
終活だよドットコムの運営者、終活・相続・不動産の専門家のカズです。
ご家族が亡くなられた後、「遺品整理を業者に頼みたいけれど、料金相場がいくらなのか見当もつかない…」と悩んでいませんか?遺品整理料金相場は、検索しても「3万円から」といった情報しかなく、いったい何に費用がかかるのか、最終的にいくら請求されるのか不安になりますよね。
特に、実家が一軒家の場合や、ゴミ屋敷状態になってしまっている場合、料金が跳ね上がるのではないかと心配は尽きません。
この記事では、そんな遺品整理の費用に関するあらゆる疑問にお答えします。相続・不動産の専門家である私が、間取り別の詳しい料金目安、料金が決まる仕組み、悪質な業者に騙されず費用を安く抑えるコツまで、業界の裏側も踏まえて徹底的に解説します。
この記事を読めば、ご自身の状況に合った適正な遺品整理料金相場を理解し、安心して任せられる優良な業者を見つけるための「見積もり」の取り方が具体的にわかりますよ。
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- 間取り別の具体的な料金相場と作業時間の目安
- 料金が変動する5つの大きな要因とサービス内訳
- トラブルを避けるためのオプション(特殊清掃・買取)の知識
- 悪質業者を見抜き、費用を抑える相見積もりのコツ
コンサルタント @KAZU遺品整理は、単なる「片付け」ではありません。故人の想いと、ご遺族の相続が交差する非常にデリケートな作業です。料金の安さだけで業者を選ぶと、大切な相続財産まで「不用品」として処分されてしまうリスクがあります。まずは適正な相場を知ることが、後悔しない遺品整理の第一歩ですよ。
遺品整理料金相場が決まる仕組み


遺品整理の料金相場は、なぜこんなにも幅があるのでしょうか。それは「間取り」だけでなく、「遺品の量」や「作業環境」が複雑に影響しあうからです。まずは、料金が決まる具体的な仕組みと、基本的なサービス内容を詳しく見ていきましょう。
間取り別料金一覧(1LDK・一軒家)
遺品整理の料金を考える上で、まず基本となるのが「間取り」ごとのおおよその目安です。これは、業者側が「この広さなら、標準的な暮らしでこのくらいの物量だろう」と想定して算出している概算費用になります。
ただし、これはあくまで「標準的な荷物量」を前提としたものです。例えば、故人が収集家であったり、物を大切に取っておく性格だったりした場合、同じ1LDKでも荷物が2倍、3倍になることは珍しくありません。その場合、料金も当然跳ね上がります。
複数の専門業者が公表しているデータを基に、間取り別の料金相場と、それに伴う作業人数・時間の目安を「表1」にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせながら、大まかな予算感をつかんでみてください。
| 間取り | 料金相場(円) | 作業人数目安(人) | 作業時間目安(時間) |
|---|---|---|---|
| 1R・1K | 30,000円~80,000円 | 1人~2人 | 2時間~3時間 |
| 1DK | 35,000円~150,000円 | 1人~3人 | 2時間~4時間 |
| 1LDK | 60,000円~300,000円 | 2人~4人 | 3時間~6時間 |
| 2DK | 70,000円~300,000円 | 2人~5人 | 3時間~8時間 |
| 2LDK | 90,000円~450,000円 | 3人~6人 | 4時間~10時間 |
| 3DK | 100,000円~450,000円 | 3人~6人 | 4時間~12時間 |
| 3LDK | 150,000円~700,000円 | 4人~7人 | 5時間~14時間 |
| 4LDK以上(一軒家など) | 170,000円~850,000円以上 | 4人~8人以上 | 6時間~(2日以上) |
表の注意点
この表を見てわかる通り、例えば「1LDK」でも6万円のケースと30万円のケースが存在します。この価格差は、次に解説する「荷物の量」や「作業環境」によるものです。「1LDKだから〇〇円」と固定的に考えず、あくまで初期目安として参考にしてください。「うちは荷物が標準よりかなり多いかも」と感じる場合は、1つ上の間取り(1LDKなら2LDK)の料金を想定しておくと、見積もり時のショックが和らぐかもしれません。
また、料金は物件のタイプによっても変動します。
