マンション売却の媒介契約はどれがいい?専任・一般の違いと選び方

マンション売却の媒介契約を比較
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マンション売却で専任媒介と一般媒介のどちらを選ぶべきかは、依頼したい会社数と売主自身が販売活動を管理できるかによって変わります。

信頼できる担当者がいて、1社に窓口をまとめたいなら専任媒介が候補です。複数社へ同時に依頼し、各社の活動を自分で管理できるなら一般媒介も選択肢になります。

専属専任媒介は、より頻繁な報告を受けられる一方、自分で見つけた買主との直接取引ができません。

こんにちは。親の家や相続した不動産の悩みを一緒に整理する、カズです。

私は不動産の仕事に20年以上関わってきましたが、マンション売却の媒介契約は、契約の名前や査定額の高さだけで決めるものではないと考えています。

専任媒介だから必ず早く高く売れるわけではありません。また、一般媒介で複数社に頼めば、自然に競争が生まれて高値で売れるというものでもありません。

この記事では、媒介契約3種類の違い、向いている人、囲い込みへの対策、仲介手数料、契約解除・更新時の注意点を整理します。最後まで読むと、不動産会社へ媒介契約を申し込む前に何を比較すべきか判断しやすくなります。

この記事のポイント
  • 専任・専属専任・一般媒介の違い
  • 自分に合う媒介契約の選び方
  • レインズ登録と販売報告の確認方法
  • 契約前に確認したい注意点
目次

マンション売却は専任か一般か

マンション売却の媒介契約で迷ったら、まず次の表で自分の状況に近いものを選んでみてください。

売主の状況・希望検討したい契約判断理由
初めて売却し、1社に管理を任せたい専任媒介窓口を一本化し、定期報告を受けられる
複数の会社へ同時に依頼したい一般媒介複数社への依頼ができる
自分でも知人などに買主を探したい専任媒介または一般媒介自己発見取引の可能性を残せる
週1回以上、法定の活動報告を受けたい専属専任媒介1週間に1回以上の報告義務がある
担当者の販売力をまだ判断できない契約前に再比較査定根拠と販売計画を確認する
相続・共有名義などの問題が残っている先に権利関係を確認売主や売却条件の整理が必要になる

この表は、契約を選ぶための目安です。駅近や築浅の人気マンションだから必ず一般媒介が有利、築古だから必ず専任媒介が有利とは言い切れません。

たとえば、複数社へ依頼しても各社の広告価格や内覧予定を管理できなければ、一般媒介のメリットを十分に生かせないことがあります。反対に、実績と販売方針が明確な担当者を見つけられれば、専任媒介によって連絡や販売状況をまとめやすくなります。

私なら、最初に複数社の査定と販売方針を比べ、どの担当者に任せるかを決めてから媒介契約の種類を選びます。査定額が高い会社をそのまま選ぶのではなく、なぜその価格になるのか説明できるかが重要です。

媒介契約3種類の違いを比較

媒介契約とは、マンションの売主が不動産会社へ買主探しや売買条件の調整などを依頼する契約です。売却の媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類があります。

最大の違いは、複数社への依頼、自己発見取引、レインズ登録義務、販売状況の報告頻度です。

比較項目専属専任媒介専任媒介一般媒介
依頼できる会社1社のみ1社のみ複数社
自己発見取引できないできるできる
レインズ登録翌日から5日以内翌日から7日以内契約内容による
業務報告1週間に1回以上2週間に1回以上法定義務なし
契約期間3か月以内3か月以内標準約款では3か月以内

※レインズ登録期限は契約当日を含めず翌日から数え、不動産会社の休業日とレインズの休止日を除きます。一般媒介の契約期間には法律上の一律の上限はありませんが、標準媒介契約約款では3か月以内です。

専属専任媒介は1社に任せ、売主自身が見つけた相手とも直接取引できない契約です。専任媒介は依頼先を1社に限定しますが、自己発見取引は可能です。一般媒介は複数社へ同時に依頼できます。

