終活とは何か？今から始める人生の不安を減らす方法

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「終活とは何をするのですか？」と、ふと気になったことはありませんか？

終活とは、“人生の終わりの準備”を意味する言葉で、厚生労働省もその重要性を伝えています。

「終活とは何歳から始めるのがいいの？」「おひとりさまでも大丈夫？」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

最近では、終活を20代や50代から始める方も増えていて、決して年配の方だけの話ではなくなってきました。

英語では“End-of-life Planning”とも呼ばれ、世界的にも注目されている活動なんです。

この記事では、終活とは何をするのか、何から始めるべきか、そして終活で大切な10のことについてわかりやすくご紹介していきます。

「終活とは？」と気になった今こそ、行動を始める絶好のタイミングかもしれません。

この記事のポイント

終活とは何か、どんな意味を持つのかを理解できる
終活は何歳から始めるのが一般的かを知ることができる
終活の始め方や準備すべき具体的な内容がわかる
終活が家族や自分の人生に与えるメリットを知ることができる

終活とは何かを簡単に解説

終活とは何をするのですか？

結論からお伝えすると、終活とは「人生の終わりに向けて、自分と家族のために行うあらゆる準備」のことです。

具体的には、財産の整理・医療や介護に関する意思表示・葬儀の希望・お墓の選定・エンディングノートの作成など、多岐にわたります。

ただ単に「死ぬ準備」というよりも、「残りの人生を自分らしく生きるための行動」でもあるのが特徴です。

例えば、ある60代の女性がいました。

彼女は子どもがいないおひとりさまで、将来に対して強い不安を感じていたそうです。

「私が死んだあと、誰が葬儀をしてくれるの？」「認知症になったら、誰が財産を管理してくれるの？」——そんな疑問を抱きながらも、何から始めていいかわからずに時間だけが過ぎていきました。

あるとき、自治体の終活セミナーに参加したのをきっかけに、彼女は終活を本格的にスタート。

最初にエンディングノートを書きはじめ、医療の希望や連絡してほしい友人の連絡先、財産の内訳などを少しずつ整理しました。

さらに、任意後見契約と死後事務委任契約も専門家と一緒に進めて、もしものときに備える体制を整えたのです。

このように、終活で行うことは主に以下の5つに分かれます。

終活で行うこと	内容の一例
1. 財産の整理	銀行口座・不動産・保険などを一覧化する
2. 医療・介護の意思表示	延命治療の希望、入居したい施設の希望など
3. 葬儀やお墓の準備	葬儀の形式や予算、納骨場所の希望を明確にする
4. デジタル終活	スマホ・SNS・ネット銀行などのID・PW管理
5. エンディングノートの作成	上記すべてを一冊のノートにまとめる

終活を通してこうした準備をしておくと、死後に家族が困ることが格段に減り、気持ちの面でも安心できます。

いくら「自分がいなくなった後は関係ない」と言っても、葬儀の手配や遺品整理、役所手続きなど、残された家族にとっての負担は想像以上です。

「親が何も準備しておらず、どこに財産があるかも分からなかった」「兄弟同士で相続でもめて、絶縁状態になってしまった」という話は珍しくありません。

そのため、終活は本人だけでなく、家族への思いやりでもあるということがよく分かります。

このように考えると、終活はどんな立場の方にとっても必要で、人生の後半戦を自分らしく前向きに生きるための手段とも言えるでしょう。

そしてもう一つ、気になるのは「終活」という言葉の由来ですよね。そこで、次の話題につなげていきましょう。

終活なんの略かご存じですか？

実は「終活」という言葉は、「人生の終わりに向けた活動」の略称として、2009年に「週刊朝日」が初めて使った造語なんです。

つまり、「終（わり）に向けた活（動）」＝終活というわけです。

その当時は「お葬式やお墓の準備」のイメージが強く、「なんだか縁起が悪い」と感じる方も少なくありませんでした。

でも今では、厚生労働省も公式資料の中で終活という言葉を使うようになり、社会全体に広がった言葉となりました。

現在の終活は、単に「死の準備」だけでなく、「生き方の整理」や「人生の棚卸し」も含む前向きな意味が強くなっています。

例えば、70代の男性が「終活の一環として趣味の油絵をまとめて展示したい」と言って、市の文化会館で個展を開いたという話があります。

これは葬儀や財産整理とはまったく別の取り組みですが、「自分の人生を自分らしく締めくくる」という意味では立派な終活です。

一方で、終活という言葉にネガティブなイメージを持っている方もまだいらっしゃいます。

特に「なんの略なのかよく分からず、ただ不安だけが先に立つ」という方は、「終活＝前向きな人生設計」だと知ることで、少し気持ちが楽になるかもしれません。

では、終活は何歳から始めればいいの？という疑問をお持ちの方も多いはず。

そのお話は、次のセクションで詳しくご紹介していきます。

終活とは厚生労働省の見解は？

「終活って行政的にはどう捉えられているの？」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、厚生労働省も終活を“これからの人生をよりよく生きるための準備”と位置づけているんです。