一軒家が有利な理由(搬出効率)
一軒家の場合、3LDKや4LDK以上といった広い間取りが多いため、料金のボリュームゾーンとしては15万円~70万円程度となります。一見高額に見えますが、実は集合住宅に比べて作業効率の面で有利になるケースが多いんです。
- トラックの駐車:敷地内に作業用トラック(2tトラックなど)を直接駐車できるため、荷物の積み込みが非常にスムーズです。
- 荷物の一時保管:お庭やガレージを、仕分けした荷物や搬出待ちの荷物の一時的な置き場所として使用できます。
このように、作業動線が短く効率的なため、作業時間が短縮され、結果として人件費が抑えられる傾向にあります。
集合住宅で料金が上がる要因(階段・養生)
一方、アパートやマンションなどの集合住宅では、一軒家にはない特有の制約が料金に影響します。
- エレベーターの有無:最も大きな要因です。作業現場が3階以上でエレベーターがない場合、タンスや冷蔵庫などの大型家財を階段で下ろす「垂直距離」の作業が必須となります。これは作業員に極度の負担がかかるため、作業人数と時間が大幅に増加し、人件費が大きく上乗せされます。
- 駐車スペースからの距離:エントランスからトラックの駐車場所まで距離がある場合、台車などで荷物を運ぶ「水平距離」が長くなり、同様に作業負荷が増大します。
- 共用部の養生:エレベーター内部やエントランス、廊下など、他の住民と共用する部分を傷つけないよう保護する「養生(ようじょう)」作業が必須です。この養生シートの資材費と設置・撤去の手間が料金に加算されます。
結論として、料金差の本質は「物件タイプ」そのものではなく、「作業効率(搬出経路)」にあるのです。一軒家であっても「道が狭くトラックが横付けできない」「急な坂の上にある」といった立地条件であれば、料金は高騰する可能性があります。
ゴミ屋敷だと料金は上がる?


ご質問いただく中でも特に多いのが、この「ゴミ屋敷」状態の場合の料金です。
結論から言うと、「ゴミ屋敷」状態の場合、料金は前述の間取り別相場を大きく超え、高額になります。これは間違いありません。
なぜなら、遺品整理業者は、見積もりの際に「間取り」よりも「トラックの積載量(体積)」を最も重要な指標として見ているからです。料金の大部分は「人件費(作業時間)」と「不用品処分費用」で構成されており、この2つはどちらも物量に正比例して増加します。
物量による料金イメージの違い
- 標準的な1LDK → 荷物の総量:2tトラック1台分(約6万円~)
- ゴミ屋敷状態の1LDK → 床から天井まで荷物が堆積し、仕分けも困難 → 荷物の総量:2tトラック3台分(標準の3倍以上の料金)
このように、部屋がゴミや不用品で埋め尽くされている場合、以下のような理由で料金が跳ね上がります。
- 仕分け作業の膨大な時間:ゴミの中から貴重品や重要書類を探し出す作業は困難を極めます。通常の何倍もの「人件費」がかかります。
- 処分費用の増大:単純に処分するモノの体積(㎥)が増えるため、処分場に支払う費用がそのまま増加します。
- 作業の危険性:害虫の発生、悪臭、足元の不安定さなど、作業環境が悪化するため、特殊な装備や追加の人員が必要になる場合があります。
「ゴミ屋敷かもしれない…」と不安な場合は、見積もり時に隠さずそのままの状態を見てもらい、「なぜこの金額になるのか」を「トラック〇台分だから」という物量を基準に説明してもらうことが重要です。
料金内訳と基本サービス
業者が提示する見積書に記載される「基本料金」には、一体何が含まれているのでしょうか。この内訳を理解しておくことは、不当な追加料金を防ぐ上で非常に重要です。
一般的に、遺品整理の料金は、主に以下の5つの要素で構成されています。
料金を決定する5大要因
- 人件費(作業員の人数 × 作業時間):最も大きな割合を占めます。物量が多い、搬出経路が複雑(階段など)なほど高くなります。
- 不用品処分費用:回収した不用品を、法律に基づき適正に処分(焼却、埋立、リサイクル)するための費用です。
- 車両費用:現場で使用するトラック(軽トラ、2tトラックなど)の費用や、現場までのガソリン代、高速代などです。
- オプション費用:エアコン取り外し、特殊清掃、遺品供養など、基本サービスに含まれない追加作業の費用です。
- 諸経費:養生費用、梱包資材費、駐車料金(有料駐車場利用の場合)などです。
そして、これらの費用を元に算出される「基本料金」には、通常、以下の標準サービスが含まれています。
