
相続不動産の売却は、いきなり片付けや不動産会社選びから始めず、「相続人と名義の確認→現状のまま査定→遺産分割と相続登記→売却」の順で進めるのが基本です。
相続登記の期限、家族の合意、売却後の手取りを先に整理すると、手続きが途中で止まったり、税制上の特例を逃したりするリスクを減らせます。まだ売ると決めていなくても、名義・相場・維持費の確認までは進めて構いません。
- 売却前に相続人・名義・遺言書の有無を確認する
- 片付け・修繕・解体の前に現状のまま査定する
- 査定額だけでなく成約予想価格と概算手取りを比べる
- 相続登記と税制特例の期限を売却前に確認する
相続不動産売却は名義・家族・期限の確認から始める

相続した家は、被相続人名義のままでは通常の売却手続きを完了できません。まず、誰が相続人で、誰が不動産を取得するのかを整理します。
売却までの基本的な流れは6段階
- 遺言書、相続人、登記事項証明書を確認する
- 不動産、預貯金、借入れなど相続財産を把握する
- 家を現状のまま査定し、相場と売却条件を確認する
- 遺産分割協議で取得者や売却代金の分け方を決める
- 相続登記を行い、不動産会社と売却を進める
- 引渡し後、必要に応じて譲渡所得の確定申告を行う
遺産分割協議の前でも、家族会議用の概算相場を知るための机上査定は依頼できます。ただし、訪問査定後の媒介契約や正式な売却手続きは、取得者を決め、相続登記を済ませてから進めるのが基本です。
相続登記は原則3年以内、過去の相続にも期限がある
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことと所有権を取得したことを知った日から原則3年以内の申請が必要です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。制度の原則は法務省の相続登記の申請義務化でも確認できます。
2024年4月1日より前に発生した相続も対象で、以前から取得を知っていた場合は原則2027年3月31日が期限です。遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記によって当面の申請義務を履行できることがあります。
ただし、相続人申告登記は所有権を移転する登記ではないため、それだけでは不動産を売却できません。遺産分割が成立した場合は、成立日から3年以内に、その内容を反映した相続登記を申請する必要があります。
共有名義にする前に売却方法と代金の分け方を決める
複数の相続人で共有登記をすると、不動産全体の売却には原則として共有者全員の合意が必要です。公平に見えても、売却時期、価格、修繕費の負担で意見が分かれることがあります。
家族会議で先に決めたいこと
- 誰の名義で売却するのか
- 最低売却価格と価格を見直す時期
- 片付け・測量・解体などの費用負担
- 売却代金から費用を引いた後の分け方
損を防ぐには査定額より成約条件と手取りを比べる

高い査定額を出した会社が、最も高く売ってくれるとは限りません。査定の根拠、想定する売却期間、値下げ条件、売却後の手取りまで同じ条件で比較します。
片付け・修繕・解体は査定結果を比べてから決める
売却前に家をきれいにしようとして、先に高額な片付けや解体を契約する必要はありません。まずは「現状のまま売る」「必要部分だけ整える」「解体して土地で売る」の概算手取りを比べます。
不動産会社には、境界・接道・私道、残置物、雨漏りやシロアリ、測量の要否を確認し、費用を誰が負担する想定かまで査定書へ記載してもらうと比較しやすくなります。
5つの金額を分けると査定書を比較しやすい
| 金額 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 査定価格 | 売却可能性を見積もった価格 | 根拠となる成約事例 |
| 売出価格 | 広告を始める価格 | 査定価格との差の理由 |
| 成約予想価格 | 実際の成約を見込む価格 | 想定期間と値下げ条件 |
| 買取価格 | 不動産会社が直接買う価格 | 早さと価格差 |
| 概算手取り | 費用と税金を引いた残額 | 控除する費用の内訳 |
家族へ説明する資料にするなら、3社程度へ同じ条件で査定を依頼し、「高く売る想定」「標準的な期間で売る想定」「早く売る想定」を分けて確認すると判断しやすくなります。
\家族会議に使える価格の幅を確認/
売却を決める前の相場確認として利用できます。
査定で分かることと家族が決めることを分ける
査定で確認できるのは、価格の目安、売却方法、想定期間、会社ごとの提案です。一方、誰が取得するか、共有にするか、売る・残す・貸すのどれを選ぶかは、査定だけでは決まりません。
数字を集めた後は、家族の希望、管理できる人、年間負担、売却期限を並べます。査定額の高さだけでなく、家族が合意できる条件かを基準に判断してください。
税制特例は売却契約の前に適用条件を確認する
被相続人が一人で暮らしていた一定の旧耐震住宅などでは、相続空き家の3,000万円特別控除を使える場合があります。対象となる売却は2027年12月31日までで、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るなど、複数の要件があります。
売却代金が1億円以下であることや、相続後に原則として事業・賃貸・居住に使われていないことも主な要件です。他の税制特例との併用に制限があるため、契約前に適用関係を確認してください。
また、親の購入代金は相続人の取得費として引き継がれます。売買契約書、建築請負契約書、仲介手数料などの領収書、購入代金を確認できる資料は、売却前に探しておきましょう。取得費が確認できない場合は、売却代金の5%を概算取得費として計算する方法があります。
2024年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除上限は1人あたり2,000万円です。適用条件は国税庁の空き家特例の要件を確認し、必要に応じて税理士または税務署へ相談してください。
コンサルタント @KAZU空き家を放置し、管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、住宅用地特例が外れて土地の固定資産税負担が増えることがあります。売却未定でも、管理方法と確認期限は決めておきましょう。
相続不動産売却で今日から行う3つの確認
- 登記事項証明書と遺言書を確認し、相続人を整理する
- 片付けや解体の前に、同じ条件で査定を比較する
- 概算手取りと税期限を家族で共有し、次の行動を決める
査定で価格の目安が分かっても、名義、相続人、家族の意見、片付けや解体の順番までは決まりません。KAZUへの相談では、現在分かっている情報を並べ、誰に何を確認し、どの順で進めるかを整理できます。
\ 家族で決める前の状況整理に /
家族の意見がまとまっていなくても、分かる範囲から相談できます。
短く相談したい方は、LINEで相続した実家の進め方を相談できます。
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