家族信託の落とし穴とは?契約前に知るべき注意点15選

家族信託の落とし穴とは?契約前に知るべき注意点15選
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最近「家族信託ってよく聞くけど、うちにも必要なのかな…」と悩んでいませんか?

実は、家族信託には多くのメリットがある一方で、デメリットや後悔、さらには思わぬ危険もあるんです。

例えば、費用が高かったり、手続きを自分でやって失敗したり、「必要ないのに契約してしまった」と感じる人も少なくありません。

また、「家族信託の欠点は何ですか?」といった疑問や、「どこに頼むのが安心なの?」と迷う声も多く聞かれます。

さらに、「贈与税がかからないのはなぜ?」「任意後見とどちらがいいの?」など、気になるポイントも山ほどありますよね。

この記事では、家族信託にかかる費用や注意点から、後悔しない活用法までを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

あなたとご家族にとって、本当に信頼できる選択肢かどうか、一緒に考えていきましょう。

この記事のポイント
  • 家族信託の仕組みや任意後見との違い
  • 家族信託のデメリットや危険なケース
  • 家族信託にかかる費用と手続き方法
  • 家族信託を依頼すべき専門家の選び方
目次

家族信託とは?仕組みとメリットを解説

家族信託とは?仕組みとメリットを解説

家族信託と任意後見のどちらがいいですか?

現在の私は、将来のことを真剣に考えるタイミングで、この「家族信託」と「任意後見」の違いについて悩んでいた時期があります。

このように言うと難しそうに感じるかもしれませんが、どちらも高齢化社会において“意思能力の低下に備える手段”として注目されています。

ただし、それぞれの制度は目的も仕組みも大きく異なるため、誤った選択をしてしまうと後悔につながりやすいのが実情です。

 

比較表:家族信託と任意後見のちがい

比較項目家族信託任意後見
主な目的財産の管理・承継本人の生活・医療・福祉の意思決定補助
開始時期契約締結時から有効本人が認知症などで判断能力を喪失後に発効
財産の活用不動産の売却・運用が可能原則、消極的管理。積極的運用は制限あり
手続き信託契約+信託口座などの開設が必要公正証書による契約+家庭裁判所の審査あり
費用数十万円〜(登記など別途費用)数万円〜(公証人費用)+後見人報酬あり
裁判所の関与原則なし常時報告義務が発生
柔軟性高い(家族の判断で柔軟に管理可)制約が多い

 

実際、私の知人であるBさんの母親が認知症を発症したとき、任意後見契約だけに頼っていたため、いざ実行しようとしたときに家庭裁判所の審査や報告書の提出に苦労していました。

不動産を売却して介護施設の資金に充てたかったにもかかわらず、後見人としての権限が限定的だったため、希望していた資産の処分が思うようにできなかったそうです。

 

一方で、私の親族が導入した家族信託では、あらかじめ「子どもに信託しておいた自宅不動産」をスムーズに売却でき、入居した施設の費用も計画的に支払えたという話を聞いて、とても参考になりました。

このように、相続や不動産の活用も視野に入れる場合には、家族信託の方が柔軟に動けるのが大きな魅力です。

 

いずれにしても、「生活の意思決定の補助」がメインであれば任意後見、「財産の柔軟な管理と活用」が目的であれば家族信託が向いているといえるでしょう。

そしてもう一つは、両制度を併用するという選択肢もあるということです。

たとえば、生活や介護に関する部分は任意後見に任せ、財産や不動産の管理処分は信託契約を使うといった形です。

このため…

 

家族信託は贈与税がかからないのはなぜですか?

家族信託は贈与税がかからないのはなぜですか?

この質問には多くの人が誤解しやすいポイントが含まれています。

いくら信託という仕組みが便利とはいえ、「財産を家族に託す=贈与」と思ってしまう方が非常に多いです。

ですが、原則として家族信託では贈与税がかからないというのが正解です。

 

ではなぜ、税金が発生しないのでしょうか?

