老後一人暮らし生活費持ち家の必要額と準備資金3000万円の目安

老後一人暮らし生活費持ち家の現状と平均額
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老後一人暮らし生活費持ち家を考えたとき、毎月どれくらいのお金が必要か不安になっていませんか。

老後一人暮らし生活費持ち家の現実は、平均や内訳を知るだけでは足りず、貯金や資金準備のシミュレーションが欠かせません。

特に、シニア女性や70代の方、賃貸や持ち家なしの生活を選ぶ人にとって、毎月の生活費や支出の違いは老後の安心感を大きく左右します。

この記事では、老後一人暮らし生活費の平均や内訳、貯金の目安、持ち家と賃貸の違いまで具体的なシミュレーションで解説し、ゆとりある老後生活を実現するための考え方をわかりやすくお伝えします。

この記事のポイント
  • 老後一人暮らし生活費持ち家の平均額や支出の目安を理解できる
  • 持ち家と賃貸での毎月の生活費や資金差を把握できる
  • シニア女性や70代での生活費や貯金の現実を知れる
  • 老後の生活費シミュレーションや節約・準備方法を学べる
目次

老後一人暮らし生活費持ち家の現状と平均額

老後 一人暮らし 生活費 平均

老後に一人暮らしをしている方が、毎月どれくらいの生活費を必要としているのかを知ることは、資金計画を立てるうえでとても重要です。

総務省統計局の「家計調査報告」によると、65歳以上の単身無職世帯の毎月の支出は平均約15万円前後となっています

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

しかし、この数字には注意点があります。あくまで平均的な世帯の支出であり、生活スタイルや地域差によってかなり差が出るということです。

例えば、都市部で暮らす70歳の女性Dさんは、外食や趣味に積極的にお金を使っていて、毎月の支出は20万円を超えていました。年金収入は13万円程度なので、貯金を取り崩す生活が続いてしまい、5年で500万円以上を取り崩す事態になったそうです。

一方で、地方で持ち家に住んでいる男性Eさんは、自炊中心で月の支出を10万円以下に抑えています。医療費や車の維持費はかかりますが、固定資産税や光熱費を含めても、年金収入でほぼ赤字にならない生活を送れています。

支出の差を分かりやすくすると、以下のようになります。

タイプ毎月の生活費(円)年間生活費(円)
都市部で趣味・外食を重視200,0002,400,000
平均的な一人暮らし150,0001,800,000
地方で節約を意識した生活100,0001,200,000

このように、毎月の支出は生活スタイルで2倍近くの差が生まれます。

私がコンサルタントとして関わった方の中には、予想以上の支出で貯金を急激に減らしたケースが少なくありません。

例えば、70歳の女性クライアントは年金収入が13万円ありましたが、都内で趣味や友人との外食に月5万円以上かけており、毎月の支出が20万円を超えていました。結果として、5年で500万円以上の老後資金を取り崩してしまい、不安で夜眠れなくなったと相談を受けました。


一緒に支出を見直し、固定費の削減や趣味費の抑制策を取り入れた結果、月の支出を15万円台に抑えられ、3年で年間60万円の黒字に転じる生活に改善できたのです。

このように、**「平均値をただ鵜呑みにせず、自分の暮らし方に合わせた計画を立てる」**ことが、老後の生活を安定させる第一歩となります。

おそらく、多くの方は平均値を参考にしつつも、実際の生活に合わせた具体的な資金計画や準備が必要と感じるのではないでしょうか。

ここからは、さらに具体的に生活費の内訳を見ていきましょう。


老後 一人暮らし 生活費 内訳

老後 一人暮らし 生活費 内訳

老後の一人暮らしで必要となる生活費の内訳を把握することで、無駄な支出を抑えたり、どの部分で資金が不足するのかを具体的に見えてきます。

総務省統計局の家計調査によると、65歳以上の単身世帯では毎月の平均支出約15万円の内訳は次のようになっています

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

項目毎月の平均支出(円)割合
食費38,00025%
光熱・水道費15,00010%
交通・通信費14,0009%
医療費8,0005%
教養娯楽費15,00010%
その他(交際費など)30,00020%
住居維持費(持ち家)12,0008%
合計132,000100%

