墓じまいの流れと費用を完全解説|後悔しない手順ガイド

墓じまいの流れと費用を完全解説|後悔しない手順ガイド
  • URLをコピーしました!

「実家のお墓、どうしよう…」なんて、頭の片隅で気になっていませんか?終活・相続の専門家カズです!いやぁ、分かります。墓じまいって言葉は聞くけど、墓じまいの手続きって何から始めるの?

墓じまいの費用の総額って、ぶっちゃけいくら?平均は?もし墓じまいでローン組むくらいお金がない場合は?墓じまいの費用は誰が払うのが普通なの?なんて、疑問が次から次へと湧いてきますよね。

それに、お墓の撤去費用離檀料の相場も気になりますし、改葬許可証なんていう難しそうな書類の話も…。かといって、墓じまいしないとどうなるのか考えると、夜も眠れない!なんて方もいらっしゃるかもしれません。

大丈夫です!この記事では、そんなあなたのモヤモヤを吹き飛ばすべく、永代供養の費用から、墓じまいの費用の補助金、いざという時の墓じまいを行政書士に頼む費用まで、僕、カズがまるで隣で話しているかのように、ユーモアを交えながら分かりやすく全部お話ししますよ!

この記事のポイント
  • 墓じまいにかかる費用の総額と詳しい内訳
  • 墓じまいに必要な手続きと具体的な手順
  • 費用が払えない場合の対処法と補助金制度
  • 親族とトラブルなく円満に進めるための注意点
コンサルタント @KAZU

墓じまいは、費用や手続きの不安が先立って、なかなか一歩が踏み出せない…その気持ち、本当によく分かります。でも大丈夫!一つずつ課題を整理すれば、必ずゴールは見えてきます。この記事でまずは全体像を掴んで、あなたの家族にとっての最適な選択肢を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。僕がしっかりサポートしますからね!

目次

墓じまいの流れと費用で知るべき総額と内訳

墓じまいの流れと費用で知るべき総額と内訳

年々増加する「改葬」の件数

厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、お墓の引越しを意味する「改葬」の許可件数は年々増加傾向にあります。平成23年度には76,571件だったものが、令和5年度には169,678件と、10年余りで倍以上に増加しています。

このデータは、少子高齢化や核家族化を背景に、お墓の維持管理が難しくなり「墓じまい」を選択する人が増えている社会的な実情を裏付けています。

(出典:厚生労働省「衛生行政報告例」

墓じまい費用の平均と総額の目安

さて、いきなり核心からいきましょう!墓じまいにかかる費用の総額ですが、これはズバリおよそ30万円~300万円程度と、かなり幅があるのが実情です。

「え、そんなに違うの!?」って思いますよね。この価格差は、お住まいの地域による違いというよりは、「今あるお墓の状況」と「新しく選ぶご遺骨の供養方法」によって大きく変わってくるんです。

僕が担当させていただいたお客様の例をお話ししますね。ある方は、ご遺骨を他の多くの方と一緒に供養する「合祀(ごうし)」タイプの永代供養を選んだことで、総額50万円ほどで墓じまいを完了されました。一方で、都心でアクセスが良い場所に新しく個別のお墓を建て直した方は、300万円以上かかったケースもあります。

このように、墓じまいの費用は本当にケースバイケースです。だからこそ、まずは「何に」「いくらくらいかかるのか」という内訳を知っておくことが、予算を立てる上でとっても重要になります。大きく分けると、費用は次の3つで構成されていますよ。

墓じまい費用の主な内訳3つ

  1. お墓の撤去に関する費用
  2. 行政手続きに関する費用
  3. 新しい納骨先(供養先)に関する費用

次の項目から、これらの内訳を一つずつ詳しく見ていきましょう!

主な内訳であるお墓の撤去費用

主な内訳であるお墓の撤去費用

墓じまいの「しまい」の部分、つまり今あるお墓を解体・撤去して更地に戻す工事の費用ですね。これは石材店さんにお願いするのが一般的です。

費用の相場としては、お墓の面積1㎡あたり10万円~15万円程度を見ておくと良いでしょう。一般的な広さのお墓であれば、20万円~30万円くらいが目安になります。

この費用には、墓石の解体、基礎部分の撤去、そして土地を整地する作業が含まれます。また、ご遺骨を取り出す作業も一緒にお願いする場合、別途3万円~5万円ほどの追加費用がかかることが多いです。