基本料金に含まれる標準サービス
- 遺品の仕分け:故人の遺品を「貴重品」「残すもの(形見)」「供養するもの」「処分するもの」に丁寧に分類します。
- 貴重品の捜索:相続に必要な重要書類(権利書、保険証券、通帳など)を探します。
- 梱包・搬出・運搬:分類した遺品を適切に梱包し、住居から搬出してトラックへ積み込みます。
- 不用品の処分(回収):処分すると判断された物品を、法令に則って処理します。
- 簡易清清掃:すべての遺品を搬出した後の、基本的な清掃作業です。
ここで最も重要なのは「貴重品の捜索」です。これが単なる「不用品回収」や「ゴミ屋敷清掃」との決定的な違いであり、プロの遺品整理業者に依頼する最大の価値とも言えます。
ご遺族が自分で行うと、どれが重要書類かわからなかったり、見落としてしまったりしがちです。プロは、故人が隠しがちな場所(仏壇の引き出し、本棚の奥、タンスの底、缶の中など)を熟知しています。
安価な不用品回収業者に依頼してしまうと、タンスの奥にあったはずの生命保険証券や不動産の権利書、古い預貯金通帳、印鑑登録証まで「不用品」として処分されてしまうリスクがあります。基本料金には、この専門的な「捜索」の技術料と人件費が含まれていると認識することが重要です。
簡易清掃とハウスクリーニングの違い


遺品整理のトラブル事例の中で、料金と並んで非常に多いのが、この「清掃」に関する認識のズレです。
利用者は「清掃」という言葉から、長年住んでいた家の汚れをキレイにしてくれる、いわゆる「ハウスクリーニング」まで期待しがちです。しかし、業者が基本料金に含める「簡易清掃」は、それとは全く異なります。
- 簡易清掃(基本料金内): これは、あくまで荷物をすべて運び出した後の「後片付け」レベルの作業を指します。床に落ちたホコリやゴミを「掃き掃除」したり、「掃除機がけ」をしたりするのが基本です。業者によっては、水拭きまで行う場合もありますが、期待は禁物です。
- ハウスクリーニング(オプション料金): こちらは、キッチンのコンロや換気扇にこびりついた頑固な油汚れ、浴室や洗面台の黒カビ、トイレの尿石など、日常の掃除では落ちない汚れを、専門的な技術と専用の洗剤・機材を使って徹底的に洗浄する作業です。
悪質な手口に注意!
悪質な業者は、この利用者との「期待値のズレ」を意図的に利用します。見積もり時には「清掃もやりますよ」と曖昧な返事をし、基本料金を安く見せます。そして作業当日に「簡易清掃は掃き掃除だけです。キッチンやお風呂もやるなら、ハウスクリーニング(別途5万円)が必要ですよ」と高額な追加料金を請求する手口です。
これを防ぐため、利用者は見積もり時に「簡易清掃には、水回りの水拭きやキッチンの油汚れ清掃は含まれますか?」と具体的に質問し、そのサービス範囲を「〇〇(掃き掃除のみ)」などと、見積書に必ず明記させる必要があります。
追加料金になるオプションとは
基本料金に含まれない作業は、すべて「オプション(追加)サービス」となり、別途費用が発生します。見積もり時に「これは基本料金に入っていますか?」と確認しないと、後で「あれもこれも追加です」と言われかねません。主なオプションを把握しておきましょう。
遺品供養・お焚き上げ
故人の写真、人形、ぬいぐるみ、手紙、愛用していた衣類など、ゴミとしてそのまま処分することに心情的な抵抗がある遺品を、提携する寺院や神社で供養し、焼却(お焚き上げ)するサービスです。
- 合同供養:他の利用者の遺品とまとめて供養する方法。5,000円~20,000円程度が相場ですが、業者によっては無料サービスとしている場合もあります。
- 個別供養:故人の遺品だけを個別に供養する方法。費用は20,000円以上と高額になります。
エアコンの取り外し・処分
エアコンは家電リサイクル法の対象品目であり、その処分は基本料金には含まれない「別途費用」となるのが一般的です。壁からの「取り外し工賃」と「リサイクル料金」「収集運搬費」の3つで構成されます。
- 取り外し工賃:4,000円~10,000円程度(室外機の設置場所が特殊な場合は高額に)
- リサイクル料金+収集運搬費:6,000円~10,000円程度
合計で1台あたり1万円~2万円程度を見積もっておくとよいでしょう。「無料回収」を謳う業者は、その分が他の費用に上乗せされていないか注意深く確認が必要です。
家電リサイクル法対象品(テレビ、冷蔵庫など)
