相続放棄の手続きと注意点を徹底解説!後悔しない進め方とは

相続放棄の手続きと注意点を徹底解説!後悔しない進め方とは
  • URLをコピーしました!

相続放棄って聞くと、「手続きが大変そう…」「そもそも私に必要なのかな?」って不安になりますよね。

相続放棄の手続きは、タイミングや必要書類を間違えると、取り返しがつかないことにもなりかねません。

特に、相続放棄できないケースや、相続放棄にかかる費用、そして相続放棄のデメリットなどは事前にしっかり知っておくことが大切です。

また、相続放棄する前にやってはいけないことは?といった注意点も、身近な兄弟や親族が関わる場面ではとても重要になってきます。

この記事では、相続放棄の期間や流れ、自分で手続きする方法まで、わかりやすく丁寧に解説します。

「親族みんなが相続放棄したら何が起こるの?」という疑問や、「相続放棄をすると何が失われるの?」といった気になるポイントも、具体的な体験談を交えてご紹介しますね。

あなたやご家族が後悔しないために、この記事が少しでも安心につながればうれしいです。

この記事のポイント
  • 相続放棄の手続きの流れと必要書類の内容
  • 相続放棄の期限やできないケースの具体例
  • 相続放棄のデメリットと注意すべき行動
  • 親族全員が相続放棄した場合の影響
目次

相続放棄の基本と手続きの流れ

相続放棄の基本と手続きの流れ

相続放棄 手続きはどう進める?

相続放棄の手続きは、思っている以上にシンプルに見えて、実はちょっとした落とし穴もある大切なプロセスです。

特に大切なのは、「相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申述すること」です。この“3か月ルール”を守らないと、自動的に相続を承認したとみなされてしまい、被相続人の債務(借金)まで引き継ぐことになります。

実際、ある女性が「父は財産なんてほとんどないから大丈夫」と思い込んで放置していたところ、実は消費者金融から数百万円の借金があり、気づいたときには3か月を過ぎていて、相続放棄ができなかったというケースがありました。

では、具体的な流れを以下にご紹介します。


相続放棄の手続きの流れ

手順内容注意点
相続開始を確認(死亡の把握)被相続人が亡くなった日=相続開始日です
財産の調査(プラス・マイナス)預金、不動産、借金、保証債務などを調べます
相続放棄の意思決定相続人が単独で放棄するかどうかを判断します
相続放棄申述書を作成各家庭裁判所の様式で記入します
管轄の家庭裁判所へ提出被相続人の最後の住所地が管轄です
照会書への回答と受理通知裁判所から届く質問状に対応します

このように見ていくと、手順自体はそこまで難しくなさそうですよね。

ただ、ひとつでも順番を飛ばしてしまったり、誤った書類を提出したりすると、再提出や却下されることもあります。

例えば「相続人の範囲がわからなかったので全員の戸籍を揃えなかった」ことで、家庭裁判所から「追加書類を提出してください」という連絡があり、ぎりぎり3か月以内の提出に間に合わなかった…という相談も実際にありました。


このような失敗を防ぐためには、専門家に相談する、または裁判所の窓口に事前に問い合わせをしておくことが安心です。

そして、次に気になるのは「じゃあ実際どんな書類が必要なの?」というところですよね。

相続放棄 必要書類を詳しく解説

相続放棄 必要書類を詳しく解説

相続放棄の申述をするには、単に「やりたい」と伝えるだけでは足りません。

家庭裁判所に対して、「相続人としての立場があり、その立場を放棄したいという事実」を証拠書類と一緒に申述する必要があるからです。

このときに大切なのが、必要書類を正確に、かつ漏れなく揃えることです。


基本的な必要書類一覧

書類名内容・用途調達先
相続放棄申述書相続放棄の意思を記載する主文書裁判所HPまたは窓口で取得
被相続人の住民票除票または戸籍附票最後の住所を確認するため市区町村役場
被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本被相続人の死亡を証明本籍地の役所
申述人(放棄する人)の戸籍謄本相続人であることを証明本籍地の役所
収入印紙(800円)申述手数料郵便局・コンビニなど
郵便切手(裁判所ごとに異なる)連絡用裁判所の指示に従う

