家族信託自分でやってみた結果!費用とリスクをプロが徹底解説

家族信託自分でやってみた結果!費用とリスクをプロが徹底解説
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こんにちは、終活だよドットコムの運営者で、終活・相続・不動産の専門家のカズです。

「家族信託自分でやってみた」というキーワードで検索してこのページに辿り着いたあなたは、きっと「専門家に頼むと高いから、なんとか費用を抑えたい」と真剣に考えているのではないでしょうか。

そのお気持ち、痛いほどよくわかります。

実は、家族信託自分でやってみたと考える方の多くが、費用の安さだけでなく、手続きの複雑さや雛形の有無、法務局での登記、そして口座開設の壁に直面して悩まれています。

この記事では、プロとしての現場経験を交えながら、あなたが安全にゴールするための地図をお渡しします。

もし、費用は抑えたいけれど「失敗して資産が凍結されるのだけは絶対に避けたい」とお考えなら、DIYでリスクを負う前に、スマホで完結できる新しい家族信託の形を確認してみてください。

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この記事のポイント
  • DIYと専門家依頼の費用の差額と隠れたリスク
  • 法務局や公証役場での具体的な手続きの流れ
  • 銀行口座開設で9割の人が躓く現実とその対策
  • 失敗しないためのプロの視点と現実的な選択肢
コンサルタント @KAZU

正直にお伝えします。家族信託を完全に一人でやるのは、免許取り立てで高速道路を走るようなものです。費用削減は魅力ですが、たった一つの記載ミスで、将来実家が売れなくなるリスクがあります。まずは「どこまで自分でできるか」を知ることから始めましょう。

目次

家族信託自分でやってみた人の費用と手続き

家族信託自分でやってみた人の費用と手続き

ここでは、実際に家族信託を自分で進める場合に直面する「お金」と「作業量」の現実について、包み隠さずお話しします。多くの方が「安く済むはず」と期待されますが、見えないコストが存在することを知っておいてください。

自分でやる費用と専門家報酬の比較

まず、一番気になるお金の話から始めましょう。結論から言うと、自分でやれば専門家に払う報酬(コンサルティング料や作成料)は浮きますが、実費(税金や公証人手数料)は誰がやっても1円も変わりません。

「ネットで調べたら数万円でできるって書いてあった」という声をたまに聞きますが、それは登記や公正証書作成を省いた、いわゆる「私文書」のケースであることが多いです。

実用的な家族信託の落とし穴を避け、安全な運用を目指すなら、以下の表のような費用が現実的です。

【費用の完全シミュレーション】

一般的な目安として、3,000万円の自宅(固定資産税評価額2,000万円)と1,000万円の現金を信託する場合の比較表を作りました。現場の感覚値として参考にしてください。

項目専門家に依頼自分で実行(DIY)削減効果
専門家報酬33万〜60万円0円約30〜60万円お得
公証人手数料約4〜5万円約4〜5万円変わらない
登録免許税(土地)評価額×0.3%評価額×0.3%変わらない
登録免許税(建物)評価額×0.4%評価額×0.4%変わらない
その他実費 (印紙・証明書等)約1〜2万円約1〜2万円変わらない
合計目安約50万〜80万円約15万円〜大幅削減が可能

そもそも「自宅の評価額がいくらか分からない」という状態では、信託費用の計算も相続税対策もできません。まずは正確な価値を知ることから始めましょう。

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数字だけ見れば「絶対に自分でやった方がいいじゃん!」と思いますよね。しかし、ここには「あなたの学習時間」や「役所へ何度も通う交通費」、そして何より「失敗した時の修正費用」が含まれていない点に注意が必要です。

特に登録免許税は高額になりがちです。これは国に納める税金なので、専門家が間に入ろうが自分だろうが、1円たりとも安くなりません。この点を誤解していると、予算オーバーで青ざめることになります。

家族信託を自分でする手続きの全体像

家族信託を自分でする手続きの全体像

家族信託をDIYで完遂するためには、大きく分けて6つのステップをクリアする必要があります。私が普段業務で行っている流れですが、これを全てご自身で手配することになります。

