空き家に火災保険はいらない?リスクと賠償責任を専門家が解説

空き家に火災保険はいらない?リスクと賠償責任を専門家が解説
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こんにちは、終活だよドットコムの運営者、終活・相続・不動産の専門家のカズです。

相続などで取得した実家、誰も住んでいないし建物も古いから「空き家 火災保険 いらない」と考えていませんか?そのお気持ち、痛いほどよくわかります。収益を生まない物件に、決して安くはない保険料や空き家管理サービス費用を払い続けるのは、経済的にも精神的にも大きな負担ですよね。

しかし、実はその「もったいない」という判断が、あなたやご家族の生活を根底から覆すような、億単位の借金を背負う引き金になる可能性があるのです。

ここでは、「空き家 火災保険 いらない」という検索だけでは見えてこない、所有者責任という本当のリスクと、施設賠償責任保険などを活用した賢いコスト削減策、そして特定空き家に指定されないための対策について、私の経験を交えてわかりやすくお話しします。

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この記事のポイント
  • 資産価値ゼロの空き家でも発生する「無限の賠償責任」の恐怖
  • 火災保険に入らない場合に降りかかる経済的・法的なリスクの全貌
  • 施設賠償責任保険や管理サービスの活用によるコスト最小化のテクニック
  • 保険料を払い続けるジレンマから解放されるための根本的な出口戦略
コンサルタント @KAZU

長年、相続不動産の相談を受けてきましたが、「ボロ家だから価値がない」と「責任がない」を混同している方が非常に多いです。建物は0円でも、通行人に怪我をさせれば賠償は数千万円になります。まずは「資産を守る」のではなく「自分の財布(預貯金)を守る」ために保険が必要だという視点に切り替えてみましょう。
空き家の火災保険はいらないという誤解とリスク

目次

空き家の火災保険はいらないという誤解とリスク

空き家の火災保険はいらないという誤解とリスク

「誰も住んでいないし、燃えても困らないから保険は不要」という考えは、ご自身の資産価値のみに目を向けた場合の話です。しかし、空き家リスクの本質は、建物がなくなることではなく、第三者を巻き込んだ際の賠償責任にあります。

建物価値がゼロでも、賠償額は「億」になる可能性があるのです。ここでは、なぜ無保険状態がそれほど危険なのか、そのメカニズムを法的な観点も含めて徹底的に解説します。

隣家への延焼で発生する多額の賠償金

日本には「失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)」という明治時代から続く法律があり、軽過失(うっかりミス)による火災で隣家を燃やしてしまっても、原則として賠償責任は問われません。これを聞いて「なんだ、じゃあ空き家が燃えて隣に燃え移っても大丈夫じゃないか」と思うのはあまりにも早計です。

「重過失」認定で全財産を失う可能性

この法律には重要な例外があります。それは、火を出した側に「重大な過失」があった場合は適用されないという点です。空き家の場合、以下のような状態が「重過失」と判断されるリスクがあります。

  • 施錠もせず、誰でも自由に出入りできる状態で放置していた
  • 枯草や燃えやすいゴミが建物の周囲に山積みになっていた
  • 建物の老朽化による漏電リスクを知りながら放置していた

もし裁判で「重過失」と認定されれば、隣家の建て替え費用、家財道具の弁償、仮住まいの費用など、損害の全額を賠償しなければなりません。保険に入っていなければ、これら数千万円〜数億円を個人の預貯金や自宅を売却して支払うことになり、経済的に破綻する恐れがあります。

放火のリスクと管理不全の危険性

放火のリスクと管理不全の危険性

空き家所有者が最も恐れるべきは、内部からの失火(漏電など)ではなく、外部からの「放火」です。これは決して他人事ではありません。

消防庁のデータが示す残酷な現実

総務省消防庁の統計によれば、全火災の出火原因において「放火」および「放火の疑い」は長年にわたりトップクラスの割合を占めています(出典:総務省消防庁『消防統計(火災統計)』)。特に、人の目が行き届いていない空き家は、放火犯にとって格好のターゲットとなりやすいのです。