これに加えて、被相続人との関係性によって追加で必要な書類が変わることにも注意が必要です。

例えば、兄弟姉妹が相続放棄する場合には、「被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍」や「子・親の死亡がわかる戸籍」が求められることがあります。

また、申述人が未成年者である場合には、親権者と子どもが同時に申述しないとき、特別代理人の選任が必要になります。


実際にこんな失敗例がありました。

「書類は揃っていたと思って提出したけれど、実は被相続人の本籍地が変更されており、出生からすべての戸籍を揃えられていなかったために再提出となった」というケースです。

このような場合、1通の戸籍が届くまでに1週間以上かかることもあるため、3か月の期限に間に合わなくなるリスクもあるのです。


このように、相続放棄の書類集めにはちょっとした「落とし穴」が多くありますが、ポイントを押さえておけば安心です。

ここからは、相続放棄を自分で手続きしたいときに注意すべき点をご紹介します。

相続放棄 兄弟がする場合の注意点

相続放棄は、必ずしも子どもや配偶者だけの問題ではありません。

被相続人に子どもや親がいない場合、兄弟姉妹が相続人になることがあります。

このとき、「兄弟が相続放棄をする場合」は、少し複雑な点があるので要注意です。


まず押さえておきたいのは、兄弟が相続人になるのは第3順位の相続人としてです。

つまり、被相続人の子ども(第1順位)と親(第2順位)が全員亡くなっている、または放棄しているときに、はじめて兄弟に相続権が回ってきます。


例えば、被相続人が独身で子どももいない場合、最初は「親に相続権がある」と思いがちです。

でも、両親もすでに亡くなっていたとしたら、次に相続するのは兄弟姉妹となるのです。

ここで、「兄弟が相続放棄したらどうなるのか?」と気になる方も多いと思いますよね。


実際の注意点を以下にまとめました。

兄弟の相続放棄で注意すべきポイント

ポイント内容
起算点がズレる**「死亡日から3か月」ではなく、「相続が自分に回ってきたと知った日から3か月以内」**がカウントの開始
書類の量が多い被相続人の「出生から死亡までの戸籍」や、子・親の死亡を証明する戸籍などが必要
甥・姪には代襲しない兄弟が放棄しても、その子(甥や姪)に相続権は移りません
全員放棄で相続人不在に兄弟姉妹全員が放棄すると、財産は国庫に帰属することもあります

ここで、実際の失敗談をひとつ。

ある男性が亡くなり、子どもも親もすでにいなかったため、妹と弟が相続人になりました。

妹は「借金が多そうだから放棄する」とすぐ決断。弟は「何か財産あるかも」と様子を見ていたのですが、結局手続きを忘れてしまい、3か月が経過。

結果、弟が債務ごとすべて相続してしまい、多額の借金返済を抱えることに…


このように、兄弟姉妹の相続放棄では「いつ自分が相続人になったと知ったか」が起算点になります。

通知書や手紙、他の相続人からの連絡があった日を忘れずにメモしておくことが大切です。

この流れを理解するには、次の見出しでご紹介する「相続放棄 期間とその起算点」が重要になってきます。

相続放棄 期間とその起算点とは?

相続放棄 期間とその起算点とは?

相続放棄には、実は厳密な「期限」があることをご存知でしょうか?

しかもこの期限は、「いつから3か月」なのかがとても重要で、多くの人が勘違いしやすいポイントでもあります。


まず基本となるルールは、「自分が相続人になったことを知った日から3か月以内」に家庭裁判所に申述するということです。

ここで間違いやすいのが、「被相続人が死亡した日から数えて3か月」と思ってしまうこと。

でもそれは、必ずしも正解ではありません


例えば、以下のようなケースで起算点がズレることがあります。

ケース起算点(スタートの日)
遺言書を開封して初めて相続人だと知った遺言書を見た日
債権者から請求書が届いて気づいた書面が届いた日
他の相続人から「あなたが相続人」と伝えられた連絡を受けた日