期間としては、スムーズにいっても3ヶ月、慣れていないと半年以上かかる覚悟をしてください。

Step 1: 家族会議(法的・感情的合意形成)

ここが一番の難所です。親御さんが「ワシはまだボケてない!」と怒り出したり、他の兄弟が「兄貴が親の金を使い込む気だ」と疑心暗鬼になったり。専門家がいれば第三者として冷静に説明できますが、家族だけでやると感情論でストップしてしまうケースを山ほど見てきました。

もし家族会議がこじれそうなら、第三者の専門家に入ってもらうのが最も安全な近道です。 相続の不安や手続きをまるごと相談できる【相続サポート】 相続サポート

Step 2: 信託設計(誰に・何を・どうやって)

「誰に」「何を」「どうやって」託すかを決めます。全財産を信託する必要はありません。認知症による名義変更のリスクに備えるため、必要な「不動産」と「当面の管理費用」を選定するのがコツです。

Step 3: 契約書作成(ドラフティング)

法的に不備のない契約書案を作成します。ここでのミスは致命的です。後ほど詳しく説明しますが、単純なコピペは事故の元です。

Step 4: 公証役場での公正証書作成

公証人と事前打ち合わせを行い、当日は親御さんと一緒に公証役場へ出向きます。親御さんの意思能力確認が行われるため、認知症が進行していると、この時点でお断りされることもあります。

Step 5: 金融機関での口座開設

信託された現金を管理するための専用口座を作ります。ここがDIYにおける最難関の壁です。

Step 6: 法務局での信託登記

不動産の名義を「委託者(親)」から「受託者(子)」へ変更し、信託目録を登記します。

契約書の書式や雛形利用のリスク

インターネットで検索すれば、無料の契約書テンプレートや雛形が見つかることもあります。しかし、これをそのまま流用するのは「時限爆弾」を抱えるようなものです。

「売却」や「担保設定」の権限漏れ

ある雛形を使って契約した方が、数年後に介護費用捻出のために実家を売ろうとしたところ、「契約書に『売却』の権限が明記されていないため売れません」と不動産会社に断られた事例があります。

また、大規模修繕のためのローンを組もうとしても、「担保設定権限」がなければ融資は受けられません。

【ここが危ない!】 「管理・処分に必要な一切の権限」という曖昧な表現だけでは、登記官や銀行の審査を通らないことがあります。一つ一つの権限を具体的に列挙する必要があるのです。

それぞれの家族で「認知症の進行具合」や「将来施設に入るかどうか」、「他の兄弟との関係性」は違いますよね。他人の洋服が自分にぴったり合わないのと同じで、契約書もフルオーダーメイドでないと、いざという時に役に立たないのです。

公証役場で公正証書を作成する流れ

公証役場で公正証書を作成する流れ

「自分で作った契約書を公証役場に持って行けば、公証人が完璧に直してくれる」と思っていませんか?これは大きな間違いです。

公証人の役割と限界

公証人はあくまで「その契約が法律に違反していないか」「本人の作成意思はあるか」を確認するプロです。「あなたの家族にとって最適な節税対策か」や「将来の相続争いを防げるか」といったコンサルティングまでは行ってくれません。

私が以前相談を受けたケースでは、公証役場で作成したものの、内容が単純すぎて「これでは銀行口座が作れません」と金融機関から突き返された方がいました。

公証役場で作成できたからといって、その契約書が「実務で使える」とは限らないのです。

事前準備の重要性

公証人との打ち合わせは、通常メールやFAX、電話で行います。専門用語が飛び交う中、意図を正確に伝え、修正案を確認する作業は、法律慣れしていないとかなりのストレスになります。

おすすめの本で知識を補完する方法

それでもDIYに挑戦するなら、ネットの断片的な情報だけでなく、体系的に書かれた専門書を最低でも3冊は読み込んでください。情報は命綱です。

【プロが勧める学習ステップ】

  1. 入門書(概念理解) 『親が認知症になる前に知っておきたいお金の話』など。制度のメリットや事例を知るには良いですが、実務には不十分です。
  2. 実務書(手続き詳細) 『家族信託まるわかり読本』のような、手続きの流れが詳細に書かれているものを選びましょう。
  3. 専門書(契約書作成・登記) 司法書士等の専門家も参照する『民事信託の実務』のような厚い本。具体的な条項例や登記手続きの解説が必須です。