コンサルタント @KAZU

僕の経験上、この撤去費用が見積もりより高くなってしまうケースもあるんです。どんな場合かというと…

要注意!墓石撤去費用が高くなるケース

  • お墓が山奥や急な斜面にあって、工事車両が入れない場合
  • 墓地内の通路が狭く、重機ではなく手作業での解体・搬出が必要な場合
  • 一つの区画に複数の墓石や石塔が建てられている場合

昔ながらの墓地で道がすごく狭くて、職人さんが大きな石を手作業で少しずつ運び出した現場がありました。やはり、通常の費用よりも2割増しほどになりましたね。

ですので、石材店さんを選ぶときは、必ず複数の業者さんから見積もりを取って比較検討するのが鉄則です!安さだけで選ぶのではなく、きちんと現地を確認して、追加費用の可能性なども丁寧に説明してくれる信頼できる業者さんを見つけることが大切ですよ。

寺院に払う離檀料の相場とは

もし、あなたのお墓がお寺の境内にある「寺院墓地」の場合、墓じまいをするとそのお寺の檀家(だんか)をやめることになります。この時に、これまでお世話になった感謝の気持ちを込めてお渡しするのが「離檀料(りだんりょう)」です。

「離檀料」に支払いの法的義務はない

墓じまいに伴う「離檀料」について、消費者庁は「墓地使用者と墓地管理者との間で締結された墓地使用契約を合意解約するにあたり、離檀料の支払いは法律上の義務ではない」との見解を示しています。

高額な離檀料を請求されるなどのトラブルも報告されており、あくまで感謝の気持ちとして渡す「お布施」の一環であると認識しておくことが重要です。万が一トラブルになった場合は、国民生活センターや地方公共団体の消費生活相談窓口に相談することが推奨されています。

(出典:独立行政法人国民生活センター

これは法律で定められた支払い義務のあるお金ではありません。あくまで「お気持ち」としてお渡しするものです。とはいえ、慣習として定着しているのも事実ですね。

気になる離檀料の相場ですが、だいたい通常の法要でお渡しするお布施額の2~3倍、金額にすると3万円~20万円程度が一般的とされています。もちろん、お寺との関係性の深さや寺院の格式によっても変わってきます。

離檀料トラブルの失敗談

僕にご相談があったケースで、お寺に何の相談もなしに、いきなり石材店さんと墓じまいの話を進めてしまった方がいました。住職さんは当然気分を害され、「これまでご先祖様の供養をしてきたのに…」と、相場よりかなり高額な離檀料を提示されてしまったんです。これは本当に多い失敗談なので、気をつけてください。

大切なのは、墓じまいを考え始めた早い段階で、住職さんに直接相談することです。「跡継ぎがおらず、管理が難しくなりそうで…」と正直に事情をお話しし、感謝の気持ちを伝えることが、円満な墓じまいへの一番の近道ですよ。

改葬先の永代供養費用も確認

改葬先の永代供養費用も確認

お墓から取り出したご遺骨の、新しい「お引越し先」を用意する費用です。実は、墓じまいの総額が大きく変わるのは、この「新しい納骨先をどこにするか」が一番のポイントなんです。

最近では、様々な供養の形が選べるようになりました。ここでは代表的な選択肢と費用の目安を比較してみましょう。

供養の方法費用相場特徴
一般墓80万円~250万円従来通りのお墓を新しく建てる。継承者が必要。
永代供養墓5万円~150万円霊園や寺院が管理・供養してくれる。継承者不要。合祀か個別かで費用が大きく変わる。
樹木葬20万円~80万円墓石の代わりに樹木をシンボルとする。自然志向の方に人気。
納骨堂10万円~150万円屋内の施設にご遺骨を安置。天候を気にせずお参りできる。
散骨5万円~70万円ご遺骨を粉末にして海や山に撒く。お墓を持たない選択。

特に人気なのが、霊園や寺院が永代にわたって管理・供養をしてくれる永代供養です。これなら、お墓を継ぐ方がいなくても安心ですよね。

ただ、一口に永代供養と言っても、費用を抑えられる「合祀タイプ(他の方のご遺骨と一緒になる)」から、一定期間は個別で供養される「個別安置タイプ」まで様々です。

コンサルタント @KAZU

以前、「とにかく費用を抑えたい」という理由で合祀墓を選ばれた方が、後から「やっぱり、あの子だけのスペースで手を合わせたかった」と少し寂しそうにお話しされていたことがありました。費用はもちろん大切ですが、あなたやご家族が「どんな形で故人を供養していきたいか」という気持ちを一番に考えて選ぶことが、後悔しないための何よりの秘訣ですよ。