理由は、家族信託において「受託者(財産を託される人)」は財産の“名義”を預かっているだけで、“所有権”を得たわけではないからです。

言い換えると、管理者であって所有者ではないという立ち位置になります。

 

これを少し噛み砕いて説明すると…

例えば、お父様が高齢になって自宅の管理や口座の運用を息子さんに任せたいと考えたとします。

その際に家族信託契約を結び、不動産の名義を信託として息子さんの名義に変更したとしても、それは「管理の委託」であり「贈与」ではないとみなされるのです。

このとき、財産を使って利益を得るのは引き続きお父様(=受益者)なので、国税庁は「贈与とはみなさない」と判断しています。

 

ちなみに、下記のような構造になっているケースが一般的です。

役割人物権限と役割
委託者お父様財産を信託として託す
受託者息子さん管理・処分・契約実行などを担当
受益者お父様財産の利益を享受する人(贈与なし)

 

ただし、この信託構造において受益者を他人に変えた場合や、利益が他者に渡るような内容にした場合には、贈与税がかかる可能性があります。

また、「信託=贈与税ゼロ」と考えてしまうのは少し危険です。

実際、私の相談者の中には、受益者を変更したことで思わぬ課税対象になってしまったという方もいらっしゃいました。

このため、信託契約の設計段階で“誰が利益を受け取るか”を明確にすることが非常に重要です。

 

つまり、税務面での正しい理解と、契約構造の正確な設計がセットになってはじめて、家族信託の恩恵を安心して受けられるということになります。

ここでは、より具体的に「家族信託にかかる費用はいくらですか?」という点に焦点を当てて見ていきましょう。

家族信託にかかる費用はいくらですか?

このような相談を受けるたびに、私がよくお伝えしているのは「費用は一律ではなく、信託の設計内容によって変動します」ということです。

 

まず押さえておきたいのは、家族信託は“契約書を作って終わり”ではないという点です。

実際に信託を活用して財産を管理するには、専門家による設計・信託契約書の作成・不動産登記・口座開設など、いくつもの段階を踏む必要があるため、その分費用がかかってきます。

 

以下に、家族信託の費用の内訳を表にまとめました。

項目内容相場目安(税込)
信託契約書作成費用弁護士・司法書士・行政書士など15万〜30万円
公正証書作成費用公証人報酬+書類作成約5万円前後
不動産登記費用登録免許税+司法書士報酬5万〜15万円
信託口座開設サポート金融機関対応や資料整備3万〜10万円
全体のコンサルティング費用フルサポート型(初回〜信託完了まで)30万〜80万円程度

 

これを見て「結構かかるな…」と感じた方も多いと思います。

ただ、実際に「相続が発生してからのトラブル対応」に比べると、事前に家族信託で整備しておく方がコストを抑えられるケースも多いんです。

 

例えば、私の知り合いであるCさんは、父親の相続対策として家族信託を組みました。

初期費用は約60万円ほどかかったそうですが、父親が認知症を発症しても、不動産の売却や生活費の支払いがスムーズに行えたため、結果的には100万円以上の相続トラブル回避につながったと話していました。

一方で、別のケースでは、事前対策をしていなかったことで、兄弟間での財産管理をめぐって家庭裁判所に調停を申し立てるまでに発展し、弁護士費用だけで80万円超がかかったという話もあります。

 

つまり、「家族信託の費用は高い」というより、その金額で“何を予防できるか”を考えるべきなのです。

信託を通じて不動産や口座などの財産を円滑に管理できる仕組みを整えておけば、トラブルの芽を早期に摘み取ることができます。

このように考えると、多少の初期費用があっても、長期的にはむしろ「安心の保険」として有効ではないでしょうか。

次に、この家族信託の手続きを「自分でできるかどうか」について詳しく見ていきましょう。


家族信託 手続き自分でできる?注意点と流れ

家族信託 手続き自分でできる?注意点と流れ

この質問も多くいただきますが、答えを一言でまとめるなら「不可能ではないが、おすすめしません」となります。

実際に、法律の専門知識があり、登記や金融機関との交渉に慣れている方であれば、自力で信託契約を進めることも理論上は可能です。

ただし、多くの方にとってはハードルが高すぎるのが現実です。

 

というのも、家族信託は単なる契約書の作成ではなく、

  • 財産の特定と分割の検討
  • 管理者(受託者)の選任
  • 不動産や金融資産の信託化
  • 認知症発症リスクや相続の意向の反映
  • 金融機関への信託口座開設交渉
  • 必要に応じた登記・税務対応

など、多岐にわたるステップが必要になるからです。

 

信託手続きの一般的な流れ

手順内容注意点
1財産の棚卸と関係者の整理家族間の合意が前提
2信託設計と契約書ドラフト作成誤字脱字が法的効力に影響する
3公正証書の作成公証役場の予約や調整が必要
4不動産の信託登記登録免許税の扱いに注意
5金融機関で信託口座を開設銀行により対応可否が異なる

 