また、こんな失敗談もあります。

叔父が亡くなった後、ある女性が「私は関係ない」と思い込んでいたところ、叔父には子も親もおらず、彼女が相続人だったと後日知らされました。

その時点ではすでに死亡から3か月以上経っており、「間に合わなかったかも」と焦りましたが、「知らされた日」からのカウントだったため無事に相続放棄できたという事例があります。


なお、**判断がつかない場合は、「相続放棄の期間を延長する申立て」**も可能です。

家庭裁判所に理由書を添えて申述すれば、調査時間が足りないときなどに認められることがあります。


このように、「いつからカウントするのか?」を正確に理解していないと、相続放棄そのものが認められないという事態になりかねません。

では、相続放棄の期間を意識しつつ、自分で手続きしたいと考えている方に向けて、次は「相続放棄 手続き 自分でできるの?」を詳しく見ていきましょう。

相続放棄 手続き 自分でできるの?

相続放棄の手続きは、必ずしも専門家に頼らないといけないわけではありません。

実は、ある程度の情報と注意点を押さえれば、自分でも対応できる内容です。

ただし、書類の収集や記入ミス、提出期限の管理には十分気をつける必要があります。


たとえば、ある主婦の方が「父が借金を残して亡くなったので、相続放棄を自分でやろう」と決めたそうです。

インターネットで調べながら申述書を作り、戸籍も集めて郵送したのですが、申述書に記載ミスがあり、家庭裁判所から照会書が届いて焦ったとのことでした。

照会書にちゃんと対応すれば受理はされるのですが、「もう少し早く専門家に聞いておけばよかった」と後悔したそうです。


では、実際に「自分でできる相続放棄の手続きの流れ」をご紹介します。

自分で相続放棄する場合の流れ

手順内容ポイント
相続放棄の意思決定相続財産の内容(プラス・マイナス)を調査しましょう
書類の収集被相続人の除票、戸籍、申述人の戸籍などが必要です
申述書の作成裁判所HPにある様式を使って記入します
家庭裁判所へ提出管轄は被相続人の最後の住所地の裁判所です
照会書が届く場合あり回答して返送すれば、通常は問題なく手続き完了です
申述受理通知が届くこれで正式に相続放棄が成立します

ここで、自分でやる場合と専門家に依頼する場合の違いを比べてみましょう。

項目自分で手続き専門家に依頼
費用数千円(印紙・戸籍代など)約3万円〜10万円(司法書士報酬)
時間調査・記入に3〜5時間は必要書類準備を任せられるので時短
安心感自己判断が求められる法的ミスのリスクが低い
難易度書類の読み解きに不安があると大変不慣れな人でも安心して進められる

実際、申述書や照会書の文面は少し堅苦しい表現が多いため、「これってどういう意味?」と悩む方も多いです。

また、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めるのも、戸籍が複数の市町村にまたがっていると時間がかかります。

ある方は、戸籍が昔の「縦書き手書き形式」だったため読み間違え、誤った相続人情報を提出してしまい、家庭裁判所から訂正を求められたというケースもありました。


とはいえ、時間と根気がある方には、自分で進めるメリットも多いです。

費用を抑えたい方や、手続きの流れを自分でしっかり把握したい方にとっては、勉強にもなりますし、後から家族にも説明しやすくなりますよ。

このように、手続きは「やろうと思えばできる」ものですが、次に確認しておきたいのが、「相続放棄をする前にやってはいけないこと」についてです。

うっかりしていると放棄そのものが認められなくなってしまう可能性もあるので、ぜひ続けてご確認ください。


相続放棄の注意点とデメリット対策

相続放棄の注意点とデメリット対策

相続放棄 デメリットは何がある?