なお、一般媒介には、他に依頼している会社を知らせる「明示型」と、知らせない特約を設ける「非明示型」があります。どちらで契約するかも確認しましょう。

制度の詳細は、東日本レインズの媒介契約制度や国土交通省の標準媒介契約約款で確認できます。

マンション売却で専任媒介と一般媒介を比較する売主と不動産会社

専任媒介のメリットと注意点

専任媒介は、マンション売却を1社に任せたい人が検討しやすい契約です。

問い合わせ、内覧、広告の変更、価格調整の窓口をまとめられます。2週間に1回以上の業務報告もあるため、初めて売却する人や遠方から売却状況を確認したい人にとって管理しやすい方法でしょう。

一方で、依頼先が1社になるため、担当者の販売方針や対応の影響を受けやすくなります。専任媒介を選んだからといって、必ず広告活動が充実するわけではありません。

専任媒介を選ぶ前には、少なくとも次の点を確認してください。

  • 近隣の成約事例を根拠として査定額を説明できるか
  • 他社の買主候補にも物件を紹介する方針か
  • レインズ登録証明書を受け取れるか
  • 問い合わせと内覧後の反応を具体的に報告するか
  • 売れなかった場合の改善方法を提案できるか

特に注意したいのは、査定額だけを高く提示し、媒介契約後になって値下げを繰り返し勧められるケースです。査定時点で、売出希望価格、成約を想定する価格帯、価格を見直す判断材料を聞いておきましょう。

専属専任媒介を選ぶ条件

専属専任媒介は、専任媒介と同じく1社に依頼する契約ですが、業務報告が1週間に1回以上となります。レインズ登録期限も専任媒介より短く設定されています。

売却活動を頻繁に確認したい人には検討する価値があります。ただし、親族や知人から購入希望が出ても、その相手と売主が直接売買契約を結ぶことはできません。

したがって、自己発見取引の可能性を残したいなら、専属専任ではなく専任媒介や一般媒介を検討しましょう。報告頻度の多さと売れやすさは別の問題です。

一般媒介のメリットと注意点

一般媒介は、マンションの売却を複数の不動産会社へ同時に依頼できる契約です。複数社の購入希望者への紹介を期待でき、自分で買主を見つけることもできます。

ただし、会社を増やせば必ず多くの買主に情報が届くとは限りません。同じ物件を複数社が広告するため、掲載内容や価格変更のタイミングが食い違う可能性があります。

また、他社で成約する可能性があるため、各社の広告・販売活動への力の入れ方に差が出る場合もあります。どの会社がどのように活動しているか、売主自身による確認が重要です。

一般媒介を選ぶ場合は、依頼先をむやみに増やさず、各社の役割と報告方法を決めることをおすすめします。たとえば、2~3社を比較対象にする方法はありますが、その社数が必ず最適というわけではありません。

売主は各社へ同じ希望価格、内覧可能日時、物件状況、価格変更方針を伝え、購入申込みが入った場合の連絡手順も統一しておきましょう。

なお、一般媒介には法律上の定期報告義務がありません。しかし、契約時に報告方法や頻度を相談することはできます。レインズ登録も一律の義務ではないため、登録してもらう場合は契約書で確認してください。

レインズと囲い込み対策

レインズは、不動産会社間で売却物件の情報を共有する仕組みです。専任媒介と専属専任媒介では、決められた期限内の登録が義務付けられています。

登録後は不動産会社から登録証明書を受け取りましょう。専任媒介と専属専任媒介の場合、売主向けのID・パスワードを利用して、レインズに登録された物件情報や取引状況を確認できます。

取引状況には「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の区分があります。状況に疑問があれば担当者へ説明を求めてください。

マンション売却の販売状況やレインズ登録を担当者と確認する売主

マンション売却では、不動産会社が買主も自社で見つけようとして、他社からの購入希望者の紹介を不当に妨げる「囲い込み」が問題になる場合があります。

たとえば、他社からの内覧希望があるのに正当な理由なく紹介を断るような行為があれば、売主が買主候補に出会う機会を失う可能性があります。

ただし、問い合わせが少ないことや売却期間が長いことだけで囲い込みとは判断できません。レインズの取引状況だけですべての紹介活動が分かるわけでもありません。

囲い込みへの不安がある場合は、次の順番で確認しましょう。

  1. レインズの登録証明書を受け取る。
  2. 登録された価格・面積・取引状況を確認する。
  3. 他社からの問い合わせや内覧希望の有無を担当者に聞く。
  4. 紹介を見送った場合は、その理由と売主への報告内容を確認する。
  5. 説明に矛盾があれば記録を残し、会社の責任者や適切な相談窓口に確認する。