例えば、実際に私の元に相談に来られたDさんは、「ネットでテンプレートをダウンロードして、自分でやってみようとした」そうです。

しかし、契約書の中に「受益者死亡後の財産の帰属先」が曖昧になっていたため、金融機関で口座開設を断られてしまいました。

さらに、後から司法書士に見直してもらったところ、文面が無効になるリスクがある構成だったそうです。

結局、作り直しで二重に費用がかかってしまい、「最初から専門家に相談すればよかった」と悔やまれていました。

 

一方で、成功事例としては、あるご家庭が司法書士と連携し、不動産・預金・介護方針まですべてを信託設計に落とし込んだことで、親御さんが認知症を発症しても安定的に生活資金が確保できたというケースがあります。

その方の場合、専門家のサポート費用として約50万円程度かかりましたが、契約内容や不動産登記もスムーズに進み、トラブルゼロで運用できているそうです。

 

このように考えると、「自分で手続きできるかどうか」よりも、正しく、かつ安全に家族の財産を守れるかどうかを軸に判断すべきではないでしょうか。

次は、家族信託に関わる「どこに頼むのが適切か」について深掘りしていきます。


家族信託で後悔しないために知るべきこと

家族信託で後悔しないために知るべきこと

家族信託 デメリットとは?知られざる盲点

多くの方が「家族信託は万能な制度」と感じているかもしれません。

もちろん、家族の財産管理や認知症対策、相続準備において非常に役立つ制度であることは間違いありません。

しかし、その一方で、いくつかの“見落とされがちなデメリット”も存在するため、冷静に検討しておくことが必要です。

 

私が実際にサポートしたご家族の中にも、「契約の仕組みがよくわからず、とりあえず信託契約だけ結んでしまった」というケースがありました。

その後、受託者(信託財産を管理する人)がやるべき手続きや納税管理まで引き受けることになり、「思っていたよりも負担が大きかった」と後悔されていました。

 

ここでは、家族信託の主なデメリットを整理してみましょう。

家族信託の主なデメリット

デメリット内容補足ポイント
信託の仕組みが複雑契約構造や法的背景を理解するのが難しい専門家のサポートが必須
手続きや管理が煩雑信託口座の開設や不動産の登記など手間が多い銀行の対応も限定的
税務上の課題がある資産の移転タイミングや贈与税の誤解受益者次第で課税対象になることも
費用が高額になることも初期費用・専門家報酬・登記費用など相続対策全体で考える必要あり
柔軟な変更が困難一度契約した内容の変更には全関係者の同意が必要契約内容は慎重に設計を

 

例えば、信託財産に不動産が含まれている場合、信託登記の手続きと登録免許税の負担が発生します。

また、金融機関での信託口座開設に時間がかかったり、取扱い自体を断られたりすることも、現実的にはまだ多いのです。

 

さらに、受託者となったご家族が、管理責任を重く感じてしまい、かえって家族関係がギクシャクするケースもありました。

その方は、「親のために良かれと思ってやったのに、感謝されるどころか、“口座の残高が少ない”などの不満ばかり言われて、精神的にも辛くなった」と話していました。

 

こうして見ると、家族信託は便利な反面、運用する側の理解と協力がないと、むしろストレスの原因になりかねないという一面も持っています。

続いて、さらに実例を通して「家族信託の欠点」を掘り下げてみましょう。


家族信託の欠点は何ですか?実例から学ぶ注意点

家族信託の欠点は何ですか?実例から学ぶ注意点

このような質問を受けたとき、私が最初にお伝えするのは「どんな制度にも“向き不向き”がある」ということです。

 

家族信託の最大の欠点は、“柔軟性に見えて、実は契約構造が非常に固定されている点”です。

つまり、一度契約してしまうと、途中で内容を変えるのが非常に困難になってしまうのです。

 

以下に、よくある欠点と実例を交えて紹介します。

よくある家族信託の欠点と注意点

欠点実例注意点
契約後の変更が難しい受益者が亡くなった際、想定していなかった相続トラブルが発生「第二受益者」まで明記することが重要
受託者が管理に苦しむ管理義務や通帳管理のストレスから信頼関係が悪化管理者向けのマニュアル整備が必要
金融機関対応の不備一部の銀行では信託口座を受け付けていない事前に金融機関へ相談しておく
税務面の落とし穴遺言代用信託で相続税計算が複雑化税理士との連携が必須

 

