かれていても、すぐに拒否する必要はありません。不動産会社を通して条件を確認し、こちらから希望金額を提示して交渉することもできます。
申込みは金額だけで選ばない
複数の購入希望者がいる場合も、提示価格だけで決めるのはおすすめしません。
住宅ローン利用の有無、資金計画、契約予定日、引渡し希望日、その他の条件を確認してください。
特に住み替えの場合は、引渡し時期が生活に大きく影響します。価格が多少高くても引渡し条件が合わなければ、売主側の負担が増える場合があります。
売り出し中の値上げは慎重に
売却活動を始めたあとに「もっと高く売れそうだから値上げしたい」と考えることもあるでしょう。
売り出し価格を変更すること自体はありますが、明確な理由がない値上げは慎重に判断した方がよいと思います。
購入を検討していた人から見ると、一度確認した物件が突然値上がりすれば購入意欲が下がることもあるからです。
周辺の成約価格が大きく変化した、当初の価格設定に明確な誤りがあったなどの事情がない限り、売却開始後の値上げよりも、最初の価格設定を丁寧に行う方が進めやすいでしょう。
査定価格は複数社で比較する
私は、初めから一社だけに決めたり、一番高い査定額だけを信じたりする必要はないと思っています。
査定を複数社へ依頼すると、同じマンションでも査定額に差が出ることがあります。そのときは金額だけではなく、どの成約事例を使ったのか、なぜその価格になるのか、売れなかった場合はどのように価格を見直すのかまで確認してください。
売り出し価格を決める目的なら、「最も高い査定額を探す」のではなく、「自分のマンションが現在どの程度で売れそうなのかを比較する」という使い方が向いています。
相場が分からない段階なら、複数の不動産会社へ査定を依頼して価格の根拠を比較してから、売却方針を決める方法もあります。
売り出し価格を決める前に複数社の査定額と根拠を比べると、相場から外れすぎない価格を考えやすくなります。
\ マンションの査定額と根拠を比較 /
査定結果を比べてから売り出し価格を検討できます。
相続マンションは費用も確認する
相続したマンションでは、価格を決める前に登記名義も確認しておきましょう。家族では親名義だと思っていても、実際の登記内容を確認すると認識と異なる場合があります。
また、売却するか残すか迷っている間も、管理費、修繕積立金、固定資産税などの負担は続きます。
半年保有した場合と1年保有した場合の費用を計算すると、「多少価格を下げて早めに売るのか」「時間をかけて希望価格を狙うのか」を家族で比較しやすくなるでしょう。
マンション売却では、早く決めることより、成約事例、販売期限、売却費用、手残りを確認してから価格を決めることが大切です。

相続マンションは、売却価格だけでなく名義や維持費、家族の意向によって進め方が変わるため、査定額だけでは判断しにくいことがあります。
売ることを前提にせず、現在の状況や希望する売却時期、家族で確認したいことをKAZUと一緒に整理できます。
\ 売却価格と家族の事情を一緒に整理 /
売却するか決まっていない段階でも相談できます。
短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。
マンション売却価格のよくある質問
売り出し価格は誰が決めますか
最終的な売り出し価格は売主が判断します。不動産会社の査定価格や周辺の成約事例を参考にしながら、販売期限や値引き余地も考えて決めるとよいでしょう。
査定額より高く売り出せますか
査定額より高い価格で売り出すことはできます。ただし、相場から大きく離れると問い合わせや内覧が減る可能性があるため、チャレンジ価格にする場合は価格を見直す条件も決めておくことが大切です。
値引きの相場は何%ですか
一律の値引き率はありません。売却価格や販売期間、市場の反応によって異なります。希望価格、交渉可能価格、最低価格を事前に決めておくと交渉しやすくなります。
購入申込みは断れますか
希望する価格や条件に合わない申込みについては、条件交渉や見送りを検討できます。提示金額だけでなく、住宅ローンや契約日、引渡し時期なども合わせて確認してください。
売り出したあと値上げできますか
価格を変更することはありますが、明確な理由のない値上げは慎重に判断した方がよいでしょう。売却開始前に成約事例と販売方針を確認し、最初の価格設定を丁寧に行うことが重要です。
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