相続放棄にはメリットが多いとされていますが、実は見落とされがちなデメリットも存在します。

特に「借金を背負いたくないから放棄する」という判断だけで動いてしまうと、あとから思わぬ後悔につながるケースもあるので注意が必要です。


たとえば、あるご家庭では父親が亡くなり、借金もあったので「プラスの財産は少ないだろう」と思い、長男がすぐに相続放棄をしました。

しかし後日、父親名義で時価2,000万円相当の土地があることが判明し、結果的にその土地を放棄せざるを得なくなったという事例があります。

このように、相続財産の全容を調べる前に放棄してしまうと、大切な財産も手放すことになるのです。


では、実際にどんなデメリットがあるのか、わかりやすく一覧にまとめてみました。

相続放棄の主なデメリット

デメリット内容
プラスの財産も引き継げない不動産・預貯金・有価証券なども放棄対象になります
一度放棄すると撤回できない原則として、申述が受理されたら取り消し不可です
他の相続人への影響が大きい放棄すると、他の相続人に債務の負担が移ります
特定の人とだけ距離を置くことはできない遺産分割協議を避ける目的でも、相続人ではなくなります
祭祀財産の承継義務は残ることがあるお墓や仏壇の管理責任は残る可能性があります

特に「一度放棄すると取り消しができない」という点は、多くの方が後悔してしまう原因になります。

放棄後に「実は借金より財産のほうが多かった」とわかっても、もう相続人としての立場は失われているため、その財産をもらうことはできません。

また、「相続したくない人がいるから、トラブル回避で放棄する」というケースもありますが、放棄してしまうとそもそも協議の場にも入れなくなるので、自分の主張が通らなくなってしまう可能性もあります。


さらに、家族間の調整ができていないと、放棄によって他の相続人にすべての債務が回ってしまい、親族間トラブルに発展することもあります。

このように、相続放棄は一見シンプルな判断のようでいて、実はいくつもの影響を及ぼす選択でもあるのです。

そうしたリスクを避けるためには、次にご紹介する「相続放棄 できないケースとは?」をしっかり理解しておくことがとても大切です。

相続放棄 できないケースとは?

相続放棄 できないケースとは?

相続放棄は「やりたいと思えば誰でもできる」と思われがちですが、実際には「できない」と判断されるケースも存在します。

家庭裁判所はすべての申述を無条件に受理するわけではありません。

少しでも単純承認(=相続を受け入れたと見なされる行為)があると、放棄が認められない場合があるのです。


たとえば、「故人の口座から葬儀費用を支払った」だけであれば、常識的な範囲内の費用として放棄は可能です。

しかし、生前の未払い医療費や家賃、クレジットカード代を相続人が支払ってしまった場合、それは相続財産の処分に該当し、放棄ができなくなる可能性があります。


ここで、「どこまでがOKで、どこからがNGなのか?」という基準を表にまとめてみました。

相続放棄ができる/できない行為の一例

行為内容放棄可能か理由・補足
お墓や仏壇を引き継ぐ祭祀財産は相続財産ではない
故人の口座から葬儀費用支払い常識的範囲であればOK
故人名義の不動産を売却×明確な財産処分行為に該当
借金返済を肩代わりした×債務引受と見なされる
家の掃除や片付けのみ所有権を主張していなければ可

実際にあったケースで、父の家を片付けていた女性が「古い不動産の書類が出てきたから、念のため役所に移転登記を申請した」とのこと。

その後、相続放棄を申述したのですが、登記の申請をしたことで「財産を承認した」と判断され、放棄が認められなかったという事例がありました。

たった1つの行動でも、裁判所に「あなたは相続する気だったのでは?」と判断されることがあるということなんです。


さらに注意が必要なのは、「期限が過ぎてしまったケース」です。

相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければ、原則として放棄はできません。

ただし、「相続財産があることを知らなかった」「相続人になったことを知らなかった」という事情が証明できれば、例外的に認められることもあります。

このように、相続放棄は「すれば終わり」という単純な話ではなく、状況によっては「そもそもできない」こともあるのです。

続けて、そうした相続放棄の前に「絶対にやってはいけないこと」をご紹介しますので、判断を誤らないためにもぜひ読んでみてください。

相続放棄する前にやってはいけないことは?

相続放棄を考えているとき、無意識にやってしまった行動が「放棄できない原因」になることがあるのをご存じですか?