エアコン以外の家電リサイクル法対象4品目(テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)も、同様に別途費用がかかります。
これらの家電は、粗大ゴミとして自治体に捨てることはできず、法律で定められたリサイクルルートで処分しなければなりません。(出典:経済産業省「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」)
料金は「リサイクル料金(品目やメーカーによるが1,000円~4,000円台)」+「収集運搬料金(業者が設定。5,000円前後)」で構成されます。
その他のサポート(リフォーム・不動産売却)
近年は、遺品整理後のサービスも多様化しています。
- リフォーム・解体:遺品整理後の空き家を清掃・リフォームして賃貸に出す、あるいは古い家屋を解体して更地にする工事。 実家の解体費用、いくらかかるか知っていますか?複数の業者を比較しないと、数十万円損することも。 まずは無料の一括見積もりで、あなたの地域の解体相場をチェックしてみましょう。実家じまいも安心! 優良な解体業者を無料で一括見積もりする
- 相続・不動産サポート:遺品整理で出てきた不動産の権利書に基づき、「不動産の名義変更(相続登記)」や「不動産売却」のサポート、関連する司法書士や税理士を紹介するサービスです。 相続した不動産、どうすればいいか分からない方へ「とりあえず査定だけ」でもOK。 実績No.1の三井のリハウスなら、売却の第一歩を安心して踏み出せます。相続した不動産の価値を知る。 三井のリハウスで無料一括査定を試す
空き家を「とりあえずそのまま」で放置しておくと、固定資産税が最大6倍になるなど思わぬペナルティが発生することもあります。空き家放置の具体的なリスクと、今すぐできる対策は【緊急警告】空き家放置リスクで税金6倍!?今すぐ始める具体的な対策で詳しく解説しています。
特殊清掃が必要なケース


「特殊清掃」は、前述の「ハウスクリーニング」とは全く異なります。これは、通常の遺品整理では対応できない、非常に深刻な状況で必要となる専門作業です。
具体的には、孤独死、自殺、事故死などにより、室内でご遺体が長期間放置され、腐敗による体液の漏出、汚損、強烈な腐敗臭、ウジやハエなどの害虫が大量発生した場合に必要となります。
これは「掃除」の領域ではなく、防護服や防毒マスクを着用した専門技術者による「バイオハード対策(汚染除去)」の領域です。オゾン脱臭機などの専門機材を使用し、臭いの元となる菌やウイルスを根こそぎ除去します。
▶ 訳あり物件専門買取特殊清掃の費用目安(汚染状況による)
- 消臭・除菌(オゾン脱臭など): 約20,000円~(範囲による)
- 害虫駆除: 約10,000円~
- 体液・汚物撤去: 約20,000円~
- 汚染された畳の除去: 1枚につき約3,000円~
- 床の切り取り・解体: 体液が床下にまで染み込んでいる場合、床材の解体・撤去が必要となり、費用は数十万円単位で増加します。
特殊清掃が必要な場合、遺品整理とセットで数十万円から、汚染が深刻な場合は100万円を超えるケースも珍しくありません。
具体的な費用の目安や、高くなりやすいケースについては、特殊清掃 費用はなぜ高い?最大90万円差が出る理由を徹底解説!で詳しくまとめています。


万が一、特殊清掃が必要になったら…
特殊清掃は、通常の遺品整理業者では対応できません。
臭いや菌を根絶する専門技術を持った業者への相談が不可欠です。



もし「特殊清掃」が必要かもしれないと感じたら、その時点で必ず「特殊清掃専門の業者」に見積もりを依頼してください。遺品整理業者が片手間でできる作業ではなく、専門技術がなければ臭いや菌は絶対に取り除けません。順番を間違えると、リフォームしても臭いが再発するなど、かえって費用が嵩むことになるため注意が必要です。
遺品整理料金相場と業者選び


料金の仕組みがわかったところで、次は「どうすれば費用を抑えられるか」「どうやって信頼できる業者を選べばいいか」という、遺品整理を成功させるための最も実践的で重要なお話に進みます。ここを間違えると、費用面でも精神面でも大きく後悔することになりかねません。
料金で失敗しないために。まずは「適正価格」を知ることから
複数の業者を比較することで、不当な高額請求を避けられます。
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自分でやると安くなる?