一見すると、赤字は少ないように見えますが、実際には突発的な出費が大きな負担になります。

例えば、Fさん(70代男性・持ち家)は、年末に給湯器が壊れてしまい急遽30万円の修理費が発生しました。貯金で対応できたものの、翌年は介護保険料や固定資産税の支払いも重なり、生活費を切り詰めざるを得なくなったそうです。

また、支出のバランスを見直すことで、無理なく生活費を抑えられるケースもあります。

  • 交際費や外食費を月5,000円減らす
  • 光熱費を年間2万円節約する(電気会社の見直しや省エネ家電の活用)
  • 不要な保険やサービスの契約を見直す

これらを実行するだけで、年間10万円以上の節約が可能です。

さらに、リバースモーゲージや自宅の一部貸し出しといった資金調達法を組み合わせることで、毎月の赤字を補填しやすくなります。

このように、老後の生活費は単純に平均値を当てはめるのではなく、支出の内訳を理解し、準備や工夫を活用して計画を立てることが大切です。

そして次は、持ち家以外のケースや賃貸生活の比較についても詳しく触れていきます。

シニア女性 一人暮らし 生活費

シニア女性が老後を一人で過ごす場合、毎月の生活費をどう計画するかは、資金面での不安を減らす大切なポイントです。

例えば、Mさん(68歳・持ち家あり)は、年金月13万円を受給しながらも、美容院代や趣味の教室代が月2万円ほどかかり、毎月の支出は平均18万円前後。その結果、年金だけでは賄えず、毎年40万円ほど貯金を取り崩す生活になっていました。

一方で、近所のNさん(70歳・持ち家あり)は、食費を自炊で抑えつつ交際費も月5,000円程度に絞り、毎月12万円以下で生活できています。無理なく節約しつつも、趣味をオンライン講座に切り替えることで、年間で約60万円の節約に成功しました。

このように、シニア女性の一人暮らしでは生活スタイルによって支出に大きな差が生まれます。下記の表に、典型的な支出パターンをまとめました。

タイプ毎月の生活費(円)年間生活費(円)
趣味・交際費を優先する生活180,0002,160,000
平均的なシニア女性の支出150,0001,800,000
節約志向で過ごす生活120,0001,440,000

支出の管理や準備をきちんと行うことで、生活の安心感が大きく変わるのがポイントです。

例えば、光熱費を抑えるための省エネ家電の活用や、固定資産税を軽減するための減免制度の情報を活かすだけで、年間5万円以上の削減も可能です。

そして、次は70代女性の具体的な生活費や支出傾向をさらに詳しく見ていきましょう。


70代 女性 一人暮らし 生活費

70代 女性 一人暮らし 生活費

70代の女性が一人で生活を送る場合、毎月の生活費は年齢とともに変化しやすい点を意識することが大切です。

総務省統計局の統計データによると、70代女性の単身世帯では平均して毎月14万~16万円程度の支出が見られます。

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

ただし、医療費の割合が増えたり、交際費が減る一方で介護サービスや交通費が増加するなど、支出の内訳は60代とは違ってきます。

Oさん(73歳・賃貸住まい)は、健康維持のための通院とリハビリで毎月2万円近くかかるうえ、家賃として月6万円支払っているため、生活費は毎月22万円超。年金収入が月14万円なので、毎月の赤字が8万円近く発生し、貯金を取り崩す生活を続けています。

一方で、Pさん(75歳・持ち家あり)は、車を手放して公共交通機関を活用し、交際費や趣味の費用も抑えることで、毎月11万円程度でやりくりしています。医療費も月5,000円程度に収まっており、年金収入内で生活を維持できているそうです。

下記の比較表を参考に、支出バランスを見直すことができます。

項目賃貸住まい(Oさん)持ち家あり(Pさん)
家賃・住居維持費60,00012,000
食費35,00030,000
医療・介護関連費20,0005,000
光熱・通信費18,00015,000
交際・趣味費25,00010,000
毎月合計支出220,000110,000