数千円の書籍代を惜しんで、数千万円の実家が「塩漬け」になってしまっては元も子もありません。ここはケチらずに投資し、法務局の相談員と対等に話せるレベルまで知識武装する必要があります。

コンサルタント @KAZU

書類作成より大変なのが「家族会議」です。私が担当した案件でも、親御さんが元気なうちは「まだ早い」と怒り出し、兄弟間では「兄貴が勝手にやる気だ」と疑心暗鬼になることがよくあります。DIYでやるなら、この感情のもつれを解く覚悟が必要です。

家族信託自分でやってみたブログに見る失敗事例

家族信託自分でやってみたブログに見る失敗事例

ここからは、実際に「家族信託自分でやってみた」という先人たちが直面した、泥臭い失敗談やトラブルについてお話しします。綺麗なサクセスストーリーの裏には、こうしたリスクが潜んでいます。

法務局での信託登記は難易度が高い

不動産の名義を親から子へ変える際、「信託登記」という特殊な手続きが必要です。これは通常の売買による登記よりも遥かに複雑です。

「信託目録」という魔物

特に難関なのが「信託目録」の作成です。ここには、委託者・受託者・受益者の情報だけでなく、信託の目的、管理・処分の権限、信託終了の事由などを、登記官が理解できる形式で記載しなければなりません。

記載ミスがあると、法務局から容赦なく「補正(やり直し)」を命じられます。平日の昼間に「3行目の文字が間違っています」という電話がかかってきて、何度も法務局へ呼び出され、心が折れてしまい、結局途中から私のような専門家に泣きついてくる方が後を絶ちません。

金融機関での口座開設が最大の壁

金融機関での口座開設が最大の壁

はっきり申し上げます。DIYにおける最大の壁は「銀行口座」です。

信託したお金を管理するには「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」という特殊な口座を作るのが理想ですが、多くの金融機関(特にメガバンクや地銀)は、「専門家(司法書士や弁護士)が作成に関与した公正証書」がないと、口座開設を断ります。

窓口で「自分で勉強して完璧な契約書を作りました!」と熱弁しても、行員さんは困った顔でバックヤードに消え、30分待たされた挙句に「本部の規定で、専門家の職印がない契約書では開設できません」と冷たくあしらわれるのがオチです。ネット銀行などはそもそも家族信託口座に対応していないケースが大半です。

「苦労して契約書を作ったのに、銀行で門前払いされた…」そんな絶望を味わわないために、口座開設まで確実にサポートしてくれる専門サービスを利用するのが賢明です。

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信託口口座が作れないデメリット

もし正規の信託口口座が作れない場合、やむを得ず「受託者(子供)個人の名義」で新しい口座を作り、それを「信託専用」として管理する方法(いわゆる屋号なし口座)をとらざるを得ません。

倒産隔離機能が働かない恐怖

これには致命的なリスクがあります。もし、万が一あなたが事業で失敗して破産したり、多重債務に陥って差し押さえを受けたりした場合、親から預かっているそのお金まで「あなたの個人財産」とみなされ、差し押さえられる可能性があるのです。

「自分は借金なんてしない」と思っていても、交通事故の加害者になって多額の損害賠償を負うリスクは誰にでもあります。この「倒産隔離機能」が働かないのは、DIYの大きなデメリットです。

1年ルールなど法的リスクの落とし穴

1年ルールなど法的リスクの落とし穴

信託法には、一般の方がほとんど知らない「1年ルール(信託法第163条第2号)」という落とし穴があります。

意図せず信託が強制終了する

簡単に言うと、「利益を受ける人(受益者)」と「管理する人(受託者)」が同一人物の状態が1年間続くと、信託は法律上、強制的に終了してしまうのです。

よくあるのが、父(委託者兼受益者)が亡くなり、受託者である長男が受益権を引き継ぐケースです。この瞬間、長男は「管理する人」であり「利益を受ける人」になります。

この状態のまま1年放置すると信託が終了し、不動産は長男の個人財産(または共有財産)に戻ってしまいます。その結果、本来避けたかった遺産分割協議が必要になり、親族トラブルが再燃するのです。