「業者に頼むと高いから、時間と体力をかけてでも、全部自分でやろう」と考える方もいらっしゃいます。もちろん、ご自身で全てを行えば、業者に支払う費用はゼロになり、金銭的なコストは最小限に抑えられます。
しかし、この「全部DIY型」には大きな落とし穴があります。
- 精神的な負担:故人の思い出の品一つひとつと向き合う作業は、想像以上に精神的な負担が大きく、「どれも捨てられない」と作業が全く進まないケースが多々あります。
- 時間的な制約:特に賃貸物件の場合、「退去日」というタイムリミットがあります。仕事や家事と並行しての作業では間に合わず、結局業者に高額な「即日対応」を依頼する羽目になることも。
- 物理的な限界:タンス、冷蔵庫、ベッドなどの大型家具や家電をご自身でアパートの階段から下ろし、自治体のルール(粗大ゴミの申し込み、運搬など)に従って処分するのは、非常に困難な作業です。
そこで私がお勧めするのは、「自分でできること」と「業者に任せること」を賢く分ける「ハイブリッド型」です。
費用を抑える「ハイブリッド型」の進め方
- 事前仕分け(最重要):業者が入る前に、「貴重品(通帳、権利書、印鑑など)」と「残しておきたい形見(写真、手紙、愛用品)」だけは、ご自身で必ず確保・仕分けしておきます。これが紛失リスクを防ぐ最大の防御策です。
- 事前処分(ゴミの減量):明らかなゴミ(食品、雑誌、衣類など)や、自治体のルールで「家庭ゴミ」として出せるものは、ご自身でコツコツと処分します。物量(体積)を減らすことが、そのまま費用削減に直結します。
- 業者への依頼(難しい部分だけ):大型家具・家電の搬出処分、自分では判断がつかない大量の不用品、専門的な清掃など、自分では難しい核となる部分だけを業者に依頼します。
これだけで業者の作業時間が大幅に短縮され、人件費が下がるため、「全部丸投げ」するよりも確実に費用を抑えることができます。また、ご自身で生前に「生前整理(終活の断捨離)」を進めておくことも、残された家族の負担を減らす最善の方法の一つです。
また、ご自身で生前に「生前整理(終活の断捨離)」を進めておくことも、残された家族の負担を減らす最善の方法の一つです。詳しい進め方は、生前整理 やり方 完全ガイド|いつから?手順・費用・リスト全公開も参考にしてみてください。
「自分で仕分けるのが、そもそも大変…」という方へ
片付けが苦手な方、忙しくて時間がない方もご安心ください。
資格を持ったプロが「残すもの」「手放すもの」の仕分けを一緒に手伝ってくれます。
遺品買取で費用を抑える


遺品整理の費用を抑えるもう一つの有効な手段が「遺品買取」です。
まだ使用可能な家具、家電(製造から5年以内が目安)、骨董品、貴金属、ブランド品、着物などを業者に買い取ってもらい、その査定額を遺品整理の総額費用から差し引く(相殺する)サービスです。
作業費用が30万円でも、買取額が5万円つけば、支払いは25万円で済むわけです。
ただし、業者が遺品を買い取る(古物を売買する)ためには、公安委員会(警察署)が交付する「古物商許可証」を所持している必要があります。見積もり時に許可番号を確認しましょう。
買取サービスの「利益相反」に注意!