実際、私のクライアントEさんは、お父様の財産管理として信託契約を結びましたが、その後、別の兄弟が受益権を巡って異議を唱える事態になりました。

このとき、契約書に「受益者死亡後の受益権の帰属者」が明記されていなかったため、結果的に家庭裁判所の判断にゆだねることになり、思わぬ手間と時間がかかったそうです。

 

また別のケースでは、受託者となった長男が「不動産を売却して生活費に充てよう」としたところ、契約条項に「売却権限の明示」がなかったため、登記もできず、数ヶ月間資金が動かせなかったという事例もあります。

このように、契約内容の曖昧さが実務上の支障になることが少なくありません。

 

さらに言えば、受託者が高齢だったり、他に仕事を抱えていたりすると、定期的な管理や報告、帳簿作成が負担になってくるケースもあるのです。

特に家族内で「任せたはいいけど、何も報告してくれない」と不信感が生まれると、相続時にもめごとが再燃しやすくなります。

 

だからこそ、家族信託を組む際は「手続きや管理のしやすさ」「将来の変化に対応できる柔軟性」「相続との連動設計」を、しっかり考えておくことが求められます。

次は、そうした信託を“どこに頼むべきか”という視点で掘り下げてみましょう。

家族信託 危険なケースとその回避法

家族信託はとても便利な制度ではありますが、設計や運用を間違えると、逆にトラブルを招く“危険なケース”になることもあります。

このように言うと驚かれるかもしれませんが、実際に失敗事例は少なくないんです。

 

例えば、私の知人のケースですが、「信頼していた長男を受託者にして信託契約を結んだものの、その後、不動産の売却について意見が対立して家族間で大喧嘩になった」という話がありました。

契約上、長男には不動産の売却権限がありましたが、それを実行したことで、次男が「相談もなしに勝手に売った」と激怒したのです。

このようなケースでは、事前に契約内容を明確に説明し、家族全員で理解しておくことが極めて大切です。

 

以下に、実際によく起こりがちな「危険なケース」と、その予防策を整理してみました。

危険なケース内容回避する方法
受託者が信託を私的に利用財産を勝手に使ってしまう監督人を設定し、報告義務を明記
家族間で信託の目的を共有していない後の相続で争いになる信託契約前に家族で合意形成を図る
金融機関で信託口座が開設できない手続きが進まない事前に銀行の取り扱い状況を確認
契約が複雑で理解されていない誤った運用につながる弁護士・司法書士のサポートを受ける

 

こうしたトラブルを防ぐためには、「信託だから安心」と思い込まず、家族全員の合意と理解が不可欠です。

また、認知症リスクに備えて早めに準備することは大切ですが、「誰が何をするのか」の役割分担まで丁寧に決めておく必要があります。

 

さらに、受託者となる人には、財産の管理や不動産の名義変更など、専門的な知識や責任感が求められるため、軽い気持ちで任せるのは危険です。

そのため、「私が」「誰かに」ではなく、適切なサポートを受けながら制度としてしっかり設計することがカギになります。

 

それでは次に、そもそも「家族信託は必要ない」と考える人の理由について見ていきましょう。


家族信託 必要ないと言われる理由とは?

家族信託 必要ないと言われる理由とは?

「家族信託って、うちには必要ないよね?」

このように感じている方は少なくありません。

でも、それにはちゃんとした理由があるんです。

 

多くの場合、「家族信託は複雑でお金がかかる」といったイメージが先行していて、“本当に必要かどうか”の判断基準を知らないまま選択肢から外してしまっていることが多いです。

実際、次のような条件に当てはまる場合、家族信託は「今は必要ない」と判断されることが一般的です。

必要ないと言われるケース説明
財産が少額(現預金のみ)通常の遺言で対応できる場合が多い
家族関係がシンプル配偶者と子どもで相続が想定どおりに進む
認知症対策がすでにできている任意後見契約を結んでいる、成年後見人がいる
手続きや管理の負担を避けたい信託は口座管理や報告義務があり、面倒と感じる人も

 

例えば、私が以前相談を受けた70代のご夫婦は、「不動産は持っておらず、財産は預金のみ。息子一人で相続も特に揉める心配がない」とおっしゃっていました。

このケースでは、家族信託ではなく“公正証書遺言+エンディングノート”で十分だと判断し、費用も労力も最小限で済みました。

 

また、家族信託には専門家への報酬、登記費用、口座開設の煩雑さなどがついて回るため、「やらなくても大丈夫なら避けたい」という心理が働きやすいのも自然です。

 