単に「死ぬための準備」ではなく、生き方を見つめ直す前向きな行動として、国もその重要性を認めています。

例えば、厚生労働省が出している「人生会議（ACP＝アドバンス・ケア・プランニング）」という取り組みがあります。

これは、もしものときに備えて、あらかじめ自分の医療や介護の希望を、家族や医療関係者と話し合っておく取り組みのことです。

厚労省のホームページでも、人生会議を通じて**「自分らしい人生の最終章」を迎えるための準備**が大切だと明記されています。

このように、行政も終活を「生きる活動の一部」として認識しているのです。

ここで、ある70代のご夫婦の事例をご紹介します。

ご主人が軽い脳梗塞で入院された際、奥様が「延命治療はどうしたいか」を聞かれて答えられず、数日間ずっと悩み続けたそうです。

その後、お二人は話し合い、「延命はしない」「葬儀は家族葬で」「財産の分配は子どもたちへ公平に」と、エンディングノートにしっかり書き残しました。

これは厚労省が勧めている「人生会議」を自然な形で実践した例と言えます。

また、終活に関連する厚生労働省のキーワードとしては、以下のような内容が挙げられます。

厚労省が関わる終活関連キーワード	内容の概要
人生会議（ACP）	医療・介護の意思決定を事前に話し合う
地域包括ケアシステム	在宅介護・医療を地域で支える仕組み
死後事務委任	亡くなった後の手続きに関する制度の紹介
高齢者の孤独死対策	見守りや支援制度の充実に力を入れている

このように、終活は厚生労働省にとっても、高齢化社会への備えの一環として重視されているテーマなのです。

ちなみに、2023年には「人生100年時代の終活支援モデル」なども公表され、地域での相談支援体制づくりが本格化しています。

終活は決してひとりで抱え込むものではなく、行政・地域・専門家と一緒に進めていくことが、これからのスタンダードになっていくでしょう。

それでは、こうした「終活」は英語圏ではどう表現されているのでしょうか？次のセクションで見ていきましょう。

終活英語ではどう表現される？

「終活って英語でどう言うの？」という質問、最近とても多くなってきました。

日本特有の文化と思われがちですが、実は英語圏にも似たような考え方や言葉が存在しています。

よく使われる表現は、以下のようなものです。

英語表現	意味・使い方
End-of-life planning	人生の最終段階に備えた準備全般（医療・葬儀・財産など）
Legacy planning	財産・想いの継承（遺産や手紙なども含む）
Advance care planning (ACP)	医療・介護の事前指示（人生会議に近い）
Estate planning	遺産相続のための財産計画（特に税対策含む）

それぞれ微妙にニュアンスが異なりますが、日本語の「終活」に最も近いのは、“End-of-life planning”か“Legacy planning”だといわれています。

例えばアメリカでは、65歳を過ぎた方の約60％が何らかのAdvance Directive（事前指示書）を作成しており、医療現場では日常的に活用されているんですよ。

あるアメリカ人女性の事例では、彼女が末期がんと診断されたとき、すでに「自分は延命治療は望まない」と事前に書類で意思を示していたため、家族や医師も安心して最善のケアに専念できたそうです。

このように、英語圏では「死後」だけでなく「死の直前」のケアに重きが置かれており、終活＝医療・介護の意思決定が中心という認識が強いです。

一方で、日本では介護・葬儀・財産整理・エンディングノートの作成など、多方面にわたる準備をまとめて“終活”と呼ぶのが一般的です。

この違いを踏まえて、両者を比べてみると次のようになります。

項目	日本の「終活」	英語圏の「End-of-life planning」
医療の意思表示	○（人生会議）	◎（Advance Directiveが主流）
財産の整理・相続	○	◎（Estate Planningとして専門家活用）
葬儀やお墓の準備	○	△（文化的に異なる）
手紙やメッセージ	○（エンディングノート）	○（Legacy Letterなど）
デジタル終活	増加中	必須ではないが浸透しつつある