ここで非常に重要な注意点があります。このサービスには構造的な「利益相反」が存在します。
遺品整理業者は、「整理費用を請求する側」と「買取額を支払う側」の二つの顔を持ちます。つまり、業者側の利益を最大化しようとすれば、「整理費用は高く見積もり、買取価格は不当に安く見積もる」ことができてしまう立場にあるのです。
例えば、本来5万円の価値がある貴金属を「これは1万円ですね」と安く査定し、整理費用から差し引く、といったことが起こり得ます。
このリスクを回避する最善の対策は、遺品整理業者に見積もりを依頼する前に、価値がありそうな品(貴金属、ブランド品、骨董品など)は、必ず「買取専門業者」に先に査定してもらい、その品のおおよその価値(相場)をご自身で把握しておくことです。その上で、遺品整理業者と買取額の交渉を行うことを強くお勧めします。
故人の大切な品、安く買い叩かれていませんか?
遺品整理業者の見積もりの前に、専門業者の無料査定で「本当の価値」を知っておきましょう。
出張料・査定料・キャンセル料も無料なので安心です。
悪質な業者のトラブル事例
残念ながら、遺品整理業界は料金トラブルが非常に多い業界です。ご遺族の「早く終わらせたい」「相場がわからない」という弱みにつけ込む悪質な業者が存在します。国民生活センターにも多くの相談が寄せられていますので、典型的な手口を知っておきましょう。
手口1:不当な追加料金の請求
最も多い手口です。最初に「業界最安値!」「全部コミコミ5万円」といった極端に安い見積もりで契約させます。そして作業当日になってから、「トラックに積んでみたら見積もりより多かった」「これはリサイクル料が別途必要」「特別な清掃が必要」などと、次から次へと追加料金を上乗せします。
作業が始まってしまうと断り切れず、最終的に相場の2倍、3倍の金額を請求されるケースです。
手口2:遺品の不法投棄
これは犯罪です。業者が処分費用(処分場に支払う費用)を浮かすため、回収した遺品を山林や空き地、人気の少ない場所に不法投棄する深刻な問題です。
万が一、投棄された遺品から依頼主が特定された場合、依頼主(排出したご遺族)も管理責任を問われるリスクがあります。信じられない話ですが、実際に起こっているトラブルです。
手口3:貴重品の無断処分・盗難
ずさんな仕分け作業により、ご遺族が残しておいてほしいと伝えていた形見の品を勝手に処分されたり、現金、貴金属、切手や古銭などのコレクションを(盗難)される作業トラブルです。
「見つからなかった」と言われれば、ご遺族はそれを証明することが非常に困難です。だからこそ、事前の「貴重品仕分け」が重要なのです。
【最重要】不法投棄を見抜く「許可証」
特に悪質な「不法投棄」の背景には、この業界が抱える「許可」の大きな問題があります。業者選びの根幹に関わる、最も重要な知識です。
家庭から出るゴミ(遺品)は、法律上「一般廃棄物」に分類されます。この「一般廃棄物」を、お金をもらって収集・運搬し、処分場へ持ち込む事業を行うには、自治体(市区町村)が交付する「一般廃棄物収集運搬業許可」が絶対に必要です。
しかし、この許可は、自治体が地域のゴミ収集量や処理能力を管理する観点から、新規業者に発行されることが極めて困難な許可証なのです。
そのため、多くの新規参入の遺品整理業者は、この「許可」を持たずに営業しています。
許可がない業者は、正規の処分場にゴミを持ち込むことができません。その結果、処分コストを削減するために「不法投棄」を行う強い動機が生まれるのです。
見積もり時の必須確認事項
依頼しようとする業者が、
- 「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか(許可証を見せてもらう)
- 持っていない場合、その許可を持つ正規の業者に「処分を法的に委託」しているか(委託契約書を見せてもらう)
この2点を必ず書面で確認してください。これを曖昧にしたり、「うちは全部『買取』だから不要」などと説明したりする業者は、不法投棄のリスクが非常に高いため、絶対に契約してはいけません。
※なお、「遺品整理士」は民間団体が認定する「資格」であり、上記の法的な「許可」ではありません。許可証の代わりにはなりませんのでご注意ください。
遺品整理料金相場についてよくあるご質問FAQ


失敗しない相見積もりのコツ
悪質業者を避け、適正な料金相場で依頼するために、最も重要かつ効果的な唯一の方法が「相見積もり」です。
最低でも3社、できれば5社程度から、必ず「訪問見積もり」を取ってください。なぜ3社以上かというと、1社だけではその金額が高いのか安いのか判断できず、2社でも安い方が適正とは限らないからです。3社以上を比較することで、その地域の料金相場のおおよその平均値が見えてきます。