人の気配がなく、郵便受けにチラシが溢れ、庭木が道路にはみ出すほど伸び放題の空き家は、放火犯に対して「ここは管理されていませんよ」「侵入してもバレませんよ」という招待状を送っているようなものです。「自分は火の気を使っていないから大丈夫」という理屈は、放火犯には通用しません。

一度放火されれば、乾燥した古い木造住宅はマッチ箱のようにあっという間に全焼し、近隣を巻き込む大惨事になります。この際、「放火された被害者」であるはずのあなたが、管理不全を理由に加害者としての責任を問われる可能性があるのです。

台風や地震による倒壊と法的責任

火災だけでなく、台風や地震による建物の破損・倒壊リスクも無視できません。ここで非常に重要になるのが、民法717条で定められた「土地工作物責任」です。

土地工作物責任(無過失責任)とは
建物の設置や保存に「瑕疵(欠陥)」があり、それによって他人に損害を与えた場合、所有者は「自分に過失がなかったとしても(注意していたとしても)」賠償責任を負わなければならないという非常に厳しいルールです。

例えば、以下のようなケースを想像してみてください。

  • 台風で屋根瓦が飛び、隣家の高級車を直撃して廃車にした
  • 老朽化したブロック塀が地震で倒れ、通学中の子供が下敷きになった
  • 外壁のタイルが剥がれ落ち、通行人の頭に当たって後遺障害が残った

これらはすべて、所有者の責任となります。過去には、建物の管理瑕疵による事故で数億円の賠償命令が出た判例も存在します。火災保険(および特約としての個人賠償・施設賠償)は、こうした予見不可能な賠償リスクをカバーする唯一の命綱なのです。

火災保険料を無駄と感じる心理の落とし穴

火災保険料を無駄と感じる心理の落とし穴

多くの人が「空き家 火災保険 いらない」と検索し、加入を躊躇する最大の理由は、「価値のないものを守るために金は払いたくない」という心理的抵抗感でしょう。

確かに、不動産市場において建物自体の評価額がゼロ、あるいは解体費用を差し引けばマイナス評価となるような「ボロ家」に対して、年間何万円もの保険料を払うのは、投資対効果(ROI)の観点からは非合理的に思えるかもしれません。

「燃えてしまったほうが、解体費が浮いてラッキー」とさえ考える方もいるかもしれません(これは非常に危険な思想ですが)。

しかし、ここで視点を変える必要があります。保険は「建物の価値」を守るためだけのものではありません。保険は、万が一の事態が起きた時に、被害者へ支払う賠償金から「あなた自身の現在の預貯金や、あなたの家族が住む自宅資産」を守るための防壁なのです。

空き家はもはや資産ではなく、リスクの塊である「負動産」です。そのリスクを保険会社に転嫁するための必要経費として、保険料を捉え直す必要があります。

加入義務はないが放置は危険な理由

自動車には強制加入の自賠責保険がありますが、火災保険への加入は法律上の義務ではありません。したがって、無保険のまま放置しても直ちに警察に捕まるわけでも、罰金を科されるわけでもありません。

しかし、加入義務がないということは、裏を返せば「何かあった時の全責任を、国や制度に頼らず個人で負う覚悟がある」という宣言に等しい行為です。ひとたび事故が起きれば、被害者への賠償、燃え残った残存物の撤去費用(数百万円)、近隣へのお詫びや迷惑料など、莫大な出費が一気に押し寄せます。

さらに、放置することで行政から「特定空き家」に指定されると、税金が跳ね上がるリスクもあります。この点については、以下の記事で詳しく解説しています。
【緊急警告】空き家放置リスクで税金6倍!?今すぐ始める具体的な対策

コンサルタント @KAZU

私が以前相談を受けたケースでは、無保険の空き家が台風被害に遭い、飛散したトタン屋根が隣家の窓ガラスと外壁を破壊してしまいました。修理費用としての請求額は約150万円。保険に入っていれば0円で済んだ話ですが、その方は老後の資金を取り崩して支払うことになりました。もしこれが対人事故だったら…と考えると、本当にゾッとしますよね。保険料が高いと感じるなら、せめて「他人に迷惑をかけた時の保険」だけは確保すべきです。