一般媒介でもレインズへの登録は可能ですが、売主専用確認画面の利用条件は専任・専属専任と異なります。一般媒介で登録状況を確認したい場合は、担当会社や指定流通機構へ確認しましょう。

詳しい確認方法は、東日本レインズの売却依頼主向け説明を参考にしてください。

媒介契約前の確認7項目

マンション売却で失敗を防ぐには、契約する不動産会社を決める前に、次の7項目を確認することが大切です。

  1. 査定額の根拠:近隣の成約事例と現在の売出物件を比較しているか。
  2. 売出価格の考え方:希望価格と成約を想定する価格帯の違いを説明できるか。
  3. 広告・写真:掲載媒体、写真撮影、間取り図、既存顧客への紹介方法が明確か。
  4. 他社との情報共有:レインズ登録や他社からの問い合わせへの対応を説明できるか。
  5. 活動報告:問い合わせ件数だけでなく、内覧後の反応や改善策を伝えてもらえるか。
  6. 価格変更:いつ、どのデータを基準に売出価格を見直すか。
  7. 契約条件:有効期間、更新、解除、仲介手数料、特別な広告費用を確認したか。

査定を3社へ依頼し、同じマンションに対する査定額が異なった場合は、高い会社を選ぶ前に「直近で成約した類似物件はどれですか」「希望価格で反応がなければ、何を変更しますか」と質問してみてください。

販売活動の報告では、単に「問い合わせが3件ありました」と聞くより、「そのうち内覧は何件で、購入を見送った理由は何でしたか」と確認する方が次の判断につながります。

内覧が少ない場合には、価格だけでなく写真、間取り図、広告文、内覧可能日、競合物件との比較などを確認しましょう。十分な根拠がないまま値下げだけを繰り返す必要はありません。

途中解除・更新・費用の注意点

媒介契約は、売却が決まるまで必ず同じ不動産会社と続けなければならないわけではありません。ただし、専任媒介や専属専任媒介の契約期間中に、売主が一方的に別会社へ重ねて依頼すると、契約違反になる可能性があります。

専任媒介と専属専任媒介の有効期間は3か月以内です。契約満了時に販売状況を振り返り、同じ会社で更新するか、別会社へ変更するか、一般媒介に切り替えるかを検討できます。

標準媒介契約約款では、契約の更新は依頼者の申出と当事者間の合意を前提としています。自動的に延長されると思い込まず、契約書の内容を確認しましょう。

途中で解除したい場合は、まず担当者や会社の責任者に改善を求め、契約条項に沿って手続きを確認してください。会社側の契約違反や不誠実な行為がある場合と、売主の都合で解除する場合では、対応や費用負担が異なります。

国土交通省の標準専任媒介契約約款では、一定の条件に該当する場合、媒介契約の履行に要した費用の償還請求や違約金請求の規定があります。「途中解約は必ず無料」「3か月経つまでは絶対に解除できない」のどちらも一律には正しくありません。

解除する前に、費用請求の有無とその根拠、広告掲載の停止日、レインズ登録の扱い、ほかの会社との契約開始日を文書で確認すると安心です。

また、媒介契約を結んだだけで、通常の仲介手数料が直ちに発生するわけではありません。標準媒介契約約款では、媒介によって売買契約が成立した場合に報酬を請求できると定めています。ただし、売主が特別に依頼した広告や遠方への出張費などは、別途負担が生じる場合があります。

売却価格が3,000万円の場合、一般的な仲介手数料の上限計算は「(3,000万円×3%+6万円)×1.1」で105万6,000円(税込)です。これは上限計算による例で、必ずこの金額が請求されるわけではありません。

実際の手取り額は、売却代金から仲介手数料、住宅ローン返済額、登記関連費用、その他の売却費用などを差し引いて考えます。譲渡所得税などが生じる場合は、税金についても別に確認が必要です。