つまり、日本の終活は「オールインワン型」、英語圏の終活は「機能別に準備するスタイル」といった違いがあるんですね。

このように考えると、終活の考え方は世界共通のテーマではあるものの、文化や制度の違いによってアプローチが異なるということがよくわかります。

次は、いったい何歳から終活を始めればよいのか？について、多くの方が気になる疑問を深掘りしていきます。

終活とはいつから始めるべき？

終活何歳から始めるのが理想？

「終活って、何歳から始めたらいいの？」と疑問に感じている方はとても多いです。

多くの人が「まだ元気だし、終活はもう少し年を取ってからでいいかな」と後回しにしがちですが、実は“健康で元気なうち”に始めるのがいちばん理想的なんです。

その理由は、体力・判断力・行動力がある時期のほうが、冷静かつ計画的に準備を進められるからです。

実際、終活を始める年齢についてアンケートを取った調査では、以下のような結果が出ています。

年代	終活を始めた人の割合
40代	約15％
50代	約35％
60代	約30％
70代以上	約20％

※出典：終活関連調査（2023年・民間調査会社による）

このように、50代から60代にかけてが終活スタートのピークとなっているんですね。

ただ、ここで注意してほしいのは、「病気がきっかけであわてて始めた」という方が多いという点です。

私の知人の母も、がんと診断されたことで急にエンディングノートや葬儀の話題が出始めました。

ですが、そのときには介護の準備も、財産の整理もできておらず、家族全員が慌ただしい日々を過ごすことに。

結果的に、必要な手続きが間に合わず、死後の相続手続きや遺品整理で大きな負担がかかってしまいました。

このような状況を避けるためにも、終活は“まだ何も起こっていない今”から少しずつ準備するのがポイントです。

終活といっても、いきなりすべてを済ませる必要はありません。

まずは以下のような簡単なステップから始めてみましょう。

自分の財産（預金・不動産など）をざっくりリストアップする
いざというときに知らせてほしい家族や友人の連絡先をまとめておく
医療や介護について自分の希望を書き留めておく
エンディングノートを買って、できるところから記入してみる

こうした小さな行動の積み重ねが、将来的に大きな安心につながります。

今の時間を使って、家族と話し合いながら準備できる環境が整っていることこそ、理想的なタイミングと言えるでしょう。

では、「理想的」とは別に、「いつ始めるべきなの？」という視点からも見てみましょう。

終活は何歳から始めるべき？

「終活は〇歳から始めるべき」と断言するのは難しいのですが、目安としてよく言われているのは50代から60代の早い段階です。

理由はとてもシンプルで、この年代は人生の節目となる出来事が多く起こるからです。

例えば、

親の介護が始まる
自分自身の健康診断で異常が見つかる
定年退職によって財産や保険の見直しが必要になる
葬儀や相続の手続きに立ち会う機会が増える

このような出来事を経験すると、自分の「死後」についても現実味を帯びて感じるようになるんです。

実際、ある60代男性がこう語っていました。

「親の葬儀をきっかけに、終活を考えるようになった。遺言がなかったから、兄弟で相続でもめてしまってね。自分の子どもには、そんな思いをさせたくないと思って始めました。」

こうした声を聞くと、「終活は、自分のためでもあるけど、家族のためでもある」という意識が高まりますよね。

また、終活を早めに始めると、次のようなメリットもあります。

早期終活のメリット	内容
判断力があるうちに準備できる	医療や財産の意思決定を自分の意志で明確にできる
家族と余裕をもって話し合える	時間をかけて少しずつ方向性を共有できる
自分らしい人生設計ができる	趣味・旅行・地域活動なども含めた後半人生の計画が立てやすい
死後の負担を軽減できる	葬儀や相続のトラブルを未然に防げる