(出典:e-Gov法令検索『信託法』第163条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108#Mp-At_163

登記だけ司法書士に頼む賢い選択肢

ここまで読んで「全部自分は無理かも…でも費用は抑えたい」と思ったあなたへ。実は「ハイブリッド型」という賢い方法があります。

親族間の話し合いや、銀行との「口座作れますか?」といった予備交渉は自分で汗をかいて行い、一番ミスの許されない「契約書の最終チェック」と「相続登記の申請」だけを司法書士に依頼するのです。

これなら、フルサポート(コンサルティング込み)を頼むより費用を大幅に抑えつつ、法的な安全性と登記の確実性も担保できます。「全部自分で」か「全部丸投げ」かの二択ではありません。

自分の得意な部分と、プロに任せるべき部分を切り分けるのが、結果的に一番安上がりで確実な方法かもしれません。

家族信託自分でやってみたについてよくあるご質問FAQ

家族信託自分でやってみたについてよくあるご質問FAQ
家族信託は自分でやるといくらかかりますか?

実費として最低15万〜20万円程度は必ずかかります。 専門家への報酬は不要ですが、登録免許税や公証人手数料は誰がやっても同額発生します。決して「無料」や「数万円」ではできません。

家族信託の契約書に決まった雛形はありますか?

公的な決まった書式はなく、各家庭に合わせて作成が必要です。 ネット上の雛形は内容が古かったり、必要な条項(売却権限など)が抜けている場合が多いので、そのまま使うのは非常に危険です。

家族信託を自分でやるデメリットは何ですか?

銀行口座が作れないことと、法的不備のリスクが高いことです。 苦労して作っても、金融機関で使えなかったり、将来の相続で揉める火種を残してしまっては、制度を利用する意味がなくなってしまいます。

家族信託自分でやってみた際の最終結論

結論として、「家族信託自分でやってみた」は、資産が非常にシンプル(自宅のみ等)で、かつ家族仲が完璧に良く、ご自身に法的な学習意欲と平日に役所へ行く時間がある場合に限り「可能」です。

しかし、9割以上の方にとってはリスクの方が大きいのが現実です。

目先の数十万円をケチった結果、将来実家が売れなくなったり、親族と骨肉の争いになったりしては本末転倒です。

まずは無料相談などを活用し、プロの話を聞いて「自分のできること」と「任せるべきこと」を整理してから判断しても遅くはありませんよ。

コンサルタント @KAZU

家族信託は「契約して終わり」ではありません。親御さんが亡くなるまでの数十年、そしてその後も続く長いマラソンのスタートです。目先の数十万円より、将来の数十年の安心を選んでください。困ったときは、我々のような専門家をうまく「利用」するのも賢い手段ですよ。

費用も手間も抑えたいけれど、プロの安心感も欲しい。そんなワガママを叶えてくれるのが、ITを活用した新しい家族信託サービスです。まずは無料で資料を確認してみましょう。

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【今日からできるアクションプラン】

  • まずはAmazonで「家族信託 実務」と検索し、評価の高い専門書を1冊購入して読んでみる。
  • お正月やお盆を待たずに、今週末にでも実家に顔を出し「将来の管理」について親の意向を聞いてみる。
  • 地元の信用金庫などに「公正証書を自分で作っても、信託口口座は作れますか?」と電話で確認してみる。

最初の一歩が、家族の未来を守ります。まずは本を一冊買うところから始めてみましょう!

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この記事を書いた専門家

保有資格: 相続診断士 / 宅地建物取引士 / AFP(日本FP協会認定)など20種以上

不動産・金融業界で15年以上の実務経験、1,500件以上の相談実績を持つ相続・終活・不動産相続のプロフェッショナル。法律・税務・介護の専門家と連携し、ご家族に寄り添った円満な終活・相続を実現します。

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