媒介契約を決める前には、契約の種類と合わせて査定額の根拠や販売方針を比較してください。複数社の説明を聞けば、価格だけでなく、広告計画や担当者の対応の違いも判断しやすくなります。

特に、1社へ専任媒介を任せる予定の方は、契約前にほかの会社の提案も見ておくと、販売方法を比較する材料になります。

\ マンション.naviで査定会社を比較 /

査定結果を見てから依頼する会社を検討できます。

※依頼可能な会社数・対象地域・物件条件などは、申込み画面で確認してください。査定依頼と媒介契約の締結は別の手続きです。

相続マンションの媒介契約

親から相続したマンションを売却するときは、媒介契約の種類を決める前に、登記名義と売却に関わる人を確認しましょう。

登記事項証明書を確認したところ、亡くなった親の名義のままだったという場合もあります。相続登記が未了でも売却準備を進められる場面はありますが、売主への所有権移転登記など、引渡しまでに必要な手続きを整理する必要があります。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。施行前に開始した相続も対象です。詳しくは法務省の相続登記の申請義務化についてを確認してください。

共有名義のマンションなら、共有者全員の意思や売却条件の調整も重要です。誰が不動産会社との連絡窓口になり、誰が売買契約に関わるのか、あらかじめ整理しておきましょう。

また、空室であっても管理費、修繕積立金、固定資産税などの負担は続きます。売却まで6か月、1年と時間がかかった場合の保有費用も計算しておくと、家族で売却方針を考えやすくなります。

住宅ローンが残っている場合は残高と抵当権抹消の手続きも確認しましょう。売却希望価格だけでなく、最終的に手元へ残る金額が判断材料になります。

相続マンションでは、物件の価格に加えて、名義・共有者・家族の意向が媒介契約の進め方に影響します。状況が複雑な場合は、査定先を決める前に整理しておく方法もあります。

相続したマンションの名義や売却方針を不動産の専門家に相談する家族

相続したマンションは、名義や住宅ローン、家族の意向によって媒介契約の選び方も変わるため、査定額だけでは判断しにくいことがあります。

売却を前提にせず、現在の状況と媒介契約を選ぶ前の確認事項をKAZUと一緒に整理できます。

\ 媒介契約を決める前の状況整理にも /

売却や契約先が決まっていない段階でも相談できます。

短く状況を伝えたい方はLINEから相談できます。

よくある質問

専任媒介は一般媒介より高く売れますか

必ず高く売れるとは限りません。売却価格は立地、築年数、室内状態、管理状況、相場、売出価格、担当者の販売方針などに左右されます。契約形式ではなく、成約事例と販売計画を比較してください。

専任媒介から一般媒介へ変更できますか

変更は検討できます。契約満了時に一般媒介へ切り替える方法があるほか、契約期間中でも契約内容や当事者間の合意によって解除を検討できる場合があります。ただし、無断で他社へ重ねて依頼せず、解除条件や費用負担を確認してください。

一般媒介でもレインズに登録できますか

登録できます。ただし、一般媒介には一律の法定登録義務がありません。レインズに登録してもらう場合は、媒介契約書の登録に関する項目を確認してください。

媒介契約は査定額で決めてよいですか

査定額だけで決めない方がよいでしょう。査定は売却価格を保証するものではありません。成約事例、販売戦略、広告媒体、レインズ登録、報告内容、担当者の説明力を比較し、納得したうえで契約することが大切です。

まとめ|媒介契約の選び方

マンション売却で専任媒介と一般媒介のどちらを選ぶかは、売主の希望や物件の状況によって異なります。

  • 専任媒介:1社に販売活動をまとめ、報告を受けながら進めたい人に向いています。
  • 一般媒介:複数社へ依頼し、広告や内覧状況を自分でも管理できる人に向いています。
  • 専属専任媒介:1社に任せ、より頻繁な報告を希望し、自己発見取引を予定していない人が検討できます。

どの契約でも、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないことが重要です。契約前には販売方針、レインズ登録、活動報告、価格の見直し方、解除・更新条件まで確認しましょう。

私は、媒介契約の種類を決める前に、複数社の提案を比較して信頼できる担当者を選ぶことをおすすめします。相続や共有名義などの事情がある場合は、売却できる状態を整理することも忘れないでください。

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で20年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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