このように、賃貸か持ち家か、健康状態や生活スタイルで必要な生活費が倍近く変わることがあります。

また、介護や医療に関する公的補助制度の活用や、リバースモーゲージでの資金確保など、老後の備えや準備を工夫することで、赤字を防げるメリットも大きくなります。

次は、持ち家か賃貸かで老後の資金計画をどう立てるべきかを詳しく解説していきます。

70歳 一人暮らし 生活費

70歳で一人暮らしをしている方の生活費は、健康状態や住居環境、ライフスタイルで大きく変動します。

総務省統計局のデータによると、70歳前後の単身無職世帯の平均的な毎月の支出は約14万~16万円です

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

ただし、持ち家があるか賃貸かで必要な資金は大きく異なります。
例えば、Kさん(70歳・持ち家あり)は固定資産税と光熱費を合わせても月1.5万円程度で済んでおり、毎月の生活費は約13万円で安定しています。
一方で、Lさん(71歳・賃貸住まい)は家賃6万円を払っているため、毎月の支出は約20万円に達し、年金収入だけでは生活が厳しく、毎年50万円以上を貯金から取り崩しています。

下記の比較表を見ると、その差がわかりやすいです。

項目持ち家あり(Kさん)賃貸住まい(Lさん)
住居関連費15,00060,000
食費35,00040,000
医療・介護関連費10,00015,000
光熱・通信費18,00020,000
交際・趣味費25,00030,000
毎月合計支出130,000200,000

Kさんは、固定費が抑えられていることで趣味や交際に回す余裕が生まれています。
一方で、Lさんは家賃負担が大きく、交際費や趣味費を我慢しなければならない状況になっています。

老後の生活費を安定させるためには、家計の支出を細かく把握し、光熱費や医療費の補助制度の活用などで支出を抑えることがポイントです。
これにより、70代以降の生活に必要な資金を効率よく準備できます。

そして、この基礎的な支出を理解した上で、さらに「ゆとりのある老後生活」を実現するための費用も考えておく必要があります。


ゆとりのある老後 生活費 一人暮らし

ゆとりのある老後 生活費 一人暮らし

「老後はできるだけゆとりを持った生活を送りたい」と考える方は多いです。
しかし、平均的な生活費とゆとりある生活費の差を知らないと、資金計画がずれてしまいがちです。

一般的に、単身高齢者が「ゆとりある生活」を送るために必要な金額は、毎月22万~25万円程度といわれています
これは国内旅行や外食、趣味や文化活動などを定期的に楽しむ支出を含んだ額です。

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

例えば、Mさん(72歳・持ち家あり)は、年金15万円に加えて個人年金や預貯金の取り崩しで月10万円を補い、毎月25万円のゆとりある生活を実現しています。
毎月の旅行や習い事に資金を充てつつ、貯蓄は年間で30万円ほど減るペースに抑えているため、今後20年の生活も見通しが立っています。

一方で、持ち家なしのNさん(70歳・賃貸住まい)は、家賃8万円を払いながら同じ水準の生活を目指したところ、毎月30万円近い支出となり、老後資金の減りが早すぎて不安になったそうです。
その結果、習い事をオンライン講座に切り替えたり、月1回の旅行を年数回に減らして、毎月22万円以内での生活に見直しました。

下記の表で、平均的な老後生活とゆとりある生活の違いを比較してみましょう。

項目平均的な生活費ゆとりある生活費
毎月の生活費合計150,000230,000
旅行・趣味・交際費20,00070,000
食費(外食含む)35,00050,000
年間必要な生活費合計1,800,0002,760,000

この差を埋めるためには、貯蓄や年金以外の収入源の確保、あるいは節約術の活用が重要になります。
また、リバースモーゲージやシニア向けローンを上手に使うことで、資金の不安を減らすメリットもあります。

