家族信託の登記簿は誰でも見れる?見方や費用をプロが解説

家族信託の登記簿は誰でも見れる?見方や費用をプロが解説
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こんにちは、終活だよドットコムの運営者、終活・相続・不動産の専門家のカズです。

「家族信託、便利そうだけど登記簿に載るのが怖い」「近所の噂好きのあの人に、財布の中身を見られるようなもんじゃないか?」そんな不安で、夜も眠れずにスマホを睨みつけていませんか?

胃がキリキリするその感覚、痛いほどわかります。「家族 信託 登記 簿」という無機質な言葉の裏にある、プライバシー侵害への恐怖。

でもね、ちょっと聞いてください。その登記簿、実はあなたの家族を外敵から守る「鉄壁の要塞」でもあるんです。

この記事では、きれいごとは一切抜き。現場で数々の修羅場、ドロドロの相続争いを見てきた私が、家族信託 費用やDIYの無謀さ、登記簿謄本 見本の中身、司法書士 報酬のリアル、委託者 死亡後の落とし穴、そして隠されたデメリットまで、全部お話しします。

「家族 信託 登記 簿」の正体を骨の髄まで理解すれば、漠然とした恐怖は消え去り、家族を守るための覚悟が決まるはずです。

結論:家族信託の登記簿(登記事項証明書)は、手数料を払えば原則として「誰でも」請求できます。

  • 家族信託した不動産は、甲区に「受託者」+「信託」の記載が入り、末尾に信託目録が付きます。
  • 信託目録には、委託者・受託者・受益者の氏名・住所など、公開される情報が含まれます。
  • ただし、DV等の事情がある場合は、住所等を明らかにしないための「代替措置」を申し出できることがあります(要件あり)。
  • 「ネットで見られる登記情報(閲覧)」と、法務局が出す登記事項証明書(証明)は別物です。

参考:e-Gov法令検索(不動産登記法) / 法務省:登記手数料について / 法務省:代替措置(不動産登記) / 法務局:オンライン請求案内

親が元気なうちに資産凍結対策を。家族信託なら、成年後見制度よりも柔軟に財産を守れます。

認知症による資産凍結から親を守る|家族信託のおやとこ

コンサルタント @KAZU

誤解を恐れずに言います。登記簿は「見せびらかす」ために作るんです。「隠したい」という下心で内容を曖昧にした結果、逆に親戚中に怪しまれ、生前にお家騒動へ発展したケース、山ほど見てきました。「隠すこと」と「晒すこと」。このギリギリの境界線を見極める嗅覚こそが、平穏な相続の正体なんです。

この記事のポイント
  • 家族信託した不動産の登記簿に記載される具体的な内容と見方
  • 登記簿が第三者に公開される範囲とプライバシーへの影響
  • 手続きにかかる登録免許税や専門家報酬のリアルな相場観
  • 自分で申請するリスクとプロに任せるべき決定的な理由
目次

家族信託の登記簿の仕組みと見方

家族信託の不動産登記。これを単なる「事務手続き」だと思って簡単に考えてると痛い目を見ます。

これは「この財産は信託された聖域だ!」と、世間に向かって喧嘩を売るような、極めて攻撃的な宣言なんです。実際に登記簿がどう化けるのか、どこに地雷が埋まっているのか。現場の目線で叩き切ります。

登記簿の見方と甲区の記載内容

家族信託における不動産登記事項証明書(甲区・権利部)の実際の記載例と解説

まず、不動産の登記簿(登記事項証明書)を引っ張り出してみてください。一番上の「権利部(甲区)」。ここに所有者が書かれていますよね。普通の売買なら新しい名前が載って終わり。でも、家族信託はまるで別物です。

所有者の名前の前に「受託者」という肩書きがドカンと居座ります。さらに、登記の目的欄には「所有権移転」の横に「信託」の二文字。

これは何を意味するか。「形式上の持ち主は息子だけど、これは息子の私物じゃない。手出し無用だ」と、赤の他人に対してバリケードを築いているんです。

倒産隔離機能という最強の盾

「親の家を自分名義にしたら、贈与税で死ぬんじゃないか?」「俺の会社が倒産したら、親の家まで持っていかれる?」そんな相談、毎日のように来ます。

でも、ビビる必要はありません。この「信託登記」がある限り、それは贈与じゃないと証明され、贈与税の及ぶところではないからです。

もっとすごいのがここから。万が一、受託者のあなたが借金まみれで破産しても、債権者はこの「信託財産」には指一本触れられないのです。

専門用語で「倒産隔離機能」。いわば、この「受託者」というたった3文字が、税務署や借金取りという天敵に対する「最強の護符」になるんです。

家族信託の倒産隔離機能により受託者の破産や差押えから財産を守る仕組みの図解

信託目録の5つの重要記載事項

不動産登記法の信託目録に必ず記載される委託者・受託者・受益者などの5つの重要項目

家族信託の登記で、私が一番胃薬を飲みながら作るのが「信託目録」。登記簿の最後にくっついている、いわば信託の心臓部です。ここには不動産登記法で決められた、以下の5つが絶対に晒されます。