墓じまいの費用は誰が払うのか

これは、親族間でのトラブルになりやすい、とてもデリケートな問題です。

結論から言うと、墓じまいの費用を誰が支払うかについて、法律上の明確な決まりはありません。

一般的には、そのお墓を代々受け継ぎ、管理・供養の中心的な役割を担ってきた「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」が負担するケースが多いです。多くは長男や長女の方がこれにあたります。

ただ、これはあくまで慣習的なものです。現実には、墓じまいはかなりの高額になることもあるため、祭祀承継者が一人で全額を負担するのではなく、兄弟姉妹や他の親族と話し合って、協力して分担するケースが非常に多いです。

僕のお客様のリアルな費用分担例

  • 兄弟3人で均等に3分割したケース:これが一番シンプルで揉めにくいかもしれませんね。
  • お墓参りに通いやすい距離の人が多く負担したケース:「これでお墓の管理から解放されるなら」と、遠方の兄弟が快く了承してくれたそうです。
  • 故人の遺産から支払ったケース:親御さんが終活の一環として費用を遺してくれていたパターンです。これが一番理想的かもしれません。

▼あわせて読みたい
親御さんがどんな希望を持っていたか、エンディングノートに書き残してくれているかもしれません。事前に確認してみましょう。

お金の話は、身内だからこそ、なかなかしにくいものですよね。ですが、後から「聞いてないよ!」といったトラブルになるのを避けるためにも、必ず墓じまいを具体的に進める前に、関係する親族全員でオープンに話し合う場を設けることが、何よりも大切です。

そのお墓には、自分以外の親族にとっても大切な想い出が詰まっていることを忘れないようにしたいですね。

コンサルタント @KAZU

費用だけでも、考えることが本当にたくさんありますよね。でも、何にいくらかかるのか、その内訳が見えてくれば、具体的な対策も立てやすくなります。ここからは、いよいよ実践編!少しややこしく感じるかもしれない書類関係など、具体的な手続きの話に進みます。一つずつクリアすれば大丈夫。一緒に見ていきましょう!

墓じまいの流れと費用に関する手続きと注意点

墓じまいの流れと費用に関する手続きと注意点

墓じまい手続きと改葬許可証の取得

さあ、ここからは具体的な手続きの流れです!ちょっと書類の話も出てきて難しく感じるかもしれませんが、大丈夫、一つずつ解説しますからね。墓じまい(専門用語で「改葬」と言います)は、大まかに以下のステップで進みます。

墓じまいの基本ステップ

  1. 【相談】親族や寺院の管理者に相談し、同意を得る
  2. 【契約】新しい納骨先を探して、契約する
  3. 【書類】行政手続きに必要な書類を揃える
  4. 【供養】お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行う
  5. 【工事】墓石を撤去し、ご遺骨を取り出す
  6. 【納骨】新しい納骨先にご遺骨を納める

この中で、一番の山場であり、法的に絶対に必要なのがステップ3の行政手続きです。お墓のお引越しをするには、今お墓がある市区町村の役所から「改葬許可証」という書類を発行してもらう必要があります。これがないと、お墓の撤去も、新しい場所への納骨もできません。

そして、この「改葬許可証」をもらうためには、主に以下の3つの書類を集める必要があります。

必要な書類どこでもらう?何のための書類?
埋蔵証明書今のお墓の管理者(霊園やお寺)「確かにこのお墓にご遺骨が納められています」という証明
受入証明書新しい納骨先の管理者「こちらでご遺骨を受け入れる準備ができています」という証明
改葬許可申請書今のお墓がある市区町村の役所改葬許可証を発行してもらうための申請用紙

僕の経験上、一番つまずきやすいのが、この書類集めです。特に、何代も続いている古いお墓だと、誰のご遺骨が埋葬されているのか、お寺の過去帳と役所の記録が違っていた…なんてことも実際にありました。時間に余裕を持って、一つずつ着実に進めるのが成功の秘訣ですよ。

参考情報サイト: 自治体の改葬許可申請ページ(例:新宿区)
URL: https://www.city.shinjuku.lg.jp/todokede/koseki02_002035.html

墓じまいを行政書士に頼む費用

墓じまいを行政書士に頼む費用

「平日は仕事で役所に行く時間がない…」「書類仕事がどうも苦手で…」という方もいらっしゃいますよね。

そんな時は、手続きの専門家である行政書士に依頼するという選択肢もあります。行政書士は、あなたの代理人として、面倒な改葬許可証の取得手続きを代行してくれます。

依頼した場合の費用相場は、だいたい5万円~10万円程度です。もちろん、納骨されているご遺骨の数や、手続きの複雑さによって費用は変動します。

こんな人には行政書士への依頼がおすすめ!