こうして具体的に支出の規模を把握したうえで、次は持ち家か賃貸かでの老後生活費の違いをさらに詳しく見ていきましょう。

老後一人暮らし生活費持ち家の準備と対策

老後一人暮らし生活費持ち家の準備と対策

老後 一人暮らし 生活費 シュミレーション

老後の生活を具体的に考えるときに、毎月どれくらいの生活費が必要になるのかをシミュレーションしておくことが大切です。

総務省統計局のデータによると、単身無職世帯の平均的な毎月の生活費は約14万〜16万円程度ですが、趣味や交際費、医療費が増えると20万円以上になるケースもあります

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

例えば、65歳から90歳までの25年間を一人暮らしで過ごす場合を考えてみます。
持ち家か賃貸かでも資金の準備額が変わりますので、まずはシンプルな例を表にまとめてみました。

生活スタイル毎月生活費(平均)年間生活費25年間の総額
持ち家あり(趣味控えめ)150,000円1,800,000円45,000,000円
持ち家あり(趣味・旅行あり)200,000円2,400,000円60,000,000円
賃貸(趣味控えめ)200,000円2,400,000円60,000,000円
賃貸(趣味・旅行あり)250,000円3,000,000円75,000,000円

実際に、Oさん(68歳・賃貸住まい)は、老後に備えて「年間240万円の生活費で大丈夫」と思っていたものの、医療費と趣味の支出で年間300万円近くかかってしまい、10年で貯蓄が底をつきそうになったと話しています。
その後、光熱費の節約や公共のシニア向けサービスの活用で年間50万円の支出削減に成功し、今では安定した生活を続けています。

このように、老後の資金準備では平均的な支出だけでなく、自分のライフスタイルを反映した現実的なシミュレーションを行うことが重要です。
特に旅行や趣味を楽しみたい方は、年金以外の収入や投資の活用もあわせて検討する必要があるでしょう。

そして、このシミュレーションの結果をもとに、次は「持ち家がある場合」にどの程度の生活資金が必要かを詳しく見ていきましょう。


持ち家があれば老後はいくら必要か

持ち家があるかどうかで、老後に必要な資金は大きく変わります。
住宅ローンを完済していれば、賃貸と比べて毎月5万〜8万円程度の支出が抑えられるため、生活費に余裕が生まれるのが最大のメリットです。

総務省統計局のデータをもとにした持ち家世帯のシミュレーションでは、毎月の生活費は平均13万〜16万円程度に収まるケースが多いとされています

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

実際の支出の内訳を、持ち家ありと賃貸で比較してみましょう。

項目持ち家世帯(固定資産税等)賃貸世帯(家賃含む)
住居関連費20,000円70,000円
食費35,000円40,000円
医療・介護費15,000円20,000円
光熱・通信費18,000円20,000円
趣味・交際費25,000円30,000円
毎月の合計支出130,000円180,000円

Pさん(70歳・持ち家あり)は、年間200万円程度の生活費で趣味のサークルや近場の旅行も楽しめています。
しかし、固定資産税や外壁修繕などの費用がかかる年があり、そのたびに貯金を切り崩す必要があるのが悩みとのことです。

一方で、Qさん(72歳・持ち家なし)は、毎月の家賃負担が大きく、年間300万円を超える支出となり、老後の貯蓄減少に不安を抱えています。
結果として、Qさんは地方への住み替えやリバースモーゲージの活用を検討し、支出を圧縮しながら資金を守る方法を模索しています。

持ち家がある場合でも、固定資産税や修繕費を見込んだ資金計画を立てておかないと、思わぬ支出で生活が圧迫される可能性があります。
また、資産を有効に活用するために、不要なスペースを貸すシェアハウス化や、自宅を担保にしたローンを検討するのも一つの選択肢です。

こうした持ち家のメリットと注意点を理解したうえで、次は賃貸と比較した場合の長期的な老後資金の違いを検討していくことが必要になります。

持ち家のある70代の平均貯蓄額

持ち家のある70代の平均貯蓄額

70代で持ち家を所有している人は、賃貸世帯に比べて住居費の毎月の支出が少ない分、貯蓄を維持しやすいというメリットがあります。

総務省統計局の「家計調査報告」によると、持ち家世帯の平均貯蓄額はおおよそ2,000万円前後とされています
一方で、同年代の賃貸世帯の平均は約1,000万円前後とされ、住居費の差がそのまま資金の余裕につながっていることがわかります。