  • 委託者:財産を託した人(親など)の氏名・住所
  • 受託者:財産を管理する人(子など)の氏名・住所
  • 受益者:利益を受ける人(親など)の氏名・住所
  • 信託の目的:認知症対策や資産承継など、信託を行う理由
  • 信託条項:管理・処分の権限や、信託終了時のルール

特にヤバいのが「信託条項」。ここに「売却」「担保」「修繕」の文字がないとどうなるか。親の介護費捻出のために実家を売ろうとした瞬間、法務局や買主から「あんたに売る権限ないでしょ」と門前払いです。

目の前に金になる家があるのに、手が出せない。まさに生き地獄。

だからプロは、将来起こりうる最悪のシナリオを全部想定して書き込みます。「管理できる」なんてフワッとした言葉じゃダメ。

「賃貸借契約の締結、解除、賃料受領、敷金返還」まで、執拗なまでに具体的に書かないと、現場では紙クズ同然なんです。

登記簿は誰でも閲覧(取得)できる?結論:原則「誰でも」できます

ここが一番の不安ですよね。結論から言うと、登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)は、手数料を納付すれば原則として誰でも請求できます。

これは「取引の安全のために、権利関係を公にする」という登記制度の役割(公示)によるものです。
実際、不動産登記法119条でも「何人も…登記事項証明書の交付を請求できる」と定められています。

根拠:不動産登記法(e-Gov)第119条

登記簿(登記事項証明書)の取り方|窓口・郵送・オンライン(2025年4月改定手数料)

「見れるのは分かった。じゃあ、どうやって取るの?」という方へ。取得方法は大きく3つです。

  • 窓口(法務局):その場で受け取れる。急ぎ向き。
  • オンライン請求→窓口受取:手数料が安めで、受取も早い。
  • オンライン請求→郵送受取:外出不要。届くまで数日みておく。
取得方法手数料(1通)こんな人向き
書面請求(窓口・郵送)600円とにかく窓口で取りたい/紙で請求したい
オンライン請求+郵送520円外出せずに受け取りたい
オンライン請求+窓口交付490円安く・早く取りたい(おすすめ)

出典:法務省:登記手数料について(2025年4月1日改定)
※複数枚(50枚超)になる場合は加算があります。詳細は出典ページで確認してください。

注意:登記情報提供サービスで取得できるPDFは「閲覧用」です。登記事項証明書(公的な証明)そのものは交付されません

参考:法務局:オンライン請求案内 / 登記情報提供サービス:サービス概要

「ネットで見られる登記情報」と「登記事項証明書」は別物

ここでよく混同されますが、登記情報提供サービスで取得できるPDFは「閲覧用」です。
登記官の認証文や公印が付かないため、登記事項証明書と同じ“証明力”はありません(用途が違います)。

参考:法務局:オンライン請求案内(登記情報提供サービスでは証明書は交付されない) / 登記情報提供サービス:サービス概要

DV等の事情がある場合:住所等を明らかにしない「代替措置」があります(要件あり)

原則として住所・氏名は公開情報ですが、DV等の事情がある場合は、登記手続の場面で住所等を明らかにしないための「代替措置」を申し出できる制度があります(提出先・要件・必要書類はケースで異なります)。

参考:法務省:登記事項証明書等における代替措置について(不動産登記関係)

登記申請の必要書類と手続きの流れ

登記申請。これ、役所の書類仕事だと思ってませんか? 甘い。銀行審査より厳しい、鉄壁の関門です。必要な武器はこれ。

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報: 親の実家のタンスの奥にあるアレです。無くすと「事前通知」だのなんだので、金と時間が吹き飛びます。
  • 印鑑証明書: 親と子、両方要ります。最大の敵は「発行から3ヶ月」という賞味期限。
  • 固定資産税評価証明書: 税金計算用。最新のやつ。
  • 登記原因証明情報: 法務局への「言い訳書」みたいなもんです。