特に、相続財産に手をつける前に何気なくやってしまうことが、家庭裁判所で「相続を承認した」と判断されるリスクになるのです。


たとえば、ある男性が父親の死亡後、すぐに父の家を掃除しに行ったそうです。

その際に「もったいないし、処分しておこう」と思って、家具や電化製品などを売却してしまったとのこと。

後から借金が発覚し、相続放棄をしようとしましたが、その売却行為が「相続財産の処分」にあたるとして、放棄が却下されたのです。


こうした失敗を避けるために、相続放棄を決める前に絶対にしてはいけない行動を以下にまとめました。

相続放棄の前にやってはいけない行為一覧

やってはいけないこと理由
被相続人名義の預金を解約財産を引き出す=承認とみなされます
不動産を売却・貸し出し処分行為で放棄できなくなります
借金の返済を行う債務を引き受けたと判断されます
家財道具などを第三者に譲渡相続財産の消費に該当します
被相続人の年金や保険金を勝手に受け取る一部は相続財産に含まれる場合があります

もちろん、すべての行為がアウトというわけではありません。

例えば「葬儀費用の支払い」は常識の範囲であれば問題ないとされています。

しかし、それも被相続人の預金からではなく、相続人の自己負担で支払うのが無難です。


実際にあったケースでは、叔父の死亡後に姪が「年金の支給日が来たので自分の口座に振り替えた」ことで、相続を受け入れたとみなされ、相続放棄ができなくなったという例もあります。

年金は一見、相続財産に見えないこともありますが、受給日前に死亡していた場合、その年金は本来の受給者ではなく相続財産扱いになるため要注意です。


このように、何が「承認」とみなされるかは非常に繊細な判断です。

「ちょっとしたことだから大丈夫」と思わず、相続放棄を決断するまでは、被相続人の財産や債務には一切手を触れないのが鉄則です。

次に、実際に相続放棄を進めるときに気になる「費用面」について確認していきましょう。

相続放棄にかかる費用は?

相続放棄にかかる費用は?

相続放棄をするにあたって、手続きは意外とシンプルなのですが、「**どのくらい費用がかかるの?」というご質問もとても多いです。

結論から言うと、自分で手続きする場合と専門家に依頼する場合とで、金額には大きな差があります。


たとえば、自分で家庭裁判所に申述するだけであれば、必要なのは収入印紙代・郵便切手・戸籍取得の実費のみです。

以下に、ざっくりとした目安をまとめてみました。

自分で相続放棄する場合の費用目安

項目費用目安備考
収入印紙800円(申述人1人あたり)裁判所提出用
郵便切手約400〜1,000円裁判所ごとに異なります
戸籍・住民票・除票など1通450円程度(数通必要)被相続人・申述人の両方分が必要
合計目安約2,000円〜5,000円手間はかかるが安価です

一方、司法書士や弁護士に依頼する場合は、当然ながら報酬が発生します。

依頼する内容や地域によっても異なりますが、下記が一般的な相場です。

専門家に依頼した場合の費用相場

専門家の種類報酬相場備考
司法書士約3万円〜6万円書類作成・提出代行含む
弁護士約5万円〜10万円以上相続人間のトラブル対応も可

たとえば、あるご家庭では、母親が突然亡くなり、家族が慌てて司法書士に相続放棄の相談をしました。

最初は「費用が高いかも」と迷ったそうですが、必要な戸籍の種類や申述書の書き方まで丸ごと任せられたことで、ストレスなくスムーズに完了できたそうです。

結果的に「お金はかかったけど、間違えて放棄できなくなるより何倍もよかった」とのことでした。


このように、「費用が安い=手間がかかる」「費用が高い=安心できる」という特徴があります。

ご自身で申述に慣れていない方や、相続財産や債務の調査に不安がある方は、専門家への依頼を検討するのもおすすめです。

続けて、相続放棄に関してもうひとつ気になる「家族みんなが放棄したらどうなるのか?」という問題についても確認していきましょう。

親族「みんなが相続放棄」をすると、何が起きる?