以下の表で、持ち家と賃貸での平均的な資産状況を比較してみましょう。

世帯のタイプ平均貯蓄額毎月の住居関連費老後の資金余裕度
持ち家あり(ローン完済)2,000万円前後約20,000円(固定資産税等)比較的余裕がある
持ち家あり(ローン残債)1,200〜1,500万円約50,000〜80,000円支出が増え、資金減少のリスク
賃貸1,000万円前後約70,000円(家賃)貯蓄を取り崩す生活になりやすい

例えば、Kさん(71歳・ローン完済済みの持ち家あり)は、毎月の住居費が固定資産税と光熱費のみで月2万円台のため、年金と過去の貯金だけで年間200万円以内に生活を収められているといいます。
一方で、Lさん(74歳・賃貸暮らし)は、家賃負担が月7万円以上で年間300万円近い支出となり、10年で老後資金の大半を取り崩してしまい、現在は生活保護申請を検討しているそうです。

このように、持ち家を持つ70代は資金の余裕ができやすいものの、固定資産税や修繕費、医療費など突発的な支出を見込んだ準備が欠かせません。
ここから、実際に老後を一人で暮らすときの貯金の適正額や、備えるべき生活費の目安について見ていきましょう。


老後 一人暮らし 貯金

老後に一人暮らしをする場合、どのくらいの貯金が必要かという不安を抱える方は少なくありません。
特に年金だけでは足りない支出をどれだけカバーできるかが大きな課題です。

総務省統計局のデータをもとにすると、単身無職世帯の平均的な毎月の生活費は約14万〜16万円です

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
年金の平均支給額は月約12万円程度ですから、不足分を補うための貯蓄が重要となります。

以下に、生活スタイル別で必要な貯金の目安をまとめました。

ライフスタイル年金月額(平均)毎月の生活費不足分(年額)65〜90歳までの必要貯金総額
節約型(趣味少なめ・持ち家)120,000円150,000円360,000円約9,000,000円
標準型(趣味あり・持ち家)120,000円200,000円960,000円約24,000,000円
ゆとり型(旅行・趣味充実)120,000円250,000円1,560,000円約39,000,000円

実際に、Mさん(69歳・持ち家あり)は、老後資金として2,500万円を準備していたものの、趣味の海外旅行や医療費で年間400万円近い支出となり、10年で半分以上の資金を消費しました。
その後、シニア割引サービスや公共施設の活用、趣味を地域サークルに切り替えるなど工夫をすることで支出を抑え、今では年間250万円以内の生活を続けられています。

一方で、Nさん(70歳・賃貸暮らし)は、貯蓄1,000万円で老後に突入しましたが、毎月の家賃と医療費で年間350万円超の支出となり、5年で貯蓄が底をつきました。
最終的には、家賃の安い地方に住み替え、年金内で生活できるよう調整したことで、ようやく安定した生活を取り戻せたそうです。

このように、老後の一人暮らしには、生活費だけでなく突発的な支出も含めた長期的な資金準備が不可欠です。
次は、賃貸と持ち家の違いによる生活費のシミュレーションを踏まえ、さらに具体的な老後資金の考え方を整理していきましょう。

老後 一人暮らし 生活費 持ち家なし

老後 一人暮らし 生活費 持ち家なし

持ち家がない状態で老後を迎えると、毎月の生活費の中で住居費が大きな支出を占めることが特徴です。
総務省統計局の「家計調査報告」によると、単身無職世帯の生活費の平均は約14万〜16万円ですが、そのうち家賃が占める割合は大きく、地方でも月5万円前後、都市部では月8万円以上になるケースもあります

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

以下に、持ち家の有無による毎月の支出の違いを整理しました。

住居形態毎月の生活費(平均)家賃・住居費年間生活費の目安
持ち家(ローンなし)約150,000円約20,000円(税・維持費)約1,800,000円
賃貸(都市部)約210,000円約80,000円約2,520,000円
賃貸(地方)約180,000円約50,000円約2,160,000円

例えば、Oさん(72歳・都市部のワンルーム賃貸)は、年金が月12万円である一方、家賃が8万円で生活費の大半を圧迫しています。
最初は貯蓄で不足分を補っていましたが、10年で約1,200万円あった老後資金を使い切ってしまい、現在は家賃の安い郊外へ引っ越しを検討しています。