とはいえ、どれだけ準備しても完璧な終活はありません。

むしろ「完璧にやらなきゃ」と思いすぎて手が止まるよりも、できることからゆるやかに始めていく姿勢が大切なんです。

人生100年時代と言われる今、50代で終活を始めてもまだ40年近く人生が続く可能性もあります。

だからこそ、終活は“死に備えること”だけではなく、“これからの人生をどう生きるか”を考える機会でもあるんです。

さて、ここまで終活の開始時期について見てきましたが、次は「20代・50代ではどう終活に向き合えばいいのか？」という年齢別の考え方にも目を向けてみましょう。

終活何歳から平均はどれくらい？

「終活って、みんな何歳くらいから始めてるの？」と気になったことはありませんか？

多くの人が実際に終活を始めている年齢の“平均”は、おおよそ60代前半と言われています。

これは「定年退職」や「親の介護・葬儀」など、ライフステージの大きな変化が起きるタイミングと重なることが多いためです。

下記の表をご覧ください。

| 年代別｜終活を意識し始めたきっかけと割合（※参考調査） |
|——–|————————————|
| 40代 | 10％：親の介護や財産整理の相談が増えた |
| 50代 | 30％：健康不安・身近な人の葬儀の経験 |
| 60代 | 45％：定年退職・相続・お墓の準備 |
| 70代以上 | 15％：体調の変化、終活の遅れを実感 |

このように**「60歳前後」が終活開始のボリュームゾーンであり、特に財産の整理や医療・介護に対する意思表示**を始める人が多いようです。

ただし、私の知り合いの50代女性は、60代の母が突然倒れたことをきっかけに、「もう少し早く終活を始めておけばよかった…」と後悔していました。

母親は「まだ元気だから」と言いながら、何も準備せずにいたため、病院・介護施設の手配、財産の確認、葬儀の希望など、娘である彼女に大きな負担がのしかかったのです。

特に「死後」のことは誰もが後回しにしたくなるもの。

ですが、時間に余裕があるうちに準備をしておけば、人生の後半も穏やかに過ごすことができるというのが、こうした体験から得られる教訓です。

ちなみに、エンディングノートの販売データを見ても、「購入者の平均年齢は55〜65歳」が多く、やはりこの時期が終活スタートのひとつの目安と言えそうです。

一方で、「もっと早く始めてよかった」と感じる人も増えており、次にお話しするように20代〜50代では異なるアプローチが求められています。

終活 20代 50代での取り組み方

「終活って高齢の人がやるものでしょ？」と感じていませんか？

実は、20代と50代では、終活への向き合い方がまったく違います。

それぞれの年齢層に合った終活の始め方を紹介しますね。

【20代の場合】”終活＝ライフプランの見直し”として始める

20代のうちは、「死後」のことよりも、今後の人生をどう過ごしていくかが主なテーマになります。

以下のような項目を通じて、終活をライフプランの延長として取り組む方が増えています。

学生ローンやクレジットなどの整理
保険の見直しや加入
SNSアカウントのデジタル整理
万一の備えとしての緊急連絡先の管理

とくにSNS世代の20代は「もしものとき、自分のスマホやデータってどうなるの？」と心配する人が多く、デジタル終活を意識する人も増えてきています。

私の友人は、Instagramのパスワードを親に伝えておらず、突然の事故でデータが一切見られず苦労したと話してくれました。

こうした小さな「終活」が、家族にとっての負担軽減につながることもあるんです。

【50代の場合】”親の介護や自分の備え”を同時に考える

一方で50代に入ると、親の介護や葬儀に直面するケースが一気に増えてきます。

それと同時に、自分自身の健康や財産についても気になり始めますよね。

50代での終活の主な取り組みは以下の通りです。

親の財産・介護・葬儀の準備サポート
自分の財産の把握と書き出し
エンディングノートの記入
医療・介護に対する希望の整理

実際、私の母も55歳のときに父の介護を経験し、その後すぐに自分の終活も始めました。

「介護がどれだけ家族にとって大変かを知ってしまったから、自分のときはできるだけ整理しておきたい」と言っていたのが印象的です。

このように、20代は“未来を考える終活”、50代は“備えを整える終活”として、それぞれのアプローチがあるのです。

それでは次に、「終活はなんの略かご存じですか？」という素朴な疑問について、もう少し深く見ていきましょう。

終活何から始めるのが正解？

終活って、いろいろやることがありそうで、どこから手をつけていいかわからない…そんなふうに感じる方が多いのではないでしょうか。

まずは「身の回りの整理」から始めるのが正解だと私は思います。

これは、モノだけじゃなくて、情報・気持ち・お金のことなど“見えない荷物”を軽くするという意味も込められています。

というのも、あるママ友の話なんですが、ご両親が突然入院されたとき、「どこに通帳があるのか」「保険は入ってるのか」「葬儀の希望は？」とバタバタになってしまって、介護や準備にかける時間も心の余裕もなくなってしまったんです。