流れは「契約(公正証書)」→「口座開設」→「登記」。スムーズにいって1〜2週間。でも、現実はそんなに甘くない。

現場で多発する「期限切れ」トラブル

一番多いポカミス。「印鑑証明の期限切れ」。家族会議で揉めて、契約書の文言で迷って、気づけば3ヶ月経過。また足の悪い親を連れて役所へ? 地獄ですよ。スケジュール管理ができないなら、悪いことは言わない。プロに任せなさい。

家族信託の記載例と注意点

実際の登記簿に「ボケた時のため」なんて書けるわけないですよね。「委託者の生活の安定」とか、お堅い言葉を使います。これも作法。

怖いのは「権限」の書き方。抽象的すぎると銀行が「権限不明」で融資拒否。細かすぎると想定外の事態でフリーズ。この「さじ加減」が難しい。

曖昧な記述が招く「資産凍結」

信託条項の記載が曖昧なために不動産売却ができなくなる失敗事例のフローチャート

「処分の権限」とだけ書いたとしましょう。それ、売却? 解体? 抵当権? 読み手によって解釈が割れたらアウト。銀行はリスクの塊みたいな生き物ですから、疑わしきは全拒否です。

結果、信託したのに「売れない・貸せない・直せない」。新たな資産凍結の完成です。

この微妙なニュアンス、マニュアル本の知識じゃ無理。現場で何度も壁にぶち当たった経験がないと書けない領域なんです。一度登記したら、修正にはまた金がかかる。最初の一発がすべてですよ。

コンサルタント @KAZU

登記簿は家系図じゃない。「受益者は長男」じゃダメ。「○○県○○市、誰々」と名指しが鉄則。なぜか? 「長男」だと、それを証明するために戸籍謄本を全部集める羽目になるから。将来の自分が楽をするために、今は面倒でも固有名詞で刻む。これがプロの仕事術です。

登記簿には続柄ではなく固有名詞で記載すべきという司法書士の実務的な注意点

家族信託の登記簿作成の費用と注意点

「家族信託は高い」。そう思ってますよね? 否定しません、安くはない。でも、その中身を知れば、それが「高い」か「激安の保険」か、見方が変わるはずです。

登録免許税など費用の内訳

家族信託の登記にかかる費用のうち、どうしても避けられないのが国に納める税金、「登録免許税」。計算式はこう。

家族信託の登記にかかる登録免許税(土地0.3%・建物0.4%)の計算式とシミュレーション

登録免許税(信託登記)|土地0.3%は期限あり

対象税率計算例(評価額1,000万円)
土地(所有権の信託の登記)0.3%(軽減)30,000円
建物(所有権の信託の登記)0.4%40,000円

根拠:国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」
※土地0.3%の軽減は令和8年(2026年)3月31日までとされています(延長・改正が入る可能性があります)。

補足(大事):税金の最終判断は、受益者の設計・契約条項・財産の動き方で変わることがあります。心配な場合は、組成前に税理士・司法書士へ確認してください。

※土地は令和8年3月末まで0.3%のバーゲンセール中(出典:国税庁『No.7191 登録免許税の税額表』)。

普通の売買なら2.0%取られるところが、この税率。国も「信託なら安くしてやるよ」と言ってるわけです。でも注意! 建物は0.4%と微妙に高い。土地3000万、建物1000万なら、合計13万。これを高いと見るか、安心料と見るか。

登記費用の計算には「不動産の評価額」が必要です。まずは今の実家の価値を最大6社で一括比較し、相場を把握しておきましょう。

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司法書士に依頼するメリット

「司法書士の報酬、高すぎない?」ええ、全部頼めば30万、50万、財産次第で100万コース。でもね、ここでケチると人生詰みます。最大のメリットは「銀行が首を縦に振る登記」を作れること。

銀行のチェックは異常なほど細かい。プロが作った完璧な信託目録じゃないと、口座なんて作れません。融資? 門前払いです。公証人だって法律のプロだけど、信託実務のプロとは限らない。

銀行口座開設や融資審査を通過するために司法書士による詳細な信託目録作成が必要な理由

司法書士という翻訳機を通さないと、現場で動かないポンコツ契約書ができあがるんです。高い報酬は、将来の安全を買うための必要経費です。

自分で申請する際のリスク

自分で手続きする家族信託(DIY信託)のリスクと専門家設計の安全性を比較したイラスト

ネット記事見て「DIY家族信託」? 悪いことは言わない、やめときましょう。「法務局が通る」のと「使える」のは別次元の話。

法務局は書類の形さえ整ってれば通します。中身がスカスカでもね。でも、いざ売却って時に、相手方の司法書士に「この信託、穴だらけで無効ですね」と言われたら?