一方で、賃貸でも支出を抑えられた成功例もあります。
Pさん(75歳・地方の賃貸アパート)は、シェアハウスの活用や生活支援サービスを組み合わせることで、家賃を3万円まで抑えつつ、毎月の生活費を14万円以内に収めているそうです。
このように、持ち家がない場合でも生活コストを減らす工夫を活用することが重要になります。

こうした現実を踏まえると、賃貸で老後を送る場合の具体的な資金計画を把握することが必要になってきますので、次にその点を詳しく見ていきます。


老後 生活費 一人暮らし 賃貸

賃貸での老後の一人暮らしは、毎月の生活費の固定支出が高くなるリスクがあるため、事前の準備が重要です。
特に、年金収入だけで家賃や医療費をまかなうのが難しい場合、老後資金の取り崩し計画や家賃の見直しが避けられません。

一般的に、賃貸で暮らす単身高齢者の平均的な毎月の生活費は18万〜21万円程度です

参考情報サイト: 総務省統計局「家計調査報告」

URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html


都市部と地方での費用差を比較すると、次のようになります。

居住エリア毎月の生活費家賃の平均老後資金の必要目安(20年)
都市部(東京・大阪)約210,000円約80,000円約50,000,000円以上
地方(中規模都市)約180,000円約50,000円約43,000,000円以上

例えば、Qさん(70歳・都心賃貸マンション)は、毎月の生活費が21万円かかり、年金12万円との差額9万円を貯蓄で補う生活をしていました。
その結果、老後資金3,000万円がわずか12年で底をつき、急遽地方への移住を余儀なくされたと話しています。

一方で、Rさん(68歳・地方の賃貸アパート)は、公共住宅や家賃補助制度を活用することで、家賃を月3万円まで抑え、年金の範囲内で生活を維持できているそうです。
こうした事例から、賃貸生活を選ぶなら、住宅補助や自治体の支援制度の活用、家賃の低い地域への住み替えといった準備がメリットを生むといえます。

ここまでで見たように、老後を賃貸で暮らす場合は、資金計画の工夫が必須となりますので、次はそのシミュレーション方法や将来の備え方について触れていきます。

老後一人暮らし生活費持ち家の重要ポイントまとめ

老後一人暮らし生活費持ち家の重要ポイントまとめ
  • 65歳以上単身無職世帯の毎月の平均支出は約15万円前後
  • 都市部と地方で生活費は2倍近い差がある
  • 持ち家世帯は毎月の住居費が約2万円程度で済むケースが多い
  • 賃貸世帯は都市部で家賃が月8万円以上かかる場合が多い
  • 趣味や外食で毎月の生活費が20万円を超える事例もある
  • 医療費や介護費の増加で支出が膨らみやすい
  • 給湯器修理や外壁補修など突発費用が貯蓄を圧迫する
  • シニア女性は美容や交際費で支出が増えやすい
  • 70代女性の平均生活費は毎月14万〜16万円程度
  • 70歳時点で賃貸の場合、毎月20万円前後必要になることもある
  • ゆとりある老後を過ごすには毎月22万〜25万円が目安
  • 光熱費節約や公共サービス活用で年間50万円の削減が可能
  • 持ち家世帯の平均貯蓄額は約2,000万円で賃貸の約2倍
  • リバースモーゲージや住み替えで資金不足を補える
  • 長期的な資金準備と支出管理が老後生活の安定につながる
コンサルタント @KAZU

老後の一人暮らしは、持ち家なら固定費を抑えやすく、賃貸なら家賃負担が大きい分工夫が必要です。修繕費や補助制度を見据え、支出を整理し、5年先を考えた計画を立てることが安定した生活の鍵です。

老後一人暮らし生活費持ち家の現状と平均額

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この記事を書いた人

終活・相続・不動産の専門家カズ(相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP)

終活・相続、不動産、保険、終活まで、幅広い知識でお客様の悩みをワンストップで解決する専門家。難しい制度の話を分かりやすく解説します。

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