空き家の火災保険はいらないと考える人の対策

空き家の火災保険はいらないと考える人の対策

リスクの大きさは理解できたとしても、「それでもやっぱり高い保険料は払えない」「そもそも保険会社に加入を断られてしまった」という切実な事情を抱える方も多いでしょう。ここでは、コストを極限まで抑えつつ、致命的なリスクだけは回避するための現実的な対策と裏技を紹介します。

保険料が高い一般物件の相場と実態

まず前提として、人が住んでいない空き家は、保険会社から見ると「住宅物件」ではなく、店舗や工場、事務所などと同じ「一般物件」に分類されることが大半です。

区分対象保険料の傾向加入のしやすさ
住宅物件人が居住している建物安い容易(ネット保険可)
一般物件空き家、店舗、事務所高い(約1.5〜2倍)困難(審査が厳しい)

一般物件になると、住宅物件に比べて保険料が割高になります。さらに、保険料が安いことで人気の「ダイレクト型保険(ネット保険)」の多くは、住宅物件のみを対象としており、空き家の引き受けを拒否しています。

「ネットで見積もりを取ろうとしたら断られた」という経験がある方は、これが原因です。しかし、諦めるのはまだ早いです。大手損保などの「代理店型」の保険会社であれば、建物の状態や管理状況を説明することで、引き受けてくれるケースが多々あります。

空き家に対応した保険の選び方や、安いプランを探す具体的な方法については、こちらの記事も参考にしてください。
空き家火災保険のおすすめは?安いプランと選び方を専門家が解説

保険に入れない場合の施設賠償責任保険

保険に入れない場合の施設賠償責任保険

「建物が古すぎて火災保険に入れないと言われた」「火災保険料が高すぎて払えない」という場合に、私が最も強くおすすめする代替案が「施設賠償責任保険」の単独加入、またはそれに準ずる共済への加入です。

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施設賠償責任保険の最大のメリット

  • 補償の対象:建物が燃えたこと自体の損害は補償されませんが、「建物の不備で他人に怪我をさせた」「他人の物を壊した」場合の賠償金をカバーします。
  • コスト:通常の火災保険に比べて、保険料が格段に安く済みます(条件によりますが、月額数百円程度の場合も)。
  • 加入経路:一部の保険会社で特約としてではなく単体で加入できるほか、商工会議所の共済制度や、空き家管理サービスの付帯補償として用意されていることがあります。

これは、「自分の家の建物価値は諦める(燃えても仕方ないとする)が、他人への賠償責任という『人生破綻リスク』だけは防衛する」という、空き家所有者にとって非常に合理的かつコストパフォーマンスの高い選択肢です。

不要な補償を外して保険料を安くするコツ

もし一般物件として火災保険に加入できる場合でも、フルサポートのプランに入る必要はありません。補償内容をカスタマイズ(スリム化)することで、保険料を大幅に節約しましょう。

積極的に外すべき補償

  • 家財補償:空き家に高価な家具や家電が残っていなければ、家財保険は全くの無駄です。「建物のみ」の契約にしましょう。
  • 水災補償:ハザードマップを必ず確認してください。高台にある家や、近くに川がない地域であれば、水災補償を外すことで保険料が数割安くなることがあります。

絶対に外してはいけない補償

  • 風災補償:台風で瓦や外壁が飛ぶリスクは空き家の最大のリスクの一つです。これを外すと本末転倒です。
  • 賠償責任特約(施設賠償):前述の通り、これが最も重要です。必ず付帯させてください。

シルバー人材センター等による管理の活用

シルバー人材センター等による管理の活用

保険料を抑える工夫だけでなく、そもそも事故が起きないようにする、あるいは事故が起きても「管理はしていた」と主張できるようにする努力も必要です。遠方に住んでいて自分で管理できない場合は、シルバー人材センターなどの公共的なサービスを活用しましょう。

民間企業の空き家管理サービスは手厚い反面、月額1万円前後かかることもありますが、シルバー人材センターは比較的安価です。

サービス提供元主な作業内容費用の目安(年間)
シルバー人材センター見回り、写真報告、簡易除草約3万円〜5万円
民間管理会社詳細レポート、通風換気、看板設置、緊急時対応約6万円〜12万円

より手厚い管理や、将来的な活用・売却まで視野に入れている場合は、民間の管理サービスを一括比較できるサイトを活用するのも手です。
専門家による「タウンライフ空き家解決」の徹底解説:利用者の声とサービスの全体像

年に数回でも第三者による管理が入っているという記録(報告書)があれば、万が一放火や倒壊事故が起きた際に、裁判で「所有者としてやるべき管理は行っていた(=重過失ではない)」と主張するための強力な証拠になります。これは保険と同じくらい重要な「法的防衛策」です。

空き家リスクについてよくあるご質問FAQ

空き家でも地震保険には入れますか?