  • 今のお墓が遠方にあり、何度も役所に行くのが難しい方
  • 平日に休みが取れず、役所の開庁時間内に行くのが困難な方
  • 書類の準備や手続きに不安があり、専門家に任せてしまいたい方

▼あわせて読みたい
墓じまいだけでなく、死後の様々な手続きを専門家に任せたい場合は、死後事務委任という契約も選択肢になります。

以前、海外にお住まいのお客様が日本の実家のお墓を墓じまいしたい、というご相談がありました。その方は物理的に日本で手続きができなかったので、行政書士さんにお願いしたんです。結果的に、ご本人は一度も帰国することなく、スムーズに手続きを終えることができました。

コンサルタント @KAZU

「餅は餅屋」ということわざがありますが、まさにその通り。自分でやる手間や時間、ストレスを考えたら、専門家に頼む費用は決して高くない、と考えることもできます。浮いた時間で、親族との話し合いや新しい納骨先選びにじっくり時間をかけるのも、賢い選択だと思いますよ。

墓じまい費用に補助金は使えるか

「墓じまいに補助金が出るって本当?」と、時々ご質問をいただきます。

はい、本当です!ただし、全ての自治体で実施されているわけではない、というのが現状です。

近年、お墓の承継者がいなくなって放置されてしまう「無縁仏(むえんぼとけ)」が社会問題になっています。そこで、一部の自治体では、無縁仏を減らす対策の一環として、墓じまい(お墓の撤去費用)に対して補助金や助成金を出す制度を設けているんです。

補助金制度の例

例えば、千葉県市川市霊園では、墓じまいをして墓所を返還する使用者に対して、墓地使用料の一部を返還したり、墓石の撤去費用を助成したりする制度があるようです。(※制度は変更される場合がありますので、必ずご自身でご確認ください)

まだ全国的に見れば珍しい制度ではありますが、今後、こうした動きは広がっていく可能性があります。補助金の対象は主に「墓石の撤去費用」で、上限額は自治体によって様々です。

「うちの市町村はどうなんだろう?」と思ったら、まずはお墓がある市区町村の役所のホームページを確認したり、担当窓口(環境衛生課などが多いです)に電話で問い合わせてみましょう。ダメ元で聞いてみたら、意外なサポートが受けられるかもしれませんよ!

墓じまいでお金がない時の対処法

墓じまいでお金がない時の対処法

ここまで読んで、「やっぱり、うちには墓じまいするだけのお金がないかも…」と不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫、諦めるのはまだ早いです!費用がすぐに用意できない場合でも、いくつかの対処法があります。

費用が払えない場合の4つの対処法

  1. 親族に相談して協力してもらう
    前述の通り、費用は一人で抱え込む必要はありません。まずは兄弟姉妹や親族に正直に事情を話し、協力を仰ぎましょう。
  2. メモリアルローンを利用する
    銀行や信販会社によっては、お墓や葬儀に関する費用に使える「メモリアルローン」という目的別ローンを用意しています。金利はかかりますが、一時的な負担を分割払いにできます。
  3. 費用の安い納骨先を選ぶ
    新しい納骨先を、遺骨を合祀するタイプの永代供養墓(5万円~)などにすれば、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
  4. 寺院の住職に相談する
    お墓が寺院にある場合、住職さんに事情を誠心誠意お話しすることで、離檀料の支払いを分割にしてもらえたり、金額を考慮してくださったりするケースもゼロではありません。
コンサルタント @KAZU

僕が知る限り、「お金がないから」という理由だけで墓じまいを諦めてしまった方はいません。何かしらの方法は必ず見つかります。一人で悩まず、まずは周りの人や、僕のような専門家に相談してみてくださいね。

墓じまいしないとどうなるのか

「管理は大変だけど、費用もかかるし、手続きも面倒だから、もういっそこのままにしておこうかな…」 その気持ち、少し分かります。ですが、お墓を放置してしまうと、とても悲しい未来が待っている可能性があるんです。

お墓の年間管理費の支払いが滞り、連絡もつかない状態が続くと、そのお墓は「無縁仏」として扱われます。

無縁墓地に関する法的な規定

お墓の管理が放棄された場合の手続きは、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」第三条で定められています。具体的には、墓地の管理者が官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に1年間立て札を設置して、墓地使用者等に申し出るよう催告します。