ただし注意したいのは、「今は必要ない」という判断が、将来的にも正しいとは限らないということです。

認知症リスクが高まったり、相続人に変化が出た場合、あらためて家族信託の必要性が浮上する可能性もあるからです。

 

このように、「必要ない」とされる背景には合理的な理由がある一方で、状況によっては後から「やっぱりやっておけばよかった」と感じることもあるんです。

それでは次に、家族信託を検討する際に「どこに頼むのがいいのか」について詳しく見ていきましょう。

家族信託 どこに頼むのが正解?専門家の選び方

家族信託を始めるとき、「誰に頼めばいいの?」というのは最初にぶつかる悩みです。

家族で話し合っても「司法書士?税理士?それとも弁護士?」と、相談先がたくさんある中で迷ってしまうのは当然のことかもしれません。

 

実際、私の知人のAさん(60代男性)は、認知症対策のために不動産を信託したいと考え、知り合いの税理士に相談しました。

ところが、その税理士さんは信託契約書の作成経験がなく、専門外だったため途中でストップしてしまったんです。

結局、司法書士にあらためて相談し直すことになり、最初からやり直し。

結果的に時間も費用も2倍近くかかってしまったという残念なケースでした。

 

このような失敗を避けるためには、自分の信託の目的に合った専門家を選ぶことが大切です。

以下に、依頼先別の特徴をまとめてみました。

専門家の種類得意分野向いているケース費用の目安(参考)
司法書士契約書作成、不動産の名義変更不動産信託・登記が関係する場合20万〜40万円前後
弁護士家族トラブル予防、法律リスクの整理相続争いや契約内容に不安がある場合30万〜50万円以上
税理士相続税、贈与税の試算・申告財産が多く税対策もしたい場合10万〜30万円前後
行政書士文書作成の補助簡易的な信託やサポートが必要な場合5万〜20万円程度

 

それでは、実際に「この人に頼もう」と決めるには何を見ればよいのでしょうか?

私は以下の3つのポイントを重視しています。


① 家族信託の実績があるか?

これが何より大事です。

信託は専門性が高いため、過去に複数件の実務経験があるかどうかで安心感がまったく違うからです。

初回相談のときに「過去に何件くらいやっているか?」「どんな信託の種類に対応できるか?」をしっかり聞いてみてください。

 

② 説明がわかりやすく、家族への配慮があるか?

信託は契約内容が複雑になりやすく、家族の理解が得られないまま進めるとトラブルの原因になります。

専門家によっては、法的な説明ばかりで、一般人にはピンとこない話を延々とする人も…。

「初めての方にもきちんと噛み砕いて説明してくれるか?」をよく確認しましょう。

できれば、ご家族と一緒に相談に行ってみるのもおすすめです。

 

③ 複数の士業が連携しているか?

相続・税務・登記・契約書など、家族信託にはさまざまな分野の知識が必要です。

そのため、司法書士と税理士が連携している事務所や、ワンストップ型の信託専門サービスに相談するのも有効です。

特に高額な不動産や複数の財産がある場合は、ワンストップ型の方がトータルコストも時間も抑えやすい傾向にあります。

 

このように、信託契約を安心して進めるには「誰に頼むか?」がすべての土台になります。

家族の大切な財産を預けるからこそ、相性の良い、そして信頼できるパートナー選びが必要不可欠なんです。

 

次は、信託そのものの制度的な仕組みとして「なぜ贈与税がかからないのか?」について見ていきましょう。

家族信託の全体像と検討時に押さえるべき要点

家族信託の全体像と検討時に押さえるべき要点
  • 家族信託は認知症による財産凍結リスクの回避に有効
  • 不動産や口座など複数の財産を一括管理できる仕組み
  • 信託契約は専門家の関与でスムーズに進めやすい
  • 家族信託は契約後の財産管理が柔軟にできる
  • 任意後見制度よりも事前設計の自由度が高い
  • 財産を託す受託者の選定が制度運用の鍵となる
  • 信託口口座の開設は金融機関の対応状況に左右される
  • 贈与税が原則発生しないため税務上の利点がある
  • 相続開始前から資産承継の準備ができる点が特徴
  • 信託監督人の設置で受託者の暴走を防止できる
  • 専門家選びを誤ると費用だけかかって形骸化するリスクあり
  • 財産内容が単純な場合は他制度の方が効率的なこともある
  • 定期的な管理報告と契約の見直しが必要となる
  • 家族の理解と協力が円滑な信託運用には不可欠
  • トラブル回避には契約前の家族間説明と合意が重要

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