もしも親族全員が相続放棄したら、相続財産はどうなるの?と心配になる方も多いと思います。

実は、すべての相続人が放棄をすると、相続権が“次の順位の人”へと移っていく仕組みになっているんです。

例えば、配偶者や子どもが相続人だった場合、彼ら全員が放棄すると、相続権は兄弟姉妹や甥・姪へと順番にまわっていきます。


私の友人のケースですが、叔父さんが亡くなったあと、両親が借金を恐れて相続放棄をしました。

それで話が終わりかと思いきや、次に相続の案内が彼女のところに来てビックリ!

まったく関係ないと思っていたのに、「放棄しないとあなたが相続人になります」と家庭裁判所から通知が届いたのです。


以下のように、放棄の流れと影響を表にまとめてみました。

(※表示された表をご覧ください)


このように、みんなが放棄すれば“財産は自動的になくなる”というわけではないことがわかりますよね。

最後の最後まで放棄されると、最終的には相続財産は国のものになる(国庫帰属)という流れになります。

ただし、これには手続きが必要ですし、放置されている空き家や負債の管理などを含めて、結局は誰かが関わらなければならないケースもあるので要注意です。

では次に、相続放棄をした場合に「具体的に失われてしまうもの」について見ていきましょう。


相続放棄をすると何が失われますか?

相続放棄をすると何が失われますか?

相続放棄って、ただ「面倒を避けるための手段」だと思われがちですが、実は“失うもの”もいくつかあるんです。

中でも大きいのは、プラスの財産相続人としての権利のすべてを手放すことになるという点。


私の知り合いが体験した話ですが、お父さんの死亡後に借金があると聞いて、すぐに相続放棄したそうです。

でもあとから、田舎に残されていた土地に“古い神社との契約による寄付の見返り”があり、地域の方に感謝されていたことが判明

「実はあの土地、毎年お米とお野菜がもらえる“特典付き”だったのよ…」と知ったときにはもう遅くて、放棄していたため何の権利もなくなっていたそうです。


つまり、相続放棄をすると以下のような“良いこと”も全部手放すことになります。

相続放棄で失われるものの具体例

  • 預貯金・不動産などのプラスの相続財産
  • 被相続人との特別な関係による恩恵(契約や地域の慣習など)
  • 相続人としての管理・処分の権利
  • 相続人間での調整・遺産分割への参加権
  • 家族間での“最後の恩返し”の機会

もちろん、債務(借金)や面倒な契約から逃れられるメリットはありますが、知らずにプラスの財産まで一緒に手放してしまうことも多いのが現実です。

そのため、相続放棄を考えるときは、「債務があるからすぐ放棄」ではなく、全体の財産をよく調べてから判断するのが本当に大切です。

相続放棄に関する重要ポイントのまとめ

  • 相続放棄は家庭裁判所への申述で成立する
  • 放棄の期限は原則「死亡を知ってから3ヶ月以内」
  • 相続放棄をすると最初から相続人でなかった扱いになる
  • すべての相続人が放棄すると次順位の相続人に権利が移る
  • 親族全員が放棄すると財産は最終的に国庫へ帰属する
  • 相続放棄をしても他の相続人の放棄に影響はない
  • 手続きには戸籍謄本や申述書などの必要書類がある
  • 自分で手続きする場合でも慎重に内容確認が必要
  • 相続放棄後は遺産分割協議に参加できない
  • プラスの財産も一切受け取ることができない
  • 相続放棄のデメリットには誤認や損失も含まれる
  • 調査せずに放棄すると後悔するケースも多い
  • 相続財産に触れる行為は放棄を妨げる可能性がある
  • 家族全体での意思統一と情報共有が欠かせない
  • 不動産や債務が絡む場合は専門家への相談が有効

こちらもおすすめの関連記事です

相続税計算の基本と節税のコツを図解で徹底解説

相続放棄の手続きと注意点を徹底解説!後悔しない進め方とは

家族信託の落とし穴とは?契約前に知るべき注意点15選

不動産名義変更相続で損しないための注意点と費用相場を解説

初心者でも安心!遺言書書き方の完全手順

相続放棄の手続きと注意点を徹底解説!後悔しない進め方とは

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次