その経験から彼女がまず取り組んだのが、「家族に伝わる形で自分の情報をまとめておくこと」でした。

たとえば以下のような項目に分けて、ひとつずつ整理していくとスムーズです。

終活の準備リスト	内容の一例
1. 物の整理	写真・洋服・趣味の道具・遺品になりうるもの
2. 情報の整理	銀行口座、保険、年金、スマホ・SNSのパスワード
3. 気持ちの整理	葬儀の希望、介護を誰に頼みたいか、遺言に残したいこと
4. 家族への共有	エンディングノートを活用、話し合いの場を持つ

このように、「できることから」「書き出して」「見える化する」ことが、終活の第一歩になります。

中でも、「エンディングノート」は、自分の気持ちを家族に伝える手段としてとても有効です。

一気に書き上げようとしなくて大丈夫です。

まずは「家族に伝えておきたいこと」をメモ帳に書くことから始めてみてください。

そしてもうひとつ、時間がかかるのが“財産整理”です。

不動産や相続に関わる内容は専門家の力も必要になりますので、早めの情報収集がカギになります。

このように段階を追って進めていけば、「終活って大変そう…」という不安も少しずつほどけていきますよ。

次にご紹介するのは、身近に頼れる人がいない方にとっての「おひとりさまの終活」の進め方です。

終活おひとりさまの備えとは？

「家族がいないけど、私も終活を始めたほうがいいのかな…？」

そんな不安を抱える“おひとりさま”の方こそ、終活の準備が大切です。

というのも、頼れる人が少ないからこそ、自分で「死後」のことをしっかり決めておく必要があるからです。

実際に私の知人である60代の女性も、「身寄りがないから不安」と話していました。

その方が特に困っていたのが「葬儀」と「財産の管理」についてでした。

そんなとき彼女が取った行動は、以下のようなものでした。

おひとりさま終活の備え方	内容例
葬儀の準備	生前契約を利用し、葬儀社とプランを決定
財産の管理	公正証書遺言を作成し、信頼できる専門家に依頼
介護・医療の意思表示	任意後見契約・尊厳死宣言を公証役場で手続き
死後の手続き代行	死後事務委任契約を結び、事務処理を依頼先に指定

特に「死後事務委任契約」は、おひとりさまにとってとても重要な制度です。

これは、亡くなった後の手続き（住まいの解約、火葬、納骨など）を第三者に依頼できる制度で、信頼できる友人や行政書士にお願いするケースが増えています。

また、本人が動けなくなったときに備えて「任意後見制度」も合わせて検討すると安心です。

なお、費用面に不安を感じる方には、市区町村の無料法律相談を活用する方法もあります。

終活は、自分の人生を自分で選ぶための「準備」です。

とくに家族の支援が得られにくい場合こそ、早めの準備が“安心”と“尊厳”につながります。

それでは次に、「終活で大切な10のこと」について、もう少し具体的にお話していきますね。

終活で大切な10ことは何ですか？

終活を始めるとき、何から取り組めばいいのか、何が大切なのか迷ってしまいますよね。

人生の終わりに向けての準備と聞くと、なんとなく重たい印象がありますが、「自分らしい生き方を選ぶための整理」と考えると、少し前向きになれるかもしれません。

私の祖母も70代で終活を始めたのですが、「もっと早く準備しておけばよかった」と何度も話していたのが印象的でした。

特に、財産や葬儀の希望を家族に伝えていなかったことが、大きな負担になったそうです。

そんな経験をもとに、終活で大切な10のことを以下にまとめました。

項目	内容	ポイント
1. 財産の把握と整理	通帳、不動産、保険、ローンなど	家族がすぐに把握できるように一覧表を作成
2. エンディングノート	自分の意思や希望を書き留める	法的効力はないが家族へのメッセージに最適
3. 遺言書の作成	財産分配のトラブルを防ぐ	公正証書遺言がおすすめ
4. 介護の希望	誰に、どのような形で介護してもらいたいか	事前に話し合っておくと安心
5. 医療・延命治療の希望	尊厳死や延命の希望を記す	事前指示書やリビングウィルの検討も
6. 葬儀の希望	規模・形式・費用について考える	自分の想いを家族に伝えておく
7. お墓や供養方法	墓地、納骨堂、永代供養など	後継ぎの有無に応じて選ぶ
8. デジタル遺品の管理	SNS、スマホ、写真データなど	ID・パスワードの整理が重要
9. 生活用品の整理	衣類、写真、家具など	思い出を振り返りながら手放す
10. 家族との共有と対話	すべてを一人で抱え込まない	一緒に考える時間を持つことが大切