電話やWebサイト上だけの見積もりは、実際の物量や作業環境(階段の有無など)を反映していないため、全くアテになりません。必ず「当日の高額な追加請求」の原因となりますので、訪問見積もりを拒否する業者はその時点で除外しましょう。
相見積もりは、単なる価格比較ではありません。その業者が信頼に足るかを見極めるための、絶好の機会です。
訪問見積もり時のチェックポイント
- 対応は丁寧か:こちらの質問(特に許可証について)に誠実に回答してくれるか。契約を急かしたり、その場で即決を迫ったりしないか。
- 見積書の内訳は詳細か:「作業一式 〇〇円」といった大雑把な見積書は危険です。「人件費」「車両費」「処分費」「清掃費」「オプション費」など、費用の内訳が詳細に記載されているか確認しましょう。
- 追加料金の条件は明記されているか:「どのような場合に追加料金が発生するのか」を必ず質問し、「見積もり確定後、物量に変化がなければ追加料金は一切発生しない」という一文を見積書に明記させてください。
- 許認可は明確か:前述の「一般廃棄物収集運搬業許可」(または委託契約書)を明確に提示できるか。
- キャンセル料の確認:契約後のキャンセル条件や、発生する金額も書面で確認しておきましょう。
「一番安い見積もり」を出した業者が、後から高額な追加料金を請求する一番危険な業者である可能性も十分にあります。価格の安さだけに飛びつかず、見積書の内訳の明確さ、担当者の誠実さ、そして何より「許可証」の有無を総合的に判断してください。
最終的な判断はご自身で行う必要がありますが、もし見積もり内容に不審な点があれば、契約を急がず、お住まいの自治体の「消費生活センター」や、私のような終活の専門家にご相談いただくこともご検討ください。
【まとめ】遺品整理料金相場のお悩み


ここまで、遺品整理の料金相場について、その仕組みから費用を抑えるコツ、悪質業者の見抜き方まで詳しく解説してきました。
遺品整理の料金相場は、間取りだけでなく、荷物の総量(物量)、搬出経路(階段や駐車スペース)、そしてオプションの有無によって大きく変動します。ご遺族が故人を偲ぶための大切な時間を、業者との金銭トラブルで台無しにしてはいけません。
適正な相場を知り、心から信頼できる優良な業者を見極めるためには、ご自身による「事前準備(貴重品の確保とゴミの減量)」と、複数の業者による「訪問相見積もり」が不可欠です。この記事で解説したチェックポイント(特に「一般廃棄物収集運搬業許可」の確認)を活用し、後悔のない遺品整理を実現してください。
なお、孤独死が発生した物件の売却や共有名義のトラブル、再建築不可物件など、「遺品整理だけでは終わらない」複雑なケースについては、状況別に整理した総まとめ記事訳あり不動産・相続・遺品整理の総合ガイド|孤独死・共有名義・再建築不可まで状況別にやさしく解決もあわせてチェックしてみてください。



ご家族を亡くされた直後は、精神的にも時間的にも余裕がなく、冷静な判断が難しい状態にあると思います。そんな時こそ、一人で抱え込まないでください。「早く終わらせないと」と焦って業者を決めてしまうのが、一番の失敗の元です。
遺品整理は、単なる片付けではなく、故人の想いとご自身の相続手続き(貴重品の捜索)のスタートでもあります。まずは専門家の無料見積もりを利用し、状況を客観的に把握することから始めましょう。それが、ご自身の心と体の負担を減らす一番の近道ですよ。
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「どこに頼めば…」と迷ったら、まずは無料見積もりで数社を比較してみましょう。
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今日からできるアクションプラン
- 「貴重品」と「形見」の確保:まずは相続に必要な書類(通帳、保険証券、権利書、印鑑)と、残したい写真や手紙だけを一つの箱にまとめましょう。
- 自治体のゴミカレンダー確認:「家庭ゴミ」として自分で捨てられるものは何か、分別ルールと収集日を確認してみましょう。
- 遺品整理業者を3社検索:いきなり電話せず、その会社のホームページに「一般廃棄物収集運搬業許可 第〇〇号」の記載があるか、または提携先の許可業者が明記されているかを確認してみましょう。
小さな一歩ですが、これが費用を抑え、悪質なトラブルを回避する確実な一歩になりますよ!
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