不動産は塩漬け、やり直しで費用は倍。節約したつもりの数十万で、数千万の資産をドブに捨てる気ですか?

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信託終了時の抹消手続き

親が亡くなって信託終了。ここも大事。「信託登記の抹消」と「所有権移転」。昔はここで相続人全員の実印が必要で、仲の悪い兄弟がいると地獄を見ました。

でも今は違う。2024年の改正で、最初の契約さえしっかりしてれば、受託者のあなた一人で手続きできるようになった。信託目録に「残りは俺がもらう」と書いてあれば、他の兄弟に頭を下げる必要なし。

2024年の法改正に対応した信託終了時の不動産名義変更スムーズ化(単独申請)のスキーム図

この「出口」まで見越して設計できるか。ここをミスると、最後は「分母が7254分の321」みたいな意味不明な共有持分になって、結局遺産分割協議。信託した意味、ゼロです。

もし信託契約が不十分で相続トラブルになりそうな時は、相続手続きの専門家にまるごと相談するのも一つの手です。無理せずプロを頼ってください。

相続サポート

デメリットとリスクの管理

デメリット? ありますよ。変更のたびに税金と報酬がかかる。税務署への計算書提出も面倒くさい。

でも、最大のリスクは何か。「何もしないまま認知症になって、実家がゴミ屋敷化、口座凍結で金も出せない」ことでしょう。その絶望に比べたら、登記の手間なんて微々たるカスリ傷です。

コンサルタント @KAZU

「高い」と嘆く人にはこう言います。「対策なしで認知症になったら、成年後見人ですよ? 専門職がついたら月3万、10年で360万垂れ流しです」と。家族信託の初期費用は確かに重い。でも、トータルのランニングコストと自由度を見れば、これほどコスパのいい投資はないんです。

成年後見制度にかかる月額報酬と家族信託のランニングコストを比較したグラフ

家族信託の登記簿についてよくあるご質問FAQ

家族信託の登記簿における住所非公開の可否や登録免許税に関するよくある質問(FAQ)まとめ

よく聞かれる質問、まとめておきました。

登記簿の住所氏名、隠せませんか?

原則として、登記事項証明書には氏名・住所が記載され、手数料を払えば請求できます。

ただしDV等の事情がある場合は、住所等を明らかにしないための「代替措置」を申し出できることがあります(要件・手続はケースにより異なります)。不安がある場合は、手続前に法務局または専門家へ確認してください。

自分で登記できますか?

できますよ、理屈の上では。でも推奨はしません。自殺行為です。内容不備で銀行口座が作れず、売却も不可。そんなリスクを背負う覚悟がありますか?

登録免許税、安くなりませんか?

土地だけは令和8年3月末まで0.3%におまけしてくれてます。これが唯一の逃げ道。建物は安くならないので、覚悟して払ってください。

固定資産税の通知は誰に来るの?

受託者(あなた)に来ます。名義が変わるんだから当然です。でも、支払いは自分の財布からじゃなく、信託財産から払うのがルール。間違えないように。

家族信託の登記簿作成のまとめ

「家族 信託 登記 簿」。難しそうな漢字の羅列ですが、要は「家族の財産を俺が守る!」という決意表明の石碑みたいなもんです。公開されるリスク、費用の痛み。全部ひっくるめて、やる価値はあります。

最後に一つだけ。登記簿は刺青(タトゥー)と同じ。一度刻んだら簡単には消せません。 だからこそ、最初の絵柄(設計図)が命。目先の数万をケチって、数千万の実家をリスクの海に沈めるような真似だけはしないでくださいね。

認知症で口座が凍結してからでは手遅れです。初期費用を抑えて、スマホで家族信託の相談を始めてみませんか?

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【今日からできるアクションプラン】

  • 実家のタンスを掘り返して「権利証」を探す。これがないと何も始まらない!
  • 固定資産税の通知書を見て、土地建物の評価額に0.3%〜0.4%掛けて、税金を計算してビビってみる。
  • 「見られてもいい情報」と「墓場まで持っていく事情」をメモ帳に書き殴り、専門家への相談ネタを作る。
権利証の確認や税金計算など家族信託に向けて今日からできる3つのアクションプラン

まずは権利証探しという宝探しから始めましょう!

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で15年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

▶︎ 詳しいプロフィールは下記リンクマークから

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