この期間内に申し出がない場合に限り、お墓を法的に整理(改葬)することが可能になります。つまり、管理費の滞納からすぐに強制撤去されるわけではなく、法律に基づいた手順が踏まれることになります。

(出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」

法律(墓地、埋葬等に関する法律)に基づき、墓地の管理者は、官報に掲載して1年間申し出がない場合、そのお墓を強制的に撤去することができます。

強制撤去されたご遺骨の行方

撤去されたお墓の中にあったご遺骨は、残念ながら個別に供養されることはありません。他の多くの無縁仏のご遺骨と一緒に、一つの大きなお墓(合祀墓)にまとめて埋葬されてしまいます。一度合祀されてしまうと、後から「やっぱりうちのご先祖様のご遺骨だけでも返してほしい」と思っても、二度と取り出すことはできなくなります。

自分の代で管理が難しいと感じているお墓は、次の世代にとってはさらに大きな負担になります。気づいた時にはお墓が無くなっていた…なんてことになれば、ご先祖様にも、将来の子孫にも申し訳ないですよね。

また、お墓の問題は、実家の不動産相続と同じで、放置すると「負の遺産」になりかねません。

▼関連記事
お墓とは別に借金などマイナスの財産がある場合は、相続放棄も選択肢になります。両方の問題を整理して考えましょう。

管理が難しいと分かった時点で、早めに親族で話し合い、墓じまいという選択肢を真剣に考えることが、結果的にみんなのためになるはずです。

相続登記と相続税に関するFAQ

不動産の名義変更(相続登記)をしないと、相続税も払わなくてよいのでしょうか?

いいえ、名義変更と相続税は全く別の手続きです。不動産の名義変更をしていなくても、遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告と納税の義務があります。

なぜ名義変更(相続登記)をしないと、相続税が高くなる可能性があるのですか?

名義変更の前提として、誰がどの遺産を相続するのかを決める「遺産分割協議」が必要です。この協議がまとまらないと、配偶者の税額軽減や「小規模宅地等の特例」といった、相続税額を大幅に減額できる特例制度を利用できなくなるためです。その結果、本来よりも高い税金を納めることになる可能性があります。

遺産分割協議がまとまりません。それでも相続税の申告は必要ですか?

はい、必要です。相続税の申告・納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。遺産分割協議が期限までにまとまらない場合でも、一旦、法定相続分で分割したものとして仮の申告と納税を行う必要があります。

後悔しない墓じまいの流れと費用の確認

後悔しない墓じまいの流れと費用の確認
  • 墓じまいの費用総額は30万円から300万円が目安
  • 費用は撤去費用・手続き費用・新しい納骨先の3つで構成される
  • 墓石の撤去費用は1㎡あたり10万円前後が相場
  • お寺の檀家なら離檀料が必要な場合がある
  • 新しい納骨先は永代供養や樹木葬など様々で費用も変動する
  • 費用負担は祭祀承継者が基本だが親族での分担も多い
  • 墓じまいはまず親族の同意を得ることから始める
  • 新しい納骨先を契約しないと手続きは進められない
  • お墓の引越しには役所で改葬許可証の取得が必須
  • 手続きが複雑なら行政書士への依頼も有効な選択肢
  • 自治体によっては墓じまいに補助金制度が存在する
  • 費用がなければローンや親族への相談などの対処法がある
  • お墓を放置すると無縁仏として強制的に撤去される可能性がある
  • 一度合祀されるとご遺骨は二度と取り出せなくなる
  • 費用と手続きの両面から計画的に進めることが後悔しないコツ
コンサルタント @KAZU

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!墓じまいは、単なるお墓の「お片付け」ではありません。ご先祖様への感謝の気持ちと、未来の世代への思いやりが詰まった、とても前向きで大切な終活の一つだと僕は考えています。不安なこと、分からないことがあれば、一人で抱え込まず、いつでも僕のような専門家を頼ってくださいね。あなたの家族にとって最善の選択ができるよう、心から応援しています!

▼あわせて読みたい関連記事▼

終活とは何か?今から始める人生の不安を減らす方法

エンディングノート書き方完全ガイド|家族に伝わる残し方

不動産名義変更相続で損しないための注意点と費用相場を解説

相続放棄の手続きと注意点を徹底解説!後悔しない進め方とは

死後事務委任とは?費用や手続きの流れをわかりやすく解説

墓じまいの流れと費用を完全解説|後悔しない手順ガイド

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で15年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

▶︎ 詳しいプロフィールは下記リンクマークから

目次