原則として、居住実態のない「一般物件」扱いの空き家は地震保険に入れません。
政府が支援する地震保険制度は、あくまで「被災者の生活再建」を目的としているため、「居住用建物」が対象だからです。一部の保険会社では独自の地震危険補償特約を用意している場合もありますが、保険料はかなり高額になる傾向があります。

「特定空き家」に指定されるとどうなりますか?

固定資産税の「住宅用地の特例」が解除され、税金が最大6倍に跳ね上がります。
自治体から「倒壊の危険がある」「衛生上有害である」などと勧告を受けると指定されます。さらに改善命令に従わず放置すると、50万円以下の過料や、行政代執行(強制解体)の対象となり、解体費用は所有者に請求されます。

火災保険の契約途中で人が住まなくなり、空き家になった場合は?

速やかに保険会社へ連絡し、「通知」をする必要があります。
「黙っていればバレない」は通りません。居住実態が変わったことを隠したまま事故が起きると、「通知義務違反」となり、保険金が一切支払われない可能性があります。用途変更の手続き(住宅物件→一般物件への変更など)を必ず行ってください。

解体や売却でリスクを根本から断つ

解体や売却でリスクを根本から断つ

ここまで保険や管理の話をしてきましたが、これらはあくまでリスクを「軽減」するための対処療法(痛み止め)に過ぎません。建物がある限り、老朽化は確実に進行し、リスクは年々増大し続けます。

「いつか誰かが住むかもしれない」という漠然とした期待で維持し続けることは、資産を食いつぶすだけでなく、将来の世代に負債を残すことになりかねません。毎年の保険料や固定資産税、草むしりの手間を考えれば、早期に「売却」するか、建物を「解体」して更地にするのが根本的な解決策(治療)です。

最近では、古家付きのままで買い取ってくれる業者や、荷物が残っていてもそのまま買い取る「訳あり物件」専門の不動産業者も増えています。維持管理のコストとリスクが限界に達する前に、具体的な出口戦略を模索することを強くお勧めします。

売却や解体についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

空き家売却の全手順を専門家が解説!法改正と税金対策

空き家解体費用の相場と補助金ガイド|固定資産税6倍を防ぐ3つの対策

空き家の火災保険はいらないという判断の前に

ここまで、「空き家 火災保険 いらない」という検索キーワードの裏にあるリスクと対策について解説してきました。

結論として、空き家に高額な建物補償(火災で家を建て直すための保険)は不要かもしれませんが、「賠償責任」に対する備え(他人に償うための保険)は絶対に必要です。無保険の状態は、あなた自身の人生と家族の未来を賭けた、あまりにも危険なギャンブルでしかありません。

コンサルタント @KAZU

【専門家カズの最後のアドバイス】
「今はまだ決められない」「親の思い出が詰まっていて決断できない」という方も多いと思います。ですが、台風や放火犯は待ってくれません。まずは「施設賠償責任保険」だけでも調べてみてください。月々数百円〜千円程度の負担で、数億円のリスクから解放されるなら安いものです。ご自身の安心のために、今日からできる小さな一歩を踏み出しましょう。

【今日からできるアクションプラン】

  • 現在の保険証券を確認する:契約内容が「住宅物件」のままになっていないか、賠償責任特約がついているかチェックしましょう。
  • ハザードマップを見る:実家が水害や土砂災害の警戒区域に入っていないか確認し、リスクを正しく把握してください。
  • シルバー人材センターに電話する:実家のある自治体のセンターに、見回りや除草の料金を問い合わせてみましょう。意外と安くて驚きますよ!

悩み続けるより、まずは一本の電話から!あなたの肩の荷が下りることを応援